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屋根の上の猫

ひと月くらい前に玄関先で子猫の鳴き声を聞きました。

あたりを探してみると隣の家の屋根の上に子猫を発見。
その大きさは生後2ヶ月くらいで尻尾がギザギザしていました。
近所でたまに見かける親子猫のうちの1匹でした。
母猫と兄弟猫とはぐれてしまったのかな?
登ったはいいけど降りられない様子(子猫あるある)

気温も日差しもまだ強い
さあ急いで下ろさなきゃ!
ということで高めの塀を足場にトテトテぎこちない足取りで子猫のそばへ。

シャーとか言われちゃうかなと覚悟していたけれど
逃げることなく簡単に猫づかみをさせてくれました。
尻尾も足も「くるん」と綺麗に丸めこむ、その姿を見て
「あぁ母猫にちゃんとお世話されてきた子猫だ」と感じたのでした。

ひとまず日陰に移動して様子を伺う。
するとまた猫の鳴き声が聞こえました。
子猫は声のする方をしきりに気にしていて今にも走り出しそうだった。
危ないので抱きかかえ声の主を探し発見。
いつも一緒にいた三毛子猫でした。

そっと近づき三毛子猫の側に下ろしてみる。
すると急に元気に尻尾をピンと立てスリスリと寄っていきました。
三毛子猫も頭をこすりつけ応えている。
小さい体を精一杯使って、嬉しいとか楽しいを表現し合っている子猫たち。
その姿を見ていると母猫らしき猫があらわれ、家族3匹で体を寄せ合っていました。

「大丈夫、よかった」
一緒にいたい家族がいるなら、それが一番。

思えば昔から「黒猫を飼ってみたい」
ずっと、そう思ってきた気がします
(どんな色でも柄でも結局大好きになるのだけれど)

屋根の上で立ち往生していたのは「黒猫」でした。

黒猫はやっぱり特別で「相棒」みたいなイメージがあって憧れます。
いつか素敵な縁があればいい、でも今ではないのかもしれない。

そこで前から気になっていた、この本を読んでみることにしました↓

「黒猫を飼い始めた」


「黒猫を飼い始めた」という書き出しで始まる26編。

どんでん返し、ミステリ、恋などなどが詰まった一冊。
(メフィストリーダーズクラブで限定公開されたSSを書籍化したもの)

短い作品の中で伏線回収していく気持ちよさ
それが酔いのようにまとわりついてきて、おかしなテンションに!
なんせ26作品、ワクワクしっぱなしの1冊でした。

読み終わって頭に浮かんだのは
「猫好きのあのミステリ作家さんは、どんな作品だっただろう」でした。

3名ほどの作家さんの名前がぷくぷく浮かび上がり、ため息で霞んでいく。
アンソロジーを読むとよく起こる「個人的で身勝手な妄想」
第二弾が出たらいいな、とか思ってしまいます。

表紙が素敵なこの作品、扉絵も可愛かったので添えておきます。

同じ現象が自分にも訪れたらいいな、とこっそり思います。
このセリフ言ってみたいな  (いつか)

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