🍥ポトフ初め🍥
妻の雑煮を堪能したあとは、私の汁出番だ。
ポトフニストを自認する身としては、やはりそれを作らざるを得ない。ポトフざるを得ない、というやつだ。
小かぶ、金時人参の紅白と、黄かぶの山吹色で暖の彩りを加え、願掛けという概念をポトフに落とし込んでみた。
黄かぶの下にあるUMAがごとき白い物体だが、残念ながら丸餅だ。待てど暮らせど殻を破って珍獣は孵化しない。時おり年寄りの喉で牙を剥き死に至らしめることもあるが、基本的には気立ての良い柔肌のしっとりちゃんだ。
ちなみに、正月の餅は「歯固めの儀」といって、硬い餅を食べることで歯を強くし健康長寿を願う、といった古からの風習の名残だが、どうりでこの餅ポトフを食べてから間もなく奥歯の被せものが取れたわけか。
まあいい。超永久歯が生えてくる兆候だと受け取っておこう。
ポトフの味のキモは、塩漬け熟成させ、じっくりとスモークした自家製のベーコンだが、
…お前は…少し…味を出しすぎた…
などと呟きながら後頭部にマグナム44を突きつけたくなるほどに、ビンっビンの味が出る。
【材料】
・ベーコン
・野菜各種
・にんにく2〜3個
・清酒 または 白ワイン
・塩胡椒
・コンソメ(必要に応じて)
・ローリエ ローズマリー等の香草(必要に応じて)
※ベーコン、野菜を食べやすい大きさに切っておく
①ベーコンを中弱火にかけ、じっくりと油を出す
充分に油が出たら、中火にしベーコンに焼き目をつける
②ベーコンを取り出し、にんにく、野菜を焼く
③ ①②を鍋に移し、フライパンに付いた「うまみ焦げ」を清酒または白ワインを注いでデグラッセし、鍋に移す
④鍋に蓋をし、弱火で10〜20分ほど蒸し煮にする
⑤材料がひたひたになる程度の水を加え、沸騰したら再び蓋をし、10分ほど煮る
⑥塩胡椒で味を整え、足りなければ顆粒コンソメ等を加えて完成
※自家製ベーコンやパンチェッタの場合、油が大量に出るので、余分な油脂は(デグレッセ)取り除く
※茅乃舎の野菜だしを袋の中身ごと加えるのがおすすめ
上記の通り、材料を焼いたあとの旨味を液体を入れてこすり取ることをデグラッセと言い、余分な油脂を取り除くことをデグレッセと言う。
まったく性質の異なるものを、よく似た言葉で表現する。
まるでゾンビとバンビのように。
まるでアンチョビとボンジョヴィのように。
もはやこれは料理ではない。
罠だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?