母とは月に一度お墓参りの時に会うことにしているのだけど、今月は人込みを避けたほうがよさそうだという理由で会っていない。

母が人込みへ出なくてもいいように、実家へ私が顔を出すことも考えた。けれど、回数は少ないとはいえ私は仕事で満員電車にも乗るので、症状が出ていなくても新型肺炎のウイルスを持っていないとも限らない。母は兄と住んでいて、兄には持病がある。万が一感染してしまったらふたりとも重症化する確率が高い。だから、私はとても元気だけど、今は会いに行くのをやめている。

こうやって、母が外出する機会を失って気力や体力が衰えてしまうのが心配なので、せめて話をしようと思って電話してみた。

母は元気で、庭仕事をしたり、近所の遊歩道を歩いたりしているいうのでホッとした。実家のまわりは人は密集していないので散歩をしても問題はなさそう。実家付近ではまるまると太った台湾リスが走り回っているらしい。私もリスさんに会いたいなあ。

電話での話の中で、今夜のおかずの話になった。私が「美味しそうなアスパラがあったから、豚肉巻きにする」と言うと、母も「私も今日アスパラの豚肉巻き作った！」と言った。全く同じおかずなんて、可笑しい。

私と母は、何かとシンクロすることが多い。

同時に同じことを言ってハモッてしまう。

一緒に買ったんじゃないのに、よく同じものを持っている。・・・同じ色、同じメーカーのリップ。手芸の本や料理や健康法の本。母が好きそうだと思って持っていくと「私も持ってる！」と言われるので、最近は先に持っていないか確かめる。私の息子へのバースデーカードが同じだった時はさすがにびっくりした。（それは「ぐでたま」というキャラクターのカードで、息子が家でぐてっとしているところが似ているから母も私も選んだのだった。2人とも「ぐでたま」では息子が嫌がるかと思って、私は別のものに買い直した。）

母と私は、性格は全然違う。でも、センスとか感性の部分はかなり近い気がする。それが母に育てられたからなのか、生得の感性なのかわからないけれど、シンクロする度に面白いなあ、と思うのだ。私と息子はそこまでシンクロはしていない。性別が違うからだろうか？父と息子はシンクロするのだろうか？・・・親子って面白い。