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あなたの主催する場は "話しやすい" ? 場の安全性を高める守秘義務を設計する

今回も、ファシリテーター向けの記事。私のように対話の場を開く人向けの記事なので、自分で何か場を開く人はぜひ読んでみてください。 


私は自分が主催する場は、死や女性性、深い内省を意図した場を開くことが多いため、意識的に守秘義務の設計をすることがあり、どんな点を意識しているかを書いてみようと思います。(なので、あまり守秘義務の必要ない場を開く人には役立ちません。)


守秘義務は必要か?

そもそも対話の場に守秘義務は必要でしょうか。場を設計するときに「どの程度の守秘義務を取り入れるか」を検討することは大切な場の設計の1つだと私は思います。 守秘義務が必要かどうかは開催する場のテーマにも寄ると思いますが、最近はSNSがあるのでシェアを含めてどの程度許可する、しないを明言した方が参加者にとって安心感が変わるはず。


例えば、PR目的を含めた場だった場合、参加者に積極的に写真を撮ってもらい、SNSの拡散を意図していることがあります。でも、参加者は人によってはあまり写真に映りたくない事情があったりします。(例えば、他の予定をずらして参加した場合、とかね)   


なので、最近開く場では

1. 話した内容についての取り扱い
2. 参加している間の写真(動画も)についての取り扱い

2点について意図的に設計するようにしています。


1. 話した内容についての取り扱いはどうするか?

私の場合、対話の場で、普段あまり話し合わないテーマ(死、女性性とか)で話し合いをするときは、

" 個人が特定できる形式で話したことを持ち出さないようにご協力ください"

と必ず言及しています。


個人が特定できる形式で、とありますが具体的に言うと

「○○さんがこんな話をしていたんだけど」

と個人名を言ったり、例えば話の内容が特別すぎて明らかにあの人の話だと分かる話を、その場以外でしない、という意味です。(もちろん、話をした本人が許可してくれた場合はOKですが)


なので、上記の説明をしたうえで「参加して話したり聞いた話を元に自分が感じたことや考えたことは発信してくださって大丈夫ですし、むしろ皆さんが参加されてどんな風に感じられたかは知りたいです」と言うようにお伝えしています。


過去に私が参加者として参加した場で、おそらく守秘義務を気にしてのことだと思うのですが、「この場で話ししたことは、今日が終わって扉をでたら忘れてください」と言及されたことがありました。


でもさ、それって・・・


無理じゃない???


人って他の人との関わりあいで影響を受けるのが自然なので、それを無理やり「完全になしにしてください」だと逆に意識的に「この場で話したことを外で話さないようにする労力」が頭を過ぎるため、全く言及しないよりは良いかもしれないけど、安心感を高めているように私には感じられません。 (だって、普段誰から聞いたか忘れたけど、いいなと思ったエピソードや、自分がしたい説明を補足してくれるエピソードをしたりしますよね? それって人から影響を受けて自然にするコミュニケーションじゃない?)


他にも、テーマが仕事や働き方に関するものだったり、いろんな企業の人が集まる場だった場合は「今日は自由に話し合ってもらえたら嬉しいのですが、自社の仕事などについて話をする際には、どの程度伝えるかはご自身でご判断ください。もし、『あー、これは喋っちゃいけなかったかも』と思ったら『ここはオフレコで…!」と相手の方に伝えてくださいね」と添えています。


2. 写真などはどうするか?

もう1点、写真などについて言及するのは最近の場ではかなり重要になってきます。継続的に場を開くときには、主催者としても「イベントの存在自体」は広めて欲しい気持ちはあるものの、話し合いの最中にカメラの音がパシャパシャなったらどうしても気になりますよね。


私は、死などのテーマで行う場合は、会の前後に会場の様子や皆の様子を撮影するのはOKで、会が始まったら撮影はご遠慮ください、にすることが多いです。 誰でもどこでも記録できる今だからこそ、カメラの音を気にせず話に集中できることは逆に安心感に繋がったりします。


イベントの雰囲気を残したい場合は、「様子はファシリテーターが途中で何枚か写真を撮らせていただき、後ほどシェアさせていただくようにします」とする場合もあります。


また、ワークショップ形式だと書いた付箋などを写真を撮るケースがありますが、これも開催テーマによっては最初に「書いたものは写真を撮っていただいても大丈夫ですが、個人の振り返りように留めていただき、SNSなどの掲載はお控えください」と伝えることがあります。( 後ほど、どこかに載るのかも?と頭を過ぎると、本音が書きづらくなります ) 


今はグラフィックレコーディングと呼ばれる、話を聴きながらその様子を絵やシンボル、文字などで残していく手法があります。でもそれも「一歩外にいる人が書いている」というのと「完全に私たちだけで話す」だと潜在的な安心感って変わりますよね。(なので、私はとにかく「個人の深い気づき」が重視なら、記録はあまりしない場にデザインします。) 


逆に、PRの意図が強い場のケースは予め告知文にその旨を記載しておく、という方法もあります。 例えば、「イベントの様子を写真撮影させていただき、後日団体内のHPに開催レポートとして使用させていただく点に予めご了承ください」と記載しておく、など。  


記載していても、当日は必ず「告知文には記載させていただいたのですが、大丈夫ですか」と再確認するようにしています。当日、例えばあまり体調が良くなくて写真には映りたくないなという気分のこともあるし。


そして、撮影の許可を撮った場合、なるべく参加者に言うようにしているのは・・・




「気が変わったら教えてください」



です。気持ちって変わるんです、人間は。写真写ってもまぁいいかと思っていたけれども始まってみたら思いの外色々話してしまい、涙してしまった。どの場面で撮影されていたかも覚えていないからやっぱり写真を使われるのは抵抗あるなぁ…とかね。


気が変わっても良いですよ、と伝えてあげる方が安心しませんか? 私が参加者だったらそちらの方が安心感があります。



あと、安心感を高めるために意識していることは「当日ファシリテーターが忙しそうにしすぎないこと」ですね。 参加者も「こんなこと言ったら細かいかな?」と言うことってファシリテーターが忙しそうだと「まぁいいか」となってしまい拾われないケースが多い。


なので、しっかり場の設計をし、当日早めに準備をしたらぼーっとするようにもしています・笑。(参加者に話しかけてみたりね)


少し長くなってしまいましたが、私が場を開く際に意識する守秘義務のデザインについて、でした。


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