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息子が白血病になりました 最終回.後日、病院に行く

 息子の葬儀が終わって、ひと息つけたタイミングで病院に入院していた行きました。荷物の回収と先生のお話を聴くためです。
他のお母さんに会ったらどうしようとか、「ここをこうしていたら助かったかもしれません」的なことを言われたらキツイなとか、
行きたくない気持ちがもりもりでしたが、帰る時にはいくらか気持ちがスッキリしていました。
ここで初めて聴く内容もたくさんあり、お話できて本当に良かったと思います。

 息子は治療中、腕、指、太ももなど、何度も菌に感染していました。
このような例は白血病の患者でも普通はあまりないらしく、そういう体質だったのかもしれないとのことでした。
白血病で免疫力が落ちているという特殊な条件下でないとわからないこともあるそうです。
息子は白血病になるまで、風邪をひくことも、熱を出すことも滅多にありませんでした。

 今回の感染は、抗生剤に抵抗できるように変化した菌数種類の感染だったようです。
抗生剤が効かないため、菌の増殖をコントロールができず、血液のバランスが崩れ、臓器が上手く機能しなくなり、といった感じです。
その抗生剤に対して抵抗がある菌かどうかということは、わかるのに時間がかかるそうです。
(発熱や血液中の菌の発見など→抗生剤開始→2日後くらいから効きはじめる→さらに2日後くらいに抵抗性の菌かどうかがわかる)
抗生剤が効かなかったのと、菌の増殖速さが原因だと思われます。

 いつのタイミングかはわかりませんが、CTスキャンを取っていたようで、
夜中に電話を受ける前の23時頃に、脳梗塞に近い状態になっていることがわかったそうです。
脳はダメージを受けていたけど、最期まで心臓は頑張ってくれていたと。
本当に私と夫の到着を待っていたようでした。
最期まで本当に良く頑張ってくれたと思います。

 菌に感染しやすい体質であったため、普通は5回行う抗がん剤治療を4回で終える道もあったと教えてもらいました。
しかしその場合、再発のリスクが伴い、再発した場合はもちろん治療は最初からとなること、また、治しにくくなるため骨髄移植や放射線治療などより強力な治療が必要になるとのことでした。
私はその場で、それでも5回目の治療をお願いしていたと思いますと伝えました。
先生にこの相談をされて、もしも自分で決めていたら、選択を後悔して、今よりずっと辛い気持ちになっていたかもしれません。
今まで感染しながらも何度も乗り越えてきた息子を信じてくれた、先生方に感謝しています。

 入院当初、病室は狭いし、外には出られないし、付き添い入院は監獄のようだと思ったこともありました。
でも、今思えば、掃除も食事の用意もしなくていい、全力で息子と向き合える、とても幸せで貴重な時間だったと感じています。

 頂いたビーズは全部で595個になりました。
ながーくなったね。息子が戦った証です。

息子が頑張った治療の数ぶんのビーズ

(↓ビーズについては、こちらの記事で書いています)

 息子は優しいし、賢いし、頑張り屋で、可愛いくてとても良い子なので、極楽浄土直行だと思うのですが、私は何かと怠惰な人間なので、そっちに行く時に息子のところまで行けるかどうか…それだけが心配です笑

 寂しくなって寝る前に少し泣いたり、この記事を書き始めた時は、その時を思い出して鼻水を垂らしたりしておりましたが、今はもう大丈夫です。
ちゃんと食べて寝て遊んで、健康に過ごしております。
息子とはずっと一緒にいる気持ちですし、私はずっと息子の母親です。

 以上で「息子が白血病になりました」の記事は終わりになります。
みなさん、大切な人との時間を、大切にお過ごしください。
そして私は、病気と戦う子どもたち、付き添い入院で頑張るお母さん・お父さんを心から応援しています。
読んでくださり、ありがとうございました。

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