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令和時代のBtoBセールスに求められる2つのスキルとは

こんにちは。株式会社ベーシックの川鍋(@y_kawanabe)です。
現在「ferret One」というBtoBマーケター向けCMSのマーケティング責任者をしています。

前回、BtoBマーケティングを取り巻く環境の変化とともに、「セールスのあり方の変遷」についてまとめてみたところ、予想より多くの反響をいただきました。

今回は前回の話も踏まえて、これからの時代にBtoBサービスの営業マンに求められるスキルセットはどんなものかについて考察してみたいと思います。

少し前の時代の、営業のスキルセット

ホームページ や電子メールがまだなかった時代は、企業と顧客との接触方法は、もっぱら「直接会うこと」に限られていました。

顧客のところに足しげく通い、雑談レベルでもよいので話をし、関係を構築していく。御用聞き営業やルート営業のようなスタイルも多く、いわば「行動量と、顧客を不快にさせないコミュニケーション力」が営業に求められる主なスキルだったように思います。(一部そうではないケースもあるかとは思いますが)

それが今では、インターネットの普及とテクノロジー(ITツール)の誕生・浸透によって、これまで営業マンが行なっていた

・顧客への情報提供
・顧客情報の管理
・タイミングを逃さないための追客

については大幅に効率化されてきているように思います。

具体的な例を挙げると

・情報提供 = Webサイト
・顧客情報の管理 = CRM
・タイミングを逃さないための追客 = MA(マーケティングオートメーション)

になるでしょうか。

また、営業を受ける側の「情報収集方法」も変化しています。

「BtoBビジネスにおいて、買い手は意思決定プロセスの57%を営業担当の接触前に済ませている」というデータがあります。

ユーザーの意識変化

(出典:CEB, “The Challenger Sale,” 2011)

企業Webサイトは、製品・サービスの購入を検討するために重要な役割を果たしており、それはいわば「営業担当としての役割」を備えているとも言えるでしょう。

これからの時代の、営業のスキルセット

このような時代の変化に合わせて、営業に求められるスキルセットも大きく変わっていくでしょう。例えば、御用聞き営業やルート営業のような営業は、既に数年前と比較して減少しているように思います。

それはなぜでしょうか?

おそらく、多くの商品・サービスにとって「営業の介在価値」が相対的に小さくなってきているという言葉で表されると思います。

これまでの時代では「顧客と企業を結ぶこと」に営業の大きな介在価値がありました。ITが発展する前には、それこそ営業がいないと商売が成り立たない時代だったと言えるでしょう。

今は企業がWebサイトを作り、コンテンツを発信している時代です。営業に聞かなくても、製品の情報や使い方、導入した顧客事例などが把握できます。もちろん、「企業が適切にコンテンツを更新できていれば」ですが。

また、以前と比べて顧客同士のコミュニティも活発になっているように思いますので、顧客同士で製品についての情報の提供も行われています。

営業がもたらせる新たな価値とは

それではこれらを理解している顧客に対して、営業がもたらせる価値とは何でしょうか。それは2つあると思います。

1つは、お客様自身も気づけていない潜在ニーズに踏み込み、「その製品をどう活用すれば顧客にとってプラスになるのか」という活用提案まですることです。

前述のように「サイトで問い合わせる時には既に57%ほど意思決定がされている」ならば、残りの43%を埋めるのが営業の役割です。

例えば、
営業Aさんに「今日は新しい商品とサービスをご紹介しにきました。
と提案されるのと
営業Bさんに 「先日〇〇さんからこんな課題があると聞いたので、同業他社でも改善した事例を踏まえた新たなご提案をお持ちしました。
と提案されるのでは、どちらが顧客に求められるでしょうか。

