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スプリント強度を高める戦術

アジャイル開発の不確実性に対して「余白の戦略」だけで適応しようとするのは、期間をただ消費するだけで確実性の確保を放棄していると結果を残せるかは運任せということになってしまいます。

なので、確実性というのはプロジェクト全体ではなく、スプリント前で確保するようにします。
全体としては余白によって不確実性を受け止めながら、目の前のスプリントは確実に遂行できるように計画します。

スプリントの強度を高める方針は2つあります。

1つ目は、プロダクトの根幹となる機能、背骨となる機能から作り始めることです。

2つ目は、プロダクトづくりの状況をクリーンに保つことです、
2つ目のプロダクトづくりの状況をクリーンに保つというのは具体的には、5つ条件をクリアすることで得られると言います。

・受け入れ条件を定義している
・ベロシティを計測し、安定させている
・受け入れテストを実施している
・ふりかえりを実施し、改善し続けている
・実運用相当のデータが揃っている
ことだそうです。

プロダクト作りとはその解像度を上げていくことにあり、「スプリントでの成果を積み上げる行為」と言えます。小さくても1回1回のスプリントをやり切り、成果を上げていくようにすることでチームの士気も上がります。

これはダニエル・キムの「成功循環モデル」とも一致する考え方です。
「成功循環モデル」はチームや組織の成熟度がどう上がるかを概念化したもので、「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」これら4つのサイクルのことを言います。

やはり、プロジェクトはチームワークなのでそれに適した人格、コミュニケーションスキルが前提となります。自分は自分の仕事さえしていれば良いという考えや、問題が起きた時に自分は悪くないと保身に必死になるようでは、そのチームが良いプロダクトを生み出すことはないでしょう。

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