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🍥燻製ピスタチオバスチー🍥


行き場を失ったピスタチオの怨念がキッチンに渦巻いている。

燻製レモンケーキのトッピングに使ったはいいものの、使用量をかんががみずに買い物をする悪癖が顔を出し、たくさん余らせてしまった。

酒と一緒に流し込むには何だか勿体ないし、節分に鬼は外と撒くにはあまりにも無作法な気がする。

紀元前6500年から人類に食べられているというピスタチオが、窮屈な容器に閉じ込められ、棚のはしっこから私をじ、とにらみつけている気がしてならない。

ピスタチオの怨念を察したときには、すみやかに燻製をし、煙で豆呪いをはらうに限る。

山桜にピートを加えて
強烈にスモーク


香りの強い燻材でのスモークでも晴れないピスタチオの怨みを、茹でてふやかし、フードプロセッサーでペーストにしていく。

攪拌かくはんした
なめらかな怨み


ここまでくると、周囲の草木も枯らすほどの強烈な怨みも「ちょっと不機嫌」の状態にまで落ち着いてくる。

さて、ここからはいよいよ大円団だいえんだんだ。豆祓ピスばらい師の面目躍如めんもくやくじょを果たしていこう。

まず、怨みも辛みも抱えていない通常ノーマルのクリームチーズを冷燻にかけていく。私は豆祓い師でもあると同時に燻製家でもあるのだ。ここはやはり、

燻製をせずにはいられない。

子を背負う親クリチ(煙)


【材料】

・クリームチーズ200g
・グラニュー糖 100g
・卵      2個
・ピスタチオペースト70〜100g
・薄力粉    大さじ1
・生クリーム  200ml


①オープンシートを濡らしてくしゃくしゃにし、ケーキ型にそわせるように敷く

②常温に戻したクリームチーズにグラニュー糖を加え、なめらかなクリーム状になるまで混ぜる

③全卵2個を加え、よく混ぜ合わせる

④ピスタチオペーストを加え混ぜる

⑤薄力粉をふるい入れ、混ぜ合わせる

⑥生クリームを200ml加えて混ぜる

⑦濾しながら型に流し入れる

⑧220〜230℃のオーブンで30分焼く

⑨粗熱を取り、冷蔵庫でしっかりと冷やす

※ケーキ型は15cmのスポンジ丸型
※薄力粉はなくても◎

すっかり怨みも晴れ
笑顔をみせる断面


長々とレシピを書いたが、要は、ぺぺっと混ぜて焼くだけの、私のような素人が酩酊していても作れるほどの簡単なものだ。

完全に怨みの祓われたピスタチオの豊かな風味、濃厚なクリームチーズ、そして、漂う煙スモーキー。それらが渾然となった強烈なうまさで、脳への血流が滞り昏倒してしまいそうだ。


使いきれず、あるいは持て余し、棚のなかで怨みを募らせている食材は、ペーストにしてクリームチーズの包容力をもってバスチーへと昇華させるのがいいだろう。

そういえば…切り干し大根、かにみその缶詰なんかも棚で強烈な怨念を発していたな…

いけない。これらの食材をバスチーにして祓っても、


家族に禍根かこんが残っちゃう。


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