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写真を撮る時の、あれやこれや

この夏の終わりに、ウェディングのロケーションフォトを撮らせていただく機会があった。

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普段は子供さんや赤ちゃんのいるご家族からのご依頼が多いので、いつもとは違う撮影にちょっぴり緊張したけれど…いつもとは違うからこそ、新鮮で楽しかった。

ただし普段撮らないということは引き出しがない、ネタのストックがないということなので予習は必須。

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Google先生に「ウェディング ロケーションフォト」と質問して、大量の画像を呼び出してもらってひたすら写真を眺める…というのが主な下準備だ。そうやって「提案したいポーズ」を探したり、「今回のロケ地だと、どういうカットが撮れそうか」を考えていく。

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それと同時に「自分がどのような写真を好むのか」という点も意識する。

ウェディングのロケーションフォトなら何でも参考になるか、というとそういう訳でもない。ただ単に撮影に関する知識を集めるのではなく、多数の作例を目にすることで「自分が何を撮りたいのか」をはっきりさせていく作業なのだ。


今回の撮影で例に挙げるなら、「普通の街中で」という衣装とギャップのある絵面がとにかく好きらしい…と気がついたので。

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公園での撮影だったのだけれど、緑地を移動中に「完全にわたしの趣味なんですが、ぜひここでも…!」と何枚か撮らせていただいたり。

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ご家族の撮影だと被写界深度が浅すぎると、人物が前後してボケてしまったり背景がボケすぎるので。いつもはある程度、絞って撮っているのだけれど…

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好む写真の傾向をチェックしているうちに。今回は"雰囲気写真"でいきたいな、というのが見えてきたので絞りは開放に全振りすることに決めたり。

事前にある程度のイメージを作っておくと、初めての場でも落ち着いて撮影に臨める気がする。

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それと同時に、その場での思いつきも加えていく。
歩きながら「ここの光好きだな」とか、「ここで撮ると良い感じになりそう」と写真の目になってリサーチしていく。

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「よく知ってる何でもない場所でも、意識してみると良いスポットって沢山ありますね」と言われたけれど、本当にその通りで。自分も普段はボーっと生きてるけど、仕事の時だけは写真の目になるので見方が変わる。

あとは、趣味で撮る時と同じように「あ!」をみつけたら撮っていく。

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何気ない後ろ姿にグッときた時とか。

「あ!そこ、手を繋いで!手を繋いでゆっくり歩いてください…!」と思わずリクエストが口から出た時とか。

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逆に撮られる方が、良い仕事をしてくださることもある。
「2人でしっかり寄り添って歩いてください」とだけお願いしたら、奥さまがそっとだんなさまに手を伸ばして…

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握られるふたりの手に、思わず「GJ!」と声をかけたくなった。

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こうやって書き出してみると、自分の写真は「頭と感覚」「下準備と閃き」の両方を必要としているのだな…と思う。

よく「写真はセンス」みたいに言われるけれど、センスだけで撮れる気が全くしない。構図やポーズは、沢山の写真を見て頭の引き出しの中身を詰め込んでおくことが大切だし。光の方向やカメラの設定も、撮影中はいつも意識にあって。

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感覚はレーダーとして使いつつ、頭はフル回転させながら瞬時の判断を繰り返していく…というのが、時間制限があり撮影環境も毎回異なる出張撮影の場では必要だと感じている。

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良い写真を撮る、納得できる写真を撮る…というのは難しい。

撮影環境だけでなく、相手のあることなので。赤ちゃんはちゃんと起きててくれるかな、子供さんのご機嫌はどうかな、など心配事は尽きない。だから未だに撮影の度に今日はちゃんと撮れるだろうか、とほんのり緊張する。

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それでも、こうやって撮り続けているのは。
カメラに触れ始めた頃から変わらない、"人を撮ることが好き"という気持ちが、ずっと色褪せずに続いているからなんだろう。



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広島で、大人から子供まで人物の出張撮影をしています。自然な情景を、その時間を…切り取って残したスナップ写真は、お客様だけでなく自分にとっても宝物。何かありましたら、ぜひどうぞ!

ユルリラム
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