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「首尾一貫感覚」という捉え方

適応障害という診断が下る前、自分の心のコップの中の水は今にでも溢れそうで、しかもそんな自分をどう説明してよいかもわからず、一人で悩み苦しんでいました。

そんな時、一つのセミナーに出会うことができ、わかりずらいストレスの原因や構造を理解することができました。それは、早稲田大学の日本橋キャンパスで行われている「朝活」で『「首尾一貫感覚」で心を強くする(小学館新書)』を出されている舟木先生の講義です。今日はこの本の紹介です。

「首尾一貫感覚(SOC)」とは、イスラエルの健康社会学者が提唱された、ストレスに柔軟に対応できる能力を指すことばで、わかりやすく言うと「ストレス対処力」のこと。以下の3つの感覚から成り立っています。

「把握可能感」(comprehensibility):
自分の置かれている状況を予測・把握でき、何とかやっていけると感じること。少し古いけどホリエモン流に言うと、人生に起こること対してだいたい「想定の範囲内」と思うことで、仮に想定外のことが起きても自分はそれを把握できるという感覚のこと。

「処理可能感」(manageability):
自分に降りかかるストレスや障害にも対処できると感じること。「なんとかなる」という感覚をもつことで、そのためにその困難を乗り越えるために仲間や武器(お金、地位など)をもっていることです。のび太君でいうドラえもんみたいな存在ですね。

「有意味感」(meaningfulness):
自分の人生や自身に起こるどんなことにも意味があると感じること。

よく、「あいつはメンタルが強い」という言い方をすると思います。想像もできないプレッシャーや苦労の連続があって心が折れそうになりながらも、なんとか前を向いて進んでいける人です。きっとこういった人は「首尾一貫感覚」が高いと言えます。著者の舟木先生はこの感覚は決して先天的なものではなく、後天的に高められるとおっしゃっています。

とはいえ、少しわかりずらいと思いますので、自分の体験を例に出し、この首尾一貫感覚を説明したいと思います。休職前、僕の首尾一貫感覚はほぼゼロに近い状態でした。

①把握可能感・・・すぐに売上に直結する成果が出るような業界ではなく、自分の行動と結果が見えずらい。でも会社は短期的な成果を求めている→把握可能感が高めずらい。
②処理可能感・・・上司・メンバーとも真に信頼ができる関係性とは言えず、頼れる仲間が不在。本来頼るべき人とも最も性格的が合わずつらい→処理可能感が高めずらい。
③有意味感・・・もともとは、ルールや仕組みがない環境で、チームを組成しマネジメントしながら、結果を出すことを目指していた。しかし、一人一人のメンバーは過剰なマネジメントを嫌い独立を好み、自分の強みがいかせられない。結果として存在価値が感じられない。バリューが発揮できない→有意味感を高めずらい。

このような状況が続き、結果として心のコップの水が溢れてしまったのかと思います。

「首尾一貫感覚」として状況を把握できると、このような問題に対して構造的に対処することが可能だと思います(実際に、まだ復職していないので、わかりませんが…)。例えば、

①把握可能感を高めるために、目標を細分化してもらう、より定量的に出してもらう、3ヶ月ごとに振り返り面談を取り入れる

②処理可能感を高めるために、自分の弱いところを正直にさらけ出し一人でも社内でサポートしてくれる人を見つける、社外に目を向ける、必要な知識を身につける

③有意味感を高めるために、社内の上司やメンバーと今後のキャリアや仕事にやりがいなどについて語り合う

感覚的な内容なので、すぐに体得ができることではありませんが、知っていることで自分の身に起きている不安や過度なストレスをしっかり理解し、自分自身と向き合うことができると思います。


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