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戯れ言

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何を言っているのか己でもわからない
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【雑記】泳ぐ空と夢

【雑記】泳ぐ空と夢

空に大きな背びれが生えて、泳いで回っている。昼、夜、昼、夜と回っている。泳ぎはどんどんと速くなり、毎日が加速している。何をそんなに急いでいるのか。空にはもう、景色を楽しむ余裕も無いのだろう。そうやって空は急くから、もう宇宙に想いを馳せるかな。

自分は宇宙の一部だ。そして宇宙も自分の一部だ。泳ぎ回る空もまた自分の一部だ。夢はどうだ。「夢だって脳が作るんだろ」なんて声がしたか?「脳はお前なのか」と答

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【雑記】落書き

【雑記】落書き

少し開いてすぐ閉じて。そして、そこにある三角形を足の甲で蹴っ飛ばす。倒れた図形はたいてい直ぐに転がり落ちるんだけれど、今回ばかりは鮮やかなやられ顔をして、それが涙を誘っている。自ら演出するにしても泣くのはずるい。いつだってそうだ。滲むクレヨンは涙と手汗のせい。せっかくだから青色を使うけど、水って意外と青くないの。これはただの思い込み。思い込みの力という意味では、これもある種のプラシーボ的な効能を期

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夢の中と外の不条理

夢の中と外の不条理

目の前の時計の針を追いかけても、どんなに追いかけても追いつけないのは、過去に戻れない事を意味するのか、はたまた未来を認知出来ない事の証明なのか。夢の中で白兎が大変慌てて時間に追われ、それでもティーパーティーは滞りなく進み、不条理な秩序は保たれる。しかし、目覚めても独楽が回り続けるのは、目覚めが必ずしも夢の外の現象とは限らないからで、不条理な秩序は階層を担保しない。マトリョーシカでフラクタルな世界は

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【雑】書き出し

【雑】書き出し

餅つきを日課とする偏屈な啄木鳥が、逆上がりの練習をする小さな男の子と出会う。
もしくは、雨漏りに茶こしで立ち向かうポメラニアンが、お片付けの写真の為に、掃除機を並べて光源探し。
そんな日常を、まだ削っていない鉛筆二本でクルクルと巻き取る。

渦巻く渦巻き

片方の耳の渦巻きを想い、アンモナイトを空に放つ。
地球の地場が作るカーテンがひらくと、未だ来ぬ夜が明け、距離感は狂う。銀河の形が親指の真ん中に見え、手を振ると渦巻きは螺旋となり、自分の設計図が見える。
宇宙と自分の区別が曖昧になる。

空に消えたアンモナイトは音階となり、響く。
片方の耳はそれを聴く。つむじ風。

ザッピングとミルフィーユ

餅米を叩いて撫でて七並べ、行く都市来る都市徒歩禁止、猿蟹競わせ汚い八百長、クジラのお腹に日記帳、桜の思い出流星群、枕とお別れ約三分、淡泊な複式呼吸と金縛り、おわり。

口内炎の音楽とアーケードの古本屋

口内炎が痛む夜中に聴く音楽は、寂れたアーケードの古本屋を想起させる。店主の眼鏡は指紋がついている。それは怠惰からくる汚れではなく宇宙を見る手段らしい。口内炎を舌の先で弄る。古本屋で見つけたボロボロの岩波文庫。なぜだか懐かしい。音楽が終わり次の曲に。音楽が変わっても古本屋は変わらず。ただ、先ほどの文庫本が見当たらない。口内炎を小指で弄る。店主の眼鏡に指紋が増える。しかめっ面で此方を睨む。この曲は好み

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不眠症と宇宙の轍と夢

■画面の中

この宇宙の轍をほどいて広げて寝そべると、空間が窪んだ時間に落ちていくので、いい具合に体にフィットするんです。

□画面の外

興味深い売り文句で始まるテレビショッピング。更に続く。

■画面の中

これであなたも眠れます。歪んだ時間は忙しい毎日に十分な睡眠を確保します。朝になるとその時間は丸ごと再び宇宙の轍となり、夢のように快適な目覚めを与えます。

□画面の外

一通りプレゼンをし

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【雑】エンドロール

もしも背中に翼がはえたのなら、いっそもうこのスクリーンから飛び出してやる、と映画の中のサラリーマンが空を見上げて叫ぶので、なかなか映画が終わらず、エンドロールに抗う物語を目の当たりにして、それでは自分のそれはどうなんだと、己の物語を省みて映画館の天井を見ると、今まさにエンドロールが降りてきて、しかしこの物語が続いたとしても客は退屈だろうと思い、諦めてもう眠る事にしたら、スクリーンから翼の生えたサラ

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底抜けの底

引き出しの底に眠る黒ずんだ消しゴムの寝息はスヤスヤと、
プールの底に仰向けで沈み水面越しに見る青空を飲み込み、
涙でぼやける街灯がイルミネーションのように綺麗なので、
左手の中指の第二関節付近の傷が彫刻刀で遊んだ罰ならば、
支部長の口癖の回数を正の字で数えているうちに眠くなり、
引き出しの底で眠る。

天地創造

額縁眼鏡をひん曲げたような顔した占い師から貰った虹色のストローで、2㎜方眼を睨みつけ細分化した夜を吸い出して、大量の展開図を散らした塗り絵をアクリル絵の具で綺麗に塗り潰すように、あらゆる角度から隙の無い佇まいの無限個存在する星々を配置して、それを、それを、ぶん回す。回す。回す。回す。
程よく濁った夜は、己を宇宙と呼ぶよう指示を出した。
俺はそれを世界と呼んだ。

【雑】ノスタルジーと夢と溜め息とビー玉

例えば、数多の竜宮城が生まれては消えていった、母の読み聞かせ。光あれ。記憶に染み込んだその世界は、成長と共に現実と剥離し、夢でのみ再び汁となり垂れる。眠りの水面に落ちる雫が作る波紋は、逆さまに存在する己には空が割れたように見える。それをただただぼんやり見つめるだけで何をしようともしなかったが、うっかり漏れた溜め息が現実を引き込み、世界が流れ入る。水面は荒れ、波紋は失せ、静かに垂れる世界はもう見えず

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【雑】循環と知性

玉ねぎと古傷は互いにつかず離れず支え合い、血流の改善を喜び祝い両手上げ、花火の種はかさを増し、おまじないを隠し味に焼きたてパンはよく膨らむ。但し書きの曲線美を説明するも理解は得られず右往左往、そして歌声響く、燦々と。回る木馬は迷子に憧れ、記憶の沼に教えを乞う。猿でも解る高次方程式はモノリスの賜物と、故に濁る瞳と三白眼。白夜とオーロラのカーテンは、磁石としての自覚と惑星としてのプライドのジレンマと、

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【雑】たぬき

今までの人生でじゃんけんがあいこの回数を覚えているか、と向かいに座る初老の男性が突然話しかけてきているけれど、そんなことよりその人の眉毛が気になり、まぁご立派ですね、と返答しようとするも、よく見ると眉毛じゃなくて干し芋なので、意図せず干し芋をねだる形になってしまい、三度の飯より芋が好きなのというキャラ付けにより見事ごまかすと、なにを、干し芋は飯ではないのか、という鋭すぎる指摘に、目から鱗が発生し、

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