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教養はご飯を美味しくする

ひょんなことからワインの勉強をしてみようと思い立ち『教養としてのワイン』というわかりやすいタイトルの本を読んでいたとき、ふとタイトルの言葉を思い出した。とはいえ、正確に記憶していないので、こんなニュアンスの言葉だった、という程度である

これがまた絶妙な詳しさで書いてくれる本で、ワインに関する率直な疑問に程よく答えてくれる。旅行先で目にしたことのある「貴腐ワイン」とは何か、ワインの保存にはなぜ適度な湿度が必要なのか、これだけ技術の進歩した時代になぜ不作がそれほど騒がれるのか。調べるまではしてこなかったけれど、20数年という短くない時間の中で多少の疑問は積もっている。それらに明快に答えてくれる気持ちよさはこの上ない

知的好奇心を満たされながら本書を読み進めていくと、今まで何も考えず飲んでいたワインはどこ産のワインで、どの品種だったのか。なんとなく飲みやすいと感じていた理由は何だったのか。自身の経験に照らした素朴な疑問がふつふつと湧き上がってくる

そもそもの話で恐縮だが、下戸なのでお酒をあまり飲めないし、香りをきつく感じてしまうがゆえに特にワインは敬遠していた。そんな酒弱でも、ワインの世界を少し知ってしまうと、改めて味わいたくなってくるのが不思議だ

もちろん、体質は変わらないため飲める量に変化はない。しかし、ただの苦手なアルコールとして摂取する場合に比べると、きっと今まで以上に味を繊細に感じるだろうし、知識と繋げることでワインを飲む行為自体がより楽しくなるのではないかと思う。

エノテカ(ワインショップ)に行ってみたくなったし、海外旅行に行った際は現地のワインをきっと楽しめるだろうし、糖分とアルコールの関係を知ったことで日本酒についても関心を持ち始めている

以前知ったタイトルの言葉を、知った当時よりも深く実感した瞬間だった

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