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30代を、30代らしく

30代を、30代らしく生きたい。

歳を重ねるごとに、1年1年の重みが尊く、
大切にしたいと思うようになった。

30歳から31歳になってみると、
気持ち的に少し落ち着いた感覚がある。

20代の頃のハチャメチャ感はなくなり、

遠い未来だと思っていたことが、
着々と目の前に迫り来ることを
実感できるようになってきた。

例えば、
これからキャリアを
どのように積み上げていくのか。
子どもはつくるのか。
何を専門として探究していこうか。
どんな人たちと繋がりたいか。

そのリアル感をひしひしと味わうことで、
これからの人生への覚悟を噛み締める。

今、覚悟を決めるにふさわしい時期にいると、
感じずにはいられない。


**


本田健さんの著書『30代にしておきたい17のことは「30代は、20代と違って、人生がダイナミックに変化していく時です。」と始まる。

20代も、十分ダイナミックだったような気がするが、まだまだこれかららしい。


「まだ何か変化が来るの!?」
というワクワク感と、

「この先どうなっていくんだろう」と
顔を強張らせながら
先行きを見守るような気持ちとが入り混じる。


けれど、変化のタイミングは、
それを受け入れる心の準備ができていないと、
あっさりと過ぎ去っていくだろう。

だから、自分の人生の目的地を定めて、
多少荒波に揺られても平気である丈夫な船と、
地図とコンパスは、ぜひとも手にしておきたい。

「人生の目的、というと、大げさな感じがしますが、要は、何を大切にするかです。」

本田健著『30代にしておきたい17のこと』より


本田さんのとてもシンプルな言葉に、
なるほどと納得する。

「何を大切にするか」は、ただ家で
じっとしていて見つかるものではない。

自分が身を置きたい環境に飛び込んでみて、
荒波に揉まれてみる。

この時、挫けそうになりながらでも、
「大切にしたい」と思えた志しや、使命や、
繋がりが、炙り出されてくるものだ。

同時に、もう必要のないこともわかってくる。

自分が、本当は手放したいと思っている
人間関係や仕事や環境に、
文句を言いながらもしがみついて生きていることに、気がついてしまうのだ。

この時に勇気を持って、
手放したい信念、関係、そして環境から
自分の心を解放することを選択して、

いかに心と時間的余白を作れるかが
重要だと感じる。


こうして、
「何もしない」ということを実践することと、
「何をしたいか」を考えること。

これは一見、相反することのようだけれど、
本当に何をしたいかは、
何もしないことを実践した後でしか
認知できない
と思うのだ。



毎日仕事で忙しくしていた時、

「あのカフェに行きたいのに、全然休みがないから行けない」

と思っていたことがあった。


けれど実際時間ができて、
いつでもカフェに行ける状態になったところで、仕事をしていた時と同じ頻度でしか行かなかったのだ。

毎日カフェ通いをするのは
贅沢すぎると思ったし、

頻度が少ないからこそ、
カフェで過ごす時間が幸せに感じるのだ
と納得した。

前日の晩に、「明日こそ行こう!」と
意気込んで寝たにもかかわらず、
翌朝には他にやりたいことができてしまう。

それをしている間に夕方になっちゃった、
なんて、しょっちゅうあった。

行かない理由なんて、山ほど作れる。
だから、行く理由だって、山ほど作れる。

「カフェに行きたい」という願望は、
当時の私にとっては

「カフェに自由に行けるような・・・、仕事とお金に縛られないライフスタイルを送りたい」

という意味合いだったのだ。

だから、カフェに行く生活自体が、
目的ではなかったのだ。

こんなふうに、
忙しいときの「〇〇したい」は、
当てにならないものだと思った。

ただ、蓄積しているストレスを
発散したい何かを、
探しているだけであるかもしれないからだ。

ストレスを発散することも大切だけど、
今はオンとオフが"極端に"切り替わる状態よりも、

定期的なガス抜きをして、
いつもご機嫌でいる方を選択したい。

✴︎✴︎✴︎

有川真由美さんの著書『いつも機嫌がいい人の小さな習慣』がベストセラーになってるが、

いつもご機嫌でいることは、
セルフケアとセルフラブの賜物だろう。

「今、Z世代に、セルフケア&セルフラブの革命が起きている」と語るのは、世界と私のA to Zの著者、竹田ダニエルさん。

竹田さん自身、アメリカ在住のZ世代だ。

セルフケア、セルフラブと聞くと、
自己完結する世界の話だ
と思うかもしれないが、

実はそれだけに留まらない。

自分自身のケアを行うこと、
愛を与えることをし続けることで、
自ずと周りにいる人々が変化していくのだ。

例えば、自分が感じたことを、
自分自身がすぐに気づいてあげることも
セルフケア、セルフラブの実践のひとつである。

「今の傷ついたなって思った時に、
『はい、今の言葉、傷つきました〜』と、
明るく言えるようになった」
と語る友人がいた。

それはとても大きな変化だったそうで、
おかげで人間関係が楽になったという。

それに、何をすると傷つくのかは、
人によって異なるものだ。

トラウマ的なことや、
その時の心の状態で傷つきやすかったなど、
きっかけは様々だ。

傷ついている本人も、
本当は何が傷ついたのか
よくよく感じてみないと、

本当のところ、
わかっていないことがあるかもしれない。

だから、相手もわかるはずがない。
伝えないと伝わらないものなのだ。

自分が何を感じ、どう思ったのか。

傷いた、という「弱さ」を受け入れ、
その感覚に耳を傾ける。

そして、それを「言語化」というかたちで
アウトプットしていくことは、
とても大切なセルフケア、セルフラブの習慣だと思う。

Z世代的な価値観が提示するセルフケア・セルフラブは、ナルシシズムという形での自己愛や「自助」を装った自己責任論、さらには自己啓発書などに見られる「セルフヘルプ」の価値観とも異なる。社会の構造と向き合って何かしらの変化を起こしたり、コミュニティ内で助け合いや学び合いを可能にするために、自分というエネルギー源を守るためのものなのだ。

竹田ダニエル『世界と私のAtoZ』より


爽快な文章に、首がもたげるほど共感する。

セルフラブは、
自分という存在を120%発揮するために、
なくてはならないもの。

自分を愛して信じる気持ち、
つまりは自分自身の絶対的味方である気持ちが、自分というエネルギー源を守る力に
なるのではないだろうか。

そのエネルギー源が守られ続ける限り、
例え新しい環境に飛び込んだとしても、
最大限の力を発揮できるのだ。

どんな状況でも、
人と人との化学反応を楽しみながら
自分が生き生きとしている。

それが、自分らしく生きるということ。

これからの30代を、30代らしく、
楽しみながら生きることになるのだろう。

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