Aさんは「もの」を売っていますが、Bさんは「課題解決」を売っています。

これからの営業には特に、こうした
・顧客の潜在課題に踏み込める
・潜在課題を気づかせてあげられる
スキルセットが求められるようになると思います。

そのためには、「顧客への理解」をこれまでよりもう一段深めていくことが必要です。

そしてもう1つは、顧客の声(=市場の要望)を社内にフィードバックすることです。

通常顧客の声や市場のニーズを拾うことはマーケティング部やCS(カスタマーサクセス)部などが担うことが多いと思いますが、そもそも人材不足が加速していく日本企業においてはマーケティング部もCS部もより省エネで運用していく流れになるでしょう。そうなると、顧客との接点を一定の割合で持っているセールスが、市場のニーズを社内にフィードバックしていく役割は相対的に上がっていきます。

特に、SaaS型プロダクトを中心に、継続利用してもらうことで収益を最大化していくサービスが主流になりつつある昨今では、顧客のニーズを製品に反映していくスピードとスキルは企業のマーケティング活動においてもより重要さを増すでしょう。

また、この顧客のニーズを社内に的確にフィードバックするスキルは決して簡単なスキルではないと思います。
どんな顧客の言葉なのか、同様の課題/要望を抱えた顧客がどの程度いるのかなど、仮説と分析を交えてフィードバックしていくことが必要になってきます。

ベーシックでの取り組み

これまで、これからの時代のセールスに求められる2つのスキルセットについて考察してみましたが、最近ベーシックで取り組んでいることについても少しご紹介したいと思います。

SaaSプロダクトを提供している場合、セールスチームが、インサイドセールスグループとフィールドセールスグループにわかれていることが多いでしょう。弊社も同様の組織体制になっています。

それぞれのグループで求められるスキルセットも多少違いはありますが、
・本質的な顧客課題に踏み込む
・顧客の要望やニーズを掴み取り社内にフィードバックしていく
という2つのスキルについてはどちらのグループでも求めています。

例えば……
具体的には以下のような取り組みをそれぞれ行なっています。

■免許皆伝ロープレ(フィールドセールス)
顧客の事業構造や事業課題を理解するために、3Cのフレームワークをベースに、マーケティングやサイト運営の状況だけでなく組織体制、理想の状態、競合情報、ご担当者のキャリアなど様々な角度からヒアリングをするロールプレイングです。
特にBtoBマーケティングにおいては、Webマーケティングで成果を上げるためにはセールスを含む「顧客の組織課題」にまで踏み込む必要があります。そのために、様々なシチュエーションを元にロープレを行い「免許皆伝」を目指して日々切磋琢磨しています。

※「免許皆伝」:本ロープレは5段階のレベル制となっていて、Lv5をクリアすると免許が皆伝され卒業を認められる制度。

レベルチェックテスト(インサイドセールス)
基本的にはフィールドセールスと同じ構造ですが、インサイドセールスにフォーカスしたスキルアップのためのテストです。免許皆伝ロープレと同様に5段階に設定された各レベルの課題をクリアすることで自身のスキルのチェックを行える仕組みです。
インサイドセールスの場合はヒアリング力に加えて潜在課題を整理するスキルも要素として含まれます。

熱血!マーケ塾
自社のマーケティングチームの取り組みや実績、数値を事業部全体に共有することによってチーム全体のマーケティング知識の引き出しを増やす取り組みです。

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社内で実践しているオンラインやオフラインマーケの実データの共有、基本的な各施策の目的や期待値、KPIの設計方法など、明日から実践に使える情報を学ぶことができます。

また上記の他にも、ferret Oneのチームでは

・顧客の声を共有する会
・カスタマーサクセス共有会
・プロダクト共有会

など、自社のサービス理解や顧客事例、プロダクトのアップデート情報などをタイムリーに事業部全体で共有する文化があり、チーム全体で顧客のサクセスに向けた知識、情報のインプットを行なっています。


今回はこれからのセールスの求められる2つのスキルについてまとめてみましたが、ferret Oneチームでは一緒にWebマーケティングを大衆化する仲間を随時募集しています!

本質的なセールス力を身に付けたい方、マーケティング知識やノウハウを身に付けたい方にとっては非常に成長できる環境かと思いますので、セールスとしてのキャリアアップをお考えの方は是非門を叩いてみてください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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