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凶器ではなく、救いとしての言葉を-OLIVE Letter #2

いつ聞いたかは忘れてしまっても、いつまでも心に火を灯してくれる言葉があります。言葉は完全ではないし、言葉で表したことが真実とは限りません。言ったり書いたりするほど、伝えたいことから遠ざかってしまうこともあります。
しかし、誰かにもらった一言や映画のセリフなど、多くの言葉に救われながら私たちは日々生きていているように思います。

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"何があったにしろ、おまえは自分で何かしようとした。それはほとんどのやつが決してやらない事だ"ー Little Miss Sunshine(2006)

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2年前の冬、フランスのブルターニュを訪れました。日仏夫妻が営むシャンブル・トッド(民宿)に宿泊し、大変お世話になったのですが、奥さんのミワさんが私の話をよく聞いてくれたのを覚えています。
仕事を辞めて、ある種の虚無感を抱えながら休暇を過ごしていた私に、別れ際にくれた言葉がずっと心に残っています。


「答えはたくさんありますから。」
ミワさんの潤んだ瞳と言葉の意味が、その時ははっきりわからなかったのですが、最近ようやく理解できてきました。
恋人との衝突を避けるには、会社でうまくやっていくには…色んな問いに答えを出そうとしていた私にかけてくれた、優しい言葉。何か意見を押し付けるわけでもなく、気持ちを推し量ってくれたその心遣いにとても感謝しているし、今もその言葉が私を支えてくれています。

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この2年くらいを振り返って思うのは、答えを出そうとしてもその時はわからないことがほとんどだということ。
キツいことを言われたり、その言葉によっていつまでも自分を否定し続けてしまうこともあります。ただ、誰かの言葉はその人の主観で、事実ではありません。自分が信じる道があるのならば、それを真実として生きれば良いのではないでしょうか。
そう思うことで心を痛めることなく、自分を守れる気がします。尖った言葉たちをかわしながら、力になる言葉だけを保存して、幸せを貯めていきましょう。

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ブルターニュ旅行のことも、またいつか改めて書かせてください。思いやりに溢れた、ある家族のお話です。

力をくれた言葉たち

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"つらい時は指を見て一本一本動かすの。何もできないようでも、指は動かせる。" -「はちどり(2018) 」

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"誰かの意見が、君の現実になる必要はない” -「スタートアップ: 夢の扉」

最近よく、韓国の作品を観ています。思春期の自身をふりかえったキム・ボラ監督の映画「はちどり」、若者へのエールが込められたNetflixドラマ「スタートアップ」。同じアジアで境遇が近いからか、どちらの作品にも心に響く言葉がたくさん散りばめられています。

冒頭にセリフを引用した「リトル・ミス・サンシャイン」は、人の短所を愛おしく感じさせる傑作ロードムービー。お時間あるときに、是非観てみてください。

次回は10/13(水)の夜お届け予定です!
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