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日本の欧風カレーの感想は?

前回の続き。

初めてインド料理店で1日だけイベントのため働くことになった私。

たくさんのことが初めての体験でした。

まずは、Gunpowderロンドン、リスボン全てを統括するエクゼクティブシェフのニルマルに迎えられ、メニューと使うお皿のミーティング。

その後、仕込み用の厨房を案内してもらい、皆さんに紹介してもらう。私以外は全て男性で、インドやネパール、パキスタンなどの国々の方達。細長い厨房には、すごい人数の料理人や洗い場担当の人たちがひしめき合っていて、皆で作業場を譲り合いながら仕事する。

有難いことに、私用に、一人アシスタントの人をつけてもらえた。このレストランでの共通語は英語か現地の言葉。ミーティングもサービス直前の打ち合わせも英語で、ポルトガル語は接客の時だけ。

この日のために、私のメニューに合わせたGunpowderのシェフオリジナルのメニューも登場し、試食をさせてもらった。やっぱりパンチのあるスパイスの効いた味で、日本の優しめの味付けはもしかしてぼやけた印象になるんじゃないかとちょっと不安になる。


Gunpowderから出された魚のカレー

今まで色んな場所でイベントやポップアップをやって、今までとの大きな違いは、このレストランは群を抜いて完璧にオーガナイズされていて、宣伝担当、予約を取りまとめるマネージャー、仕込み担当の料理人に洗い場担当、シェフ、バーテンダー、サービス担当と、このイベントの準備は万端にされていたこと。この日のためだけの、柚子を使ったカクテルもメニューに登場していた!オープン直前には、サービスのスタッフが集まり、出されるメニューの食材の説明を一つ一つ説明し、試食もする。いかにスピーディーに料理を出せるかに物凄くフォーカスされていて、最後の盛り付けの食材のストックする位置、使う容器なども、事細かく指示がある。


柚子のカクテル

私が出した中で、特に人気だったのは、イワシのマリネとビーフカレー。

8月のイワシはポルトガルでは本当に人気で、海外から来る人たちは、こぞって選ぶメニューだ。日本食料理店も、鰯の握りを炙って出すところが多くて、結構な値段をつけるところも多い。私は地元の市場で手に入れた新鮮な鰯をオリーブオイルと庭のローズマリー、ニンニクでマリネしたものを、夏のシャキッとした胡瓜と合わせ、梅干しで作ったペーストで味にアクセントをつけた。


photo by Joana Freitas

ビーフカレーは、ボリュームがあるからシェアして食べている人が多くて、そのほかに、レストランの出すこの日だけの魚のカレーやベジカレーをみんなでシェアしたりしていた。後から色んな方の感想で印象に残ったのは、自分の故郷の煮込み料理を思い出したよ、と何度か言われたこと。例えば、ポーランドの人は、スパイスは入っていないけど、故郷には似た煮込み料理があって、だからこのビーフカレーは特に気に入ったという。ベルギーの方は、ブッフ・ブルギニョンを思い出すと言っていた。確かに、赤ワインも使って煮込んだから。よく煮込むから、鮮明なスパイスの辛さじゃないけど、後からじわっとくるやさしい辛さは日本らしいかな、と思う。


photo by Joana Freitas

まるでステージみたいなオープンキッチンにも料理人がひしめき合っていて、100人以上来たお客様のオーダーをすごいスピードでさばく。シェフがオーダーを入れる。私のカレーは、オーダーが入ったら、ご飯をつぐ人、カレーをかける人がいて、最後に私が副菜の盛り付けをするっていう風な感じで、それは大助かり!そんな感じで、私はオーダーが入った前菜を作りながら、カレーの最後の仕上げをしながら、時々お客さんと話すこともでき、ライブ感のある楽しい時間を過ごせた。




トマトとスイカ、味噌のガスパッチョ
photo by Joana Freitas

最近は、「うちの店に来て何か面白いことやって!」と丸投げの依頼が多い中、こういうコンセプトも企画もきっちりした、プロフェッショナルなレストランのイベントに参加させてもらえたのは、貴重な体験でした!


photo by Joana Freitas


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