見出し画像

夫は、とても繊細に言葉を扱う

夫は言葉の使い方にとても敏感だ。

息子が泣き止まなかったとき、私が「息子がぐずってる」というと、
夫は「『ぐずる』って言葉、言いたいことは分かるんだけど、泣いてることに対してネガティブなイメージを感じるから使いたくない」と言った。

んん?でも、泣き止まない状態のことはどう言うの?と聞くと、
「『長く泣いている』はどう?」と。
いやいや、それはよけい分かりづらいような…。

夫の言いたいことは、
泣くことは、言葉で表現することのできない息子にとって、意志の主張だから決して悪いことではない、彼のコミュニケーションを大切にした表現を使いたい、ということだった。

私は「ぐずる」を検索してみた、漢字だと「愚図る」と書くらしい。

機嫌が悪くて泣き止まない状態のことをさす他に、「素直に納得せず、無理を言って困らせる。ごねる。」といった意味もあった。

たしかに「泣き止まない」ときのことを、大人を困らせるといった少しネガティブな気持ちをこめて表現していることもあるのかもしれない。
それから、なんとなく我が家では「ぐずる」という表現をしなくなった。

夫が息子と2人で外出することになった。
私は「移動中にオムツ替えしたりロスタイムがあるかもしれないから、早めに出発した方がいいよ」といった。
すると夫は、「ロスタイムって…なんか息子くんのせいで時間が失われるっていうようなイメージだから何か嫌だな。『アディショナルタイム』はどう?」と言った。

分かりづらいわ…!そこ気にする? 
とツッコミをいれた。

ツッコミをいれつつ、またまたロスタイムを調べてみる。
「ロスタイムとは、サッカーなどの球技における用語。 試合において、競技者の負傷者のアピールや負傷者の搬出などにより空費された時間、いわゆる「空費時間」を指す通称である。

空費時間…。
息子が予期せず泣いてしまい休憩をとることも、うんちをして急遽オムツ替えが必要になることも、無駄なことは一つもない。息子にとってはとても大事な時間だ。
私は、大人の都合で無意識に「時間が奪われた」と感じていたのかもしれない、たしかに息子がプラスアルファの時間をくれたと思った方がお互いにとって幸せだなと思える。

夫は、とても繊細に言葉を扱う。

それは、その言葉の先にいる相手を心から大事にしているからだと思う。

「行ってきまーす!」

夫は、アディショナルタイムを見込んで息子と早々に出発した。

#私のパートナー


サポートいただいたら息子とのお出かけに使いたいと思います、そしたらまた絵を描きたいと思います✨