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現代社会研究会、はじめました。

現代社会研究会(通称、現社研)をはじめました。
この研究会は名前の通り、現代社会を対象に研究する会です。
当研究会は、現代社会という対象を様々な分野の多様な視点から観察し、記述し、それぞれの専門に持ち帰って考える場です。なので、特定分野の専門性を高めたり、学説史や特定の論者の細かい議論を深掘りすることだけに関心を持たれている方にはおすすめしません。現代社会という関心の軸を共通項に、社会学をはじめ社会科学諸分野はもちろん、哲学や文学など人文学からも幅広く関心を持っている方が集い、相互に刺激し合う場にしていきたいと思っています。

現在は6名でやっています。直近の報告テーマには、「渋谷ハロウィンと公権力」「見田宗介と脱成長論の接続の試み」、「〈現代社会批評としての〉櫻坂46」などがあります。その他詳細は以下サイトをご覧ください。

なぜ始めるのか

当研究会をはじめるに至った背景には、(1)東洋大学内における学生の自主的な研究会の不足と、(2)特定の専門分野に拠らない学際的な現代社会論の検討の2つがあります。1点目の理由は、自分が4年間東洋大学社会学部で過ごす中で、あまりにもそういった機会に恵まれなかったという個人的な経験から来ています。そして、2点目の理由は、所属するゼミから派生した読書会の中で、この問いにコミットして試す価値があると感じられたからです。以下、詳述します。

理由1

改めて、1点目の理由は、東洋大学内における学生の自主的な研究会の不足です。研究会等がない、少ないことは、概ねその大学における学生の学問的関心の高低を一定程度示していると思います。社会学を学び、議論し、問いを深めていきたかった僕個人はあまり楽しめる環境ではなかったという個人的な経験から、そうした不足の状況はあれど、1人でも多くの意欲的な学生がモチベーションを維持しつつ、各個人の探求が存分にできる環境の必要を感じています。
自分は1、2年の間、そういった学内の勉強会や研究会の機会に出会うことはありませんでした。3年になって入ったゼミでは、当時の上級生、同期も概ね学問的探求に関心がなくあまり刺激がなかったという個人的な体験が現社研の源流です。3年の春に当時の4年生とM1、他大学院のM1の方と「東洋社会学勉強会」を始めました。4年生が卒業した後は新3年生を新たに加え、「社会勉強の会」として半年ほど勉強会を毎週開催していました。

理由2

2点目の理由は、特定の専門分野に拠らない学際的な現代社会論の検討です。この意味は、それぞれ異なった専門分野を持つ学生や社会人が集い、問題の対象とする現代社会の諸現象を自分の専門の立場から論じ、創発的な議論を促し、学際的な(分野横断的な)現代社会論を構築することを目指しているということです。
近年出版された現代社会について分析している社会学関連の本である『加速する社会』や『幻想の終わりに』では、社会学の古典や研究はもちろん、政治学や経済学など様々な分野の文献が参照されています。実際に必ずしも社会学のスコープのみが社会分析に役立つわけではないように、特に現在の社会は様々な分野での研究を参照し、検討することが重要です。そのため、現社研は、特定の分野の研究会ではなく、「現代社会」という共通テーマを持ったあらゆる専門分野の方が集い、自分の専門分野に籠もるわけでも、自分の専門分野の立場を押し付けるわけでもなく、相互に新しさを与え合いながら、現代社会について論じ、独自の現代社会論・理論の構築を目指しています。

何をするのか

現社研の活動は大きく2つに分けることができます。1つ目はDiscordチャット、2つ目は研究会(定例会)です。前者では日時を問わず新聞記事や論文、読む/読んだ本のシェアなどを指し、後者は報告者を立てて報告について議論する場を指しています。

1つ目のDiscordチャットでは、日時を問わず、自身の得た情報、学び、気付きなどを可能な限り共有し、個人知から共有知・集合知をつくることを目指した活動です。単に自身が発信するだけでなく、リプライやスタンプでのリアクションも重要な活動です。

2つ目の定例会はほぼ毎週開催しています。開催時に翌々週の開催日時、報告者を決定し、会前日までに資料を共有してもらい、当日はDiscordのボイスチャットで会を開催しています。
だいたい火曜か水曜の22時頃から90分程度実施しています。
報告の内容は、各個人の研究に関わる報告や文献レビュー、批評など様々です。報告者には、専門分野を語るだけでなく、他領域との架橋が求められ、参加者には各個人の専門分野からは何が言えそうか、より議論を精緻化/深めるためには何が必要か、など創発的な問いとコメントが求められます。特に、この対話を通して現社研は独自の現代社会論の立場を模索しています。

また、最近では試験的にリーディングアワーを毎週1時間開催しています。リーディングアワーでは、時間になったら参加者がDiccordのボイスチャットに入り、読む本を数行で紹介した上でそれぞれ読書に入ります。時間が終わったら、読んだ箇所の感想等を共有し解散です。

会員、募集しています!

