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研修しても変わらないのは、スムーズに研修を終えているからかもしれない


先日、書類の整理をしていると、自分がここ1,2年、ある組織向けに試行錯誤して作成した資料がたくさん出てきました。

見ていると、現場のオペレーションをどうすればよいか、何度も業務フローを作り直してきた跡が見られます(笑)

今は経営的に落ち着いて大きな業務変革の必要はなくなったのですが、当時は日々赤字の状態で、なんとか現状を変えていかなければと苦労しました。

振り返るとつらく大変だったのは、書類を作成するために連日遅くまで働いたという体力的なことではなく、変化をお願いしていく時に起きる人間関係の軋轢でした。

何か変化を促すときに皆が賛成してくれればよいですが、まずそんなことはありません。


反発する人がいて、自分に対してマイナスの感情をぶつけられ、嫌な思いをするのはリーダーシップをとる人の引き受けざるを得ないストレスではないでしょうか。

このストレスは誰にとっても嫌なため、どうしても人は自分に反対する意見や態度をとる人を遠ざけてしまいます。


すると、その空気は相手にも伝わるもので、悪くするとメンバーから表立っての本音の意見が減り、隠れて愚痴を言ったり、建設的な意見が出てこない風土が生まれてくるという副作用があります。

たとえば、そのような風土に問題意識を感じて研修を企画したとしても、
大抵、現場の皆様は本音を隠して研修に臨むことになります。

当たり障りのない意見を言い、頑張りますと研修用に取り繕った宣言をして研修を終えてしまいがちなのです。

なぜそうなってしまうかというと、本当は本音でこうした方がいいと思っていても、それを口に出すと経営批判だと受け取られ、損をしてしまうことを経験として学習してしまっているからなのです。

研修を企画し、本当に現状を変えたければ、スムーズに研修が終わることは避けなければなりません。

本音を出してもらい、自分が聞きたくない声を聴いたり、軋轢や衝突が生まれて場が荒れてしまったとしても、普段はそういうことができないだけに価値があります。

衝突や混沌は悪いものではないばかりか、組織が次に進むために避けては通れません。

もしも、普段、現場がなかなか変わらない、期待したように変化しないと思われていたら、そこには、まだ出ていない本音があると思ってもよいかもしれません。

本当の気持ちが出たときには、場が混乱し、秩序が崩壊してしまうことも懸念されます。


しかしながら、その混乱の中に立ち、収束させるために新たに何が必要かに真摯に向き合わなければ、本質的な変化は起きにくいでしょう。

混乱した場にいれるようになる、収束させることができるというのは、
マネジメントにおいて、これまでなかなか体系化されたり、知識やノウハウとして周知されていません。

このサポートができるよう、より今後も研鑽を積んでいきたいと思います。

また来月もよろしくお願いします!

2017/5/31 VOL83                                                                                                 sakaguchi yuto


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