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タイトルが思い出せない

読書ノートというものをつけたらいいんじゃないか、と思ったことがある。
読んだ本と一言感想を残すだけの、本当に簡単なメモだ。

僕は読書が趣味だが、あまりマメではないので、そういったものをつけたことはないし、今後もないのだろうが、たまにつけておけばよかったのかな、と思うことはある。
読んだ本の内容をぼんやりとだけ思い出し、また読みたいと思った時だ。

長編はあまり多くないが、短編の、それも表題になっていない短編だったりすると、あまりタイトルを覚えていないことがある。
だから漠然と「こんな感じの話があったよな」と思いつき、読み返したいと思って本棚をひっくり返すこと数時間、ということが子供の頃からよくあったのだが、大人になるとその探し方では追いつかなくなっている。
本の数のこともあるが、そもそも手元にその本がない可能性もあるので、一冊一冊を開いて探すのは難しいのだ。

今だと、検索で探すのが限度だ。
思いついた場面なり何かしらの単語をGoogleに入れ込んで、そのままヒットさせることが出来れば解消するのだが、上手くいく時ばかりではない。
『正気を失った女性を連れた刑事が、逃走犯を追って、二人の故郷である廃村に行く』なんてぼんやりとしたあらすじ(しかも性格である保証もない)からどう単語を引っ張り出せというのか。出したところで、さすがにヒットしないだろう。現にしなかった。
未だに解消していないし、おそらく一生思い出すことはないだろう。何せ、作者が誰なのかも忘れてしまっている。

こういう事象に当たる度、読書ノートでもつけていれば解消したのだろうか、と漠然と思うことがあるのだが、きっと僕ときたら、それでも粒度の粗すぎる一言感想を書いて、とっかかりにもなれずに終了する気がする。
何より、面倒くさがりな僕は、マメにそんなものはつけられない。
でもなぁ、だけどなぁ。
このもだもだとする疑問を、上手く解消する方法がないかと、他力本願なことを思って見たりする。