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【キャリア】あなたの働き方が誰かの希望になっている♯019

今日は、時間制約を受けながら働く人たちの"罪悪感"についてふれてみようと思います。

出産の直前まで会社員として働いていたのですが、妊娠がわかったとき、私が携わっていたプロジェクト業務は3年間の終盤にさしかかろうとしていたときでした。「無理をするな」「帰って大丈夫だよ」と言われつつも、課長や同僚に仕事を引き取ってもらって、自分だけ帰ることが大変申し訳なく思っていました。
こういった罪悪感を持ちながら、育児、病気、介護など時間制約のなかで働く人たちは、皆さんの中にもいらっしゃるのではないでしょうか?

当時、課長はご家族、小さなお子さんもいたにもかかわらず「終電逃しても夜中1時、2時に終バスがあるから(!)大丈夫ですよ!」と言いながら働いていたし、同僚の後輩も快く仕事を引き受けてくれたけど、明らかに自分の業務だけでも疲れていて、ヘルニアの手術などもしていました。だから二人には申し訳なく、幸い悪阻等が軽かったこともあり、「プロジェクトが終わるまでは・・・」と自分も残業しながらプロジェクトのゴールまで走っていました。

その時、別のグループの課長から「お前も気の毒だなぁ」と言われながら、こんな言葉をかけてもらいました。

・限られたリソースのなかでチームの生産性をどうあげるかは、管理職が差配すること。妊娠中で仕事を誰かに渡さざるをえないことに対して担当者が悩む必要はない。
・会社は女性活躍推進と言っているけれど、管理職、役員になっている女性はみんな長時間労働、飲み会参加を当たり前としてきていた。その姿を見て、若い世代が子供ができてもこの会社で仕事がしたいかと希望が持てるか?
・時間に縛られていない人たちが、ダラダラ会議や打ち合わせをしている間に、育児中の女性たちは、やるべきことを取捨選択して必死になって仕事をしている。生産性が高い仕事とはそういうこと。こういう働き方をする社員が増えて、昇進・昇職できる仕組みをつくっていかないと、会社の風土、生産性は変わらない。
という言葉をかけてもらい、たいへん励まされました。

また、一方で、当時、自分より10歳以上上の女性といえば、皆、長時間労働を当たり前にしていた人たち。ひどい先輩なんかは、自分のマンションに20代の若手の女性を何人も集めて、夜な夜な自分の武勇伝に突き合わせる会も定期的に開いていたので、「こんな昭和の働き方をしないとこの会社では生き残れないのか・・・」と希望が持てませんでした。
ただ育児や病気が理由で、時間制約を持つ女性の先輩は数は少ないながらもいて、限られた時間で仕事をこなし、なるべく周囲に迷惑をかけないように配慮し、チーム外の後輩であった私に対しても、優しく接してくれた先輩達を見て、「ああいう人になりたい!」と数少ない自分の希望になっていました。

だから、私は思います。
今、子育てはじめ介護、病気等で時間制約を受けながら、もどかしい気持ちで働いている人たちも、その姿を見て励まされている人が会社のどこかにいるんじゃないか、と。
また私も妊娠中は、なんとかなると思って残業ができたけれど、出産してからは、絶対に家に帰らないといけない理由ができたので、目の前のタスクをやるかやらないかよりシビアに見極められるようになりました。人材不足が露わになっている職場、会社ならばまだしも、まだなんとかなっている会社では「絶対帰らないといけない理由がある人」「会社以外のことに価値を置ける人」が増えて行かないと、なかなか会社やチームの生産性を上げるといった考えに至らないのではないでしょうか。だから、私は時間制約がある人材は、根本的な日本の生産性を問い直すうえで、価値がある人材だと思うのです。

そういえば、スウェーデン人のワーキングマザー(なんと4人の子供を育児中!)に話を聞いたとき、「スウェーデンでは男性も育児をするのが当たり前だから、上司は男女問わず育児経験者。子育て世代が時間内にできなかった仕事をチームで分担するのは、お互い様だと思っている。だから何の罪悪感もなく、定時に帰ってる。」「私も子育てが落ち着いたら、後輩に対してそうありたい。」と言っていたのを思い出しました。
なんといい循環!日本にもこんないい循環を。



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