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#2022年の問い②「なんのために本を読むのか」

本の内容って、みんなどれくらい覚えているのだろう。

私は基本、すぐに忘れる。忘れない読書をするために、ここ数年で開拓(?)した自分なりの読書法があって、その方法を実践するようになってからは少しは覚えられるようになったのだけれど

(↓読書法については過去記事に書いているので気になる方はぜひ)

が、この方法を取り入れる前に読んだ本についてはほとんど記憶しておらず、最近夫に10年前に流行った本に書かれていた定義について言われて「そんな前に読んだ本の内容をよく覚えてるね」と感心していると「覚えないのに、なんのために本を読んでるの?」と言われた。(夫は非常に記憶力がよくて、10年前に読んだ本についても鮮明に言葉にできる)

私だって覚えたいけど仕方ないじゃん、とその時はそう思ったけれど、改めて「なんのため」かは私の中に答えがなかった。

私はなんのために本を読んでいるのだろう。

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ちなみに前回の #2022年の問い では「なぜ本を読むのか」について書いた。

この記事で色々深堀った結果、私が本を読む理由は「自分探し」ということが判明したのだけれど。

じゃあ「なんのために」も自分探しってことでいい?と聞かれると、それもあるけどなんかもっとあるんじゃないか、という気がした。もっと私は本によって外側も変わってきた気がするから。

...という問いを1か月くらい放置していたら、ある日お風呂の中で突然答えが出た。(こういうのありませんか?)

記憶力がないぶん行動力が本を吸収してた

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私はたしかに記憶力がない。壊滅的にない。自分がした話すら忘れて同じ話を同じ人に何度もしてしまう、ということを幼少期からいつも突っ込まれてきたくらい、ない。

で、だけど。そのぶん行動力はあるらしい。周囲からよく言われるし、そのせいで(?)20回くらい引っ越しをしている。

そして人から影響を受けやすい。だから本を読むと、割と早い段階(それこそ数ページ読んだ瞬間)で行動が変わることが多い。

たとえば哲学書を読みながら「問う」トレーニングが無性にしたくなって、読書を中断して3時間くらい哲学的な順路を真似しつつノート数十ページが真っ黒になるまで問いを深めたり、紀行本なんて読んだ日にはすぐ旅行行っちゃうし、戦争とか歴史系を読みはじめると、近くで展示やってないか調べて行ったりとかもする。

もちろん仕事関係の本なら、いいなとおもった手法や思考法はどんどん取り入れていくし、それらがフィットすれば本なしにも習慣化する。忘れてもまた別の自己啓発を読んだ時に思い出してやったりとか。

そう。私にとって本は、そういう存在なのだ。

素敵な人と出会った時みたいに突き動かされるものであり、それ自体が経験として蓄積されていくものなのだ。

つまりそれって、記憶には残っていないけれど確実に、私の人生経験が本によって増している、ってこと。そして私は、その時そのタイミングで読んだ本から「今」の自分が受け取った「なにか」を経験するために、本を読んでいるのだろう、と思った。

だから中身を忘れてしまったとしても、人様に語ることができないとしても、私は何も得ていないわけじゃないと今なら言える。むしろ血肉になってる。どうだ、まいったか。

「なんのために本を読むのか」の答え

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というわけで私の答えは「今の自分の力量で、受けられる限りの影響を受けたいから」ということで。あーすっきり。

夫にこの答えをぶつけたいけれど、あの会話からすでに1か月が経過しているのでもう言えない。私のコミュニケーションはいつもこんな感じで終わることが多いのも、本にばかり懐いてしまう所以かもしれない。

ちなみに最近Twitterで見つけて即ポチした本『自分の頭で考える読書 変化の時代に、道が拓かれる「本の読み方」』を読んでいるのだけど、読書から得られるものがめちゃくちゃ広がり&深まりそうで夢中になっちゃうので、すべての本好きにおすすめ。

あともうひとつ余談。最終的に記憶力のなさを開き直る結論だったけど、そうは言ってもやはり「あの本からこういう影響を受けた」「あの本は私にとってバイブルだ」と語れる知的さは欲しい。

ちょうど先日、「銀の匙」という小説を3年間かけて読み解くという奇抜な授業で伝説となった灘校教師・エチ先生の本『奇跡の教室』を読み終えて、めちゃくちゃ刺激を受けたので(近年まれに見る良書だった...)近々スローリーディングにも挑戦しようと思っている。









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