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異文化にまつわるもうひとつの振り返り

『経営戦略としての異文化適応力』を読んで、もうひとつ、自分の経験を振り返って「なるほど!」と思えたことがあります。

それは、約30年前前に私が転職した時の動機と、それに対する同級生からのコメントです。詳細は以下に書いてます。

半導体が何かも知らずに、ひたすら外資系企業に働きたい一心で、そしていつも未知のものに惹かれて行動に移すのはまさに”不確実性回避”と対局な価値観。

さらに30年後の退職金と予想される安定した生活より今の自分の充実感やチャレンジを選んだのもやっぱり長期<短期志向ゆえ、でしょうね?

一方で、「そんな選択は無謀だ」と意見してくれた友人は、不確実性回避+長期志向の持ち主だったと思います。実際、高校時代、超リケ女だった彼女は憧れの理系国立大学ヘの進学を熱望していて、それだけの実力もありました。でも、「就職に有利だから短大にしなさい」という母親の意見に従って短大に進学し、超大手商社に就職し、恐らく定年まで勤め上げたはずです(途中で連絡が途絶えたので不明ですが)。

今考えると彼女が友人として意見してくれたこと自体はずいぶんありがたいことでした。幼児を抱えて得体のしれない外資系に入社するなんて、と思うのは、もしアンケートでも取ってみたなら当時の大多数の日本人の考えだったかもしれません。でも私は「どうしてそんな水を差すような、気の利かない保守的なことを言うんだろう?」と不愉快に感じたのを覚えています…。

ま、そこが、同じ都立高校の同級生で、つまり学区が同じなので地理的に大雑把に括るなら似通った環境に育った者同士であっても、異文化的な違いがあったということなのでしょうか?

それまでも、このことは、個の価値観の違いと捉えてはいましたが、異文化の視点で見ると彼女の考え方が日本人の大多数に近いものだってことが改めてよくわかるし、納得できます。

このように、時に自分には理解できなかったり、違和感を抱くような他人の言動も、この異文化の切り口に照らして考えてみたら、その背景にある考え方や基準がわかる、そして、許容できるようにもなれば、そのことはとっても価値があることだと思います。


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