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「見守り支援事業」に対して提案したこと

そして、年度が変わる頃、高齢者支援のため、対象が異なる複数の事業が立ち、少ない島民を分ける形なっていた。簡単には言い表せない、人間関係も含む、複雑な事情もあった。

また、十島村は7つの有人島があり、一つの行政で7つの島をまとめる。各島の状況が違う中、少ない職員で取り仕切ることは大変なのはわかる。

そんな中、高齢者の支援体制に、僕は思うところがあり、あえて下記のような提案をした。しかし、思うような結果には繋がらなかった。

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【当時の課題、問題】

 宝島での高齢者支援において、複数の役割(見守り支援員・小規模多機能ホームたから・診療所・地域包括支援サブセンター)が混在している。今後は、地域おこし協力隊も事業所職員に加わる。

30年度に、見守り支援員の役割を小規模多機能ホームたからに委託することは決まっているが、現場レベルでは課題もある。
1.  給与体系について 現状、見守り支援員の方が高く設定されている。
2.   支援員は「安否確認」、事業所職員は「サービスの提供」と分けることで、それぞれ給与に対して不満が出てくる可能性がある。
3.  行政にも入ってもらい会議の場は持たれたが、共通認識・合意形成が得られたとは言い難い。
4.   これまで、役場にもお伝えしてきたように、「利用者だから」「利用者ではないから」の区別で支援や見守り活動を行なうことは、事業所と契約することによって、関係性を断つことになりかねない。

【提案内容の詳細】

* 見守り支援員としての雇用ではなく、小規模多機能ホームたからの職員(パート職員)としての雇用することを提案する。
* 今後、高齢者に関わる全員が共通認識を持てるように、プランを基にしたケアを実施できるように、医療面からの指示も盛り込んだプランの作成を行う。その際の医療者は診療所看護師一人ではなく、複数の医療職(代替看護師・役場保健師)に助言をいただく。

【提案が採用された際のメリット】

* 職種を分けないことで、「〇〇だから、これはする」「〇〇だから、これはできない」というような状況を作らず、名実ともに、高齢者を支える仕組みになる。
* 契約によって、築いてきた関係性が薄くなってしまうことに対して、サロン活動や体操教室での状況を把握することはできているであろうが、自宅での様子も多くの視点が必要であり、関わる人数は多い方が島で暮らし続ける安心感につながる。見守り支援員から、事業所職員とすることで、共通の認識で関わることができ、地域全体を一丸となって見守っていける。
* 勤務の時間帯について、これまでのパート職員の要望・状況に合わせて、ある程度フレックスな勤務体制をとってきた。勤務表を一括管理すること、職員の数が増えることで、人数が必要な時間を手厚くできる、効率よく人員を配置ができる

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【その他・留意事項】

* これまで支援員として働かれていた方たちからの反発が考えられる。役場から丁寧な事業の説明を。
* これまでの具体的な業務内容(事業所職員)
 自立支援のための生活支援のサービス提供食事作りの支援
 身体変化の観察・バイタルチェック
 服薬(点眼)支援(見守り)
 外出の同行
 住環境の整備
 個々の状態に応じた機能訓練体操の実施
 入浴の介助(見守り)
 夜間の見守り
 ※ご本人の選択肢の中だけでなく、こちらから改善の提案していくことも含む。

* これまでの具体的な業務内容(見守り支援員)
 希望者への見守り訪問(安否確認)
 サロン活動・体操教室の企画・運営

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