現社研では、現代社会の諸現象に問題意識や関心を持ち、人文社会科学の立場から問いを持って探求する全ての方を歓迎します。主な対象とする方を大きく3つに区分し以下に説明をしています。ご一読の上、参加を希望される場合には以下の現社研サイトからご参加ください。

また、現社研ではDiscordを活用しています。お住まいの地域・国に関わらず活動にご参加いただけます。
参加用のDiscordリンクは上記サイト内に掲載しています。

学生(大学・大学院)の方

現在、学部生または院生の方は、上記のサイトから現社研が改めてご自身の専門性を発揮できるか、ご自身の関心と合致するかをご判断ください。現社研はあらゆる分野を専門とする方の参加を歓迎します。
判断がつかない場合には、サイト内にある連絡先から運営者に直接ご連絡いただくか、(ほぼ)毎週開催している研究会に一度ご参加ください。

とても高いレベルで学問的な議論をしたい方にもおすすめできません。なぜならご自身がご存知のことを他の参加者の方が知らない可能性が高いからです。学際的でかつ、異分野横断を前提とした議論になることが多いと思います。

また、大学院進学をご検討されている学部生の方にはぜひ、相談の場としてもご活用ください。

社会人・その他の方

研究会という特性上、特定分野の知識を深めたい方、既に十分な知識を持っており、それを披露したいとお考えの方にはおすすめできません。
その一方、「現代社会」という関心の対象を持ち、お持ちの問いを深めたいとお考えの方の参加を歓迎します。上記のサイトからぜひご参加ください。

高校生の方

現在高校の探究活動として、あるいはご自身の個人的な問いとして現代社会の諸現象を社会科学的、人文学的な視点から観察し、研究したいとお考えの高校生の方のご参加も歓迎します。ご自身の研究報告の場としてはもちろん、進学等に関する相談の場としても大いにご活用ください。

予めお断りの方

以下のような発言、行動が見られる方の参加をお断りします。また、参加後であっても判明次第、Discordコミュニティからの退会をお願いします。

  • 他参加者の不安・安全を脅かす差別的な発言等

  • 他参加者の発話ハードルを不必要に上げる圧迫的なコミュニケーション

  • セクシャルハラスメント、パワーハラスメントあるいはこれらに準じるハラスメント行為

  • 他者(特に自分よりも若い方に対して)への説教

  • 自分の専門以外の学問に対して必要以上に批判的な態度

  • その他、他参加者が不快、不安等を感じる発言や行動

主宰者について

主宰者はこのnoteを公開している上野裕太郎です。初めて知った方は上記の内容と併せて以下もご一読ください。

関心と趣味・好きなこと

◯関心
主な関心は、ドイツの社会学者、ニクラス・ルーマンにおける抗議運動概念を中心に、社会システム理論において抗議運動はいかなるものであるのか、そして環境正義運動としての抗議運動はどのように記述できるかということに関心があります。卒論では、ルーマンの抗議運動概念の要件定義と経験的記述を試みています。
現社研のテーマの即して言うと、「社会学において気候変動はいかなる問題であるのか」、「いかにして無政府主義は可能なのか」といった問いに関心があります。

◯趣味・好きなこと
趣味は積読と櫻坂46です。積読は毎月40冊前後します。一応一通り目次と全体はさらっています。人文社会科学系の新刊情報追うのも好きです。
櫻坂46は改名前の欅坂時代からのファンです。以前はゆっかー推し、今は山﨑天谷口愛季を推してます。その他、大園玲石森璃花山下瞳月が気になってます(トーク取ってます)。

簡単な経歴

高校:日本工業大学駒場高校中退→カナダ アルバータ州Drumheller Valley Secondary School卒業
大学:東洋大学社会学部社会学科(理論社会学)
大学院:24年4月より一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻進学予定


Discordでお話できることを楽しみにしています!ぜひご参加ください!

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