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パリのシャンプー&リンス事情_パリ節約自炊生活番外編

今回はパリのシャンプー&リンス事情です。日本の売場でも半分くらいP&Gだし、そんなもの先進国はどこでも一緒でしょう、とお思いかもしれませんが、幅を効かせているブランドだけでなく生活習慣によって販売している商品の特徴も形態も日本とは大きく異なります。

◆パリで強いブランドは日本と全然違う

まずは初級編、強いブランドから。L'OREAL PARISのELSEVEシリーズです。日本でも一部ドラックストアでは売られいてると思いますが、フランスでは一般的なブロンドです。

こちらはL'OREAL PARISのELSEVEシリーズよりも大きな売場面積を占めるUltra DOUXというブランドで、GARNIERというメーカーの商品です。1904年に創業し、天然成分を重視してヘアケアからスキンケアまで展開する、日本でいうと1887年に卸売業として創業し1923年に製造業に展開した花王に似たようなポジションの製品です。

こちらはLe Petit Marseiliaisというマルセイユ発祥のブランドで、パリのスーパーマーケットでは2~3番目の売場面積を占めています。前述のUltra DOUXと同様に素材にこだわった商品展開をしていますが、価格はUltra DOUXよりも若干お手頃なイメージです。

ちなみに、アメリカ発で日本の売場でも幅を効かせているP&G社は、フランスでは「head&shoulders」や「aussie」というブランドを展開しているようですが、パリのスーパーマーケットの売場ではあまりパッとしません。やはりフランスのブランドが強いようです。

◆日本ではそうでもないけど、パリでは大人気のシャンプー&リンス

日本ではそうでもないけど、パリでは大人気のシャンプー&リンス、それは「リンスインシャンプー」です。日本では陳列されていてもかなり端の方にある印象のあるリンスインシャンプーですが、パリのスーパーマーケットでは堂々ゴールデンゾーン(2~3段目の最も目に付きやすい場所)に、複数種類がまとめて陳列されています。見にくいですが、上の写真右側の「2in1」と書いてあるのがリンスインシャンプーで、これ以外にも数種類が売られています。

フランスでは日本ほど頻繁にお風呂には入らず、シャンプーの回数も2日に1回、3日に1回という人も珍しくありません。日本の衛生リーディングカンパニーである花王が、日本の衛生環境向上をはかるため(そして当然自社製品の消費量を増やすために)度重なるキャンペーンを継続して行い、戦後日本の入浴&シャワー回数を徐々に増やしてきたのは有名な話ですが、フランスでは現在でも入浴はほぼ無し、シャワー回数も少ないため、なるべく簡単にシャワーを済ませたい、というフランス人も多い事からリンスインシャンプーが人気なのかもしれません。

◆日本では人気なのに、パリではそうでもないシャンプー&リンス

上の写真を見ていただくと、近所のスーパーマーケットでシャンプー&リンス売場は棚5本分ありますが、よく見ると、日本のシャンプー売場との大きな違いが2つあります。

日本では人気なのに、パリではそうでもないシャンプー&リンス、その一つ目の答えは「大容量が無いこと」です。日本の売場では大容量のシャンプー&リンスが主流だと思いますが、パリの売場では小容量が主流、というか大容量はほとんど見当たりません。これはスーパーマーケットだけでなくドラッグストアも同様です。

唯一陳列されていたのが上の写真。1ブランド4種類だけの展開で、それ以外のメジャーブランドは全く大容量は陳列していません。

前述の通り、フランス人は日本人ほど頻繁にお風呂には入らず、よってシャンプー&リンスの使用頻度も日本の1/2、あるいは1/3です。よって、消費量から考えて小容量が丁度良いのかもしれません。

日本では人気なのに、パリではそうでもないシャンプー&リンス、その二つ目は「詰め替え用パックが無いこと」。
最近日本では詰め替え用パックの品揃えがどんどん増えていると思いますが、これも日本人の高頻度の入用習慣を反映すると共に、一方ではメーカーの運送費削減、収益力向上という意図もあると思います。
フランスのメーカーや消費者がエコを意識していないかというと、そんな事は全くありません。例えばプリンの容器もマヨネーズの容器もリサイクル可能な瓶が主流ですし、レジ袋も有料、バゲットも短い紙袋入りで紙袋は有料と、過剰包装は見受けられず、日常生活している中では日本よりもよっぽどエコな消費生活です。
つまり、日本の「詰め替え用パック」は高頻度の入浴習慣を背景として企業が収益性向上の努力をした結果の、日本独自の進化であると言えると思います。(他のアジア地域に詳しい方がいらっしゃればぜひ教えてください)

という事で、メイベリンニューヨークというブランド名の、フランスのロレアル社が所有するブランドの、中国で生産された商品を、日本で大量陳列するようなワールドイズフラットな世の中であっても、シャンプー&リンスというある意味コモディティ商品でさえ、これだけライフスタイルの影響を反映しているというのは、生活していて気づく事ができる面白い事例だと感じました。

フランスの入浴文化や、エコな消費生活にご関心のある方はぜひ以下のnoteもご覧ください。




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