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私じゃなかったらなと考えた


誰かが書いた本に、自己肯定感なんてと綴られていて、それがまるで私が書いたもののように思われた。そういうのってなんて言うんだろうって、専門的な用語を探した。

よく自己肯定感が高いとか低いとか言うけれど、私は一体どっちなんだろうかと頭を悩ました。双極性障害とかいう病名がついてから、あたかも自分の人格が真っ二つに別れてしまったようで。それらは本当に正反対で、本当の私、ありのままの、素の私なんて言われても私が困るだけだと思った。

私は接客の仕事をしていて、人間観察というものを必然的に行っている。人間観察と言っても、その人が店員である私に取る態度とか、そういうものしか判断材料になり得ないけど。

私はよく、感じ悪いなと思った人はなぜか、性格が悪い人だと決めつけてしまう。本当はそれだけでその人の人間性を把握できるわけじゃないことは知っているけれど。たまたま私という気に食わない人間が相手だったからかもしれない。私の接客が悪かったかもしれない。たまたまイライラしていたのかもしれない。それがその人の素なのかもしれない。色んなことを考える。たった1人の、赤の他人のために色々考察してしまう。

もし私に原因があったとしたら、なんて考えてたら今すぐにでも家に帰りたい衝動に駆られるし、何度となくこの仕事辞めたいと思った。仕事の悩みにしてはくだらないかもしれない。もっとやることあるだろという批判がくるのは目に見えている。

つい先日、YouTubeでたまたま「カスハラ」という単語を知った。所謂迷惑客を指す言葉。このカスハラに当てはまりそうなお客様が、数名、頭の中に浮かんでしまった。

そんなことを考えてしまう自分が嫌で、なんだかとても嫌な人間に見えてしまった。その一方で、カスハラという存在を本気で批難している自分もいる。多分こっちのほうが大部分を占めている。

結局私はどこかに謎の自信を持っていて、全部他責にしようとしているだけなんだ。私の上手くいかないことだって全部。

そういう嫌な自分が見えてしまって、それをも否定しようとするもう1人の自分の存在も知って。私じゃなかったらなぁと思ってしまった。

生まれ変わるなんてできないけれど、こういう自分を受け入れていくしかないのかな。

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