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息子が白血病になりました 16.妊孕性について

 小児の白血病は多くが急性リンパ性白血病か急性骨髄性白血病だそうです。
リンパ性でも骨髄性でもリスク分類というものがあります。
予後の悪い遺伝子の異常がある場合や、治療の反応が良くない場合には高リスクとなり、造血幹細胞移植が検討されます。
移植の前には、大量の抗がん剤を投与したり、全身への放射線治療をしたりする移植前処置という治療を行います。
移植前処置は通常の化学療法や放射線治療よりも強い副作用が起こり、その中には不妊があるのです。

女性編

治療
◎放射線治療
お腹や骨盤、子宮頸部に放射線を照射した場合、妊娠はほぼできなくなるそうです。
◎化学療法
薬の種類や影響の出る場所によって副作用は異なります
・一時的に無月経になるが、残った卵胞が成熟してくると月経が戻る(回復しても不妊となっている可能性がある)
・卵子がすべてなくなってしまい、月経の回復が困難となる

妊孕性の温存方法
パートナーがいる場合→受精卵の凍結保存
パートナーがいない場合→未受精卵の凍結保存
腟内からの処置が難しい女児や思春期の女性、治療を急ぐ場合→卵巣組織の凍結保存
卵巣組織の凍結保存は出生に至った報告がまだ少なく、現状は研究段階のものとして行われているようです。

男性編

治療
◎放射線治療
お腹や骨盤、精巣に放射線を照射した場合、精子形成ができない、精液の中に精子が少ない、またはない状態になることがあうそうです。
治療終了から数年後に回復することもあるようですが、照射される放射線の量が多いと回復は難しいとのことです。
◎化学療法
薬の種類や影響の出る場所によって副作用は異なります
・精液の中に精子がない状態になる(治療終了から数年後に回復することがある)
・精子のもととなる細胞がすべてなくなってしまい、精子形成が困難となる

妊孕性の温存方法
思春期以降→マスターベーションによる精液採取、凍結保存
思春期前→確立された妊孕性温存の方法なし

 調べてまとめてみました。
なぜ調べようと思ったかというと、同じ病院に移植を予定している子が居たからです。
将来自分がどうしたいかなんてまだまだわからない小さな子です。
保存するとしたら卵巣組織だと思いますが、採取にも保存にもお金はかかるし、本人の体への負担もあるでしょう。
しかもまだ研究段階の技術です。
もし妊娠できない体になった時とき、妊娠できなかったとき、その事を責められたらきっと心がもたないと、その子のお母さんは言っていました。

 息子は今のところ移植は視野に入っていませんが、寛解前はどれくらい抗がん剤が効いているかわからなかったし、
精子を作ることのできない年齢のこどもは何も対策ができないということが気になっていました。
また、体は準備ができていても、心がまだ伴っていないなど、デリケートな問題もあるようです。
小児がんの妊孕性について考えられるようになったのは、最近のことだとありました。
まだまだこれからの分野なのでしょうね。
いつか少ない負担で、未来に可能性を残せるようになってほしいと思います。

 難しいのいっぱい読んだら疲れたな!

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