話し合いに、ルールを決めることの効果について
今回は、話し合いのルール、DPAについて取り上げてみたいと思います。
風土改革や業務改善などでチームにかかわる際、最初にDPAというチームの話し合いの約束事をつくってもらっています。
DPAとは”Designed Team Alliance”の頭文字をとったものです。
以下のような問いをチームの皆さんに問いかけて、自分たちでルールを
決めてもらっています。
上記の問いに対して、たとえば
など、よいと思うアイデアを出してもらい皆で合意していきます。
皆で決めたら、実際に普段の話し合いの冒頭にこのルールを毎回確認し、
意図的に皆で守ってもらいます。
一度決めたら固定するわけではなく、しばらく使っている中で、必要に応じて修正、更新をするのもOKです。お題目にせず、生きたルールとして継続していくことが重要です。
組織の関係性をよくしたい、生産的にしていきたいというときに、このように”話し合いのルール”を決めることは、シンプルだけどとても効果を発揮します。
その理由は2つあると考えています。
1つ目は、目指したいチームの関係性について合意がとれることです。
たとえば、あるメンバーは、成果のために厳しいことも言い合う組織がいいと思っている一方で、別のメンバーは皆で助け合いながらフォローし合える組織がいいと思っているとします。
このように目指したいチームのイメージが異なっていることを、普段私たちはなかなか明らかにして向き合うことをしていません。これをほっておくことで無用な軋轢が生まれてしまいます。
目指したいチームのイメージには、その人の価値観が現れます。
また、今のチーム状態をどう捉えているかという認識も明らかになります。
お互いの見解を出して合意することは大きな価値があります。
2つ目は、具体的な行動が生まれることです。
普段、率直に発言することがはばかられる場面でも、DPAのルールとしておけば、それを理由に、「ちょっと言いにくいことだけど、、、」と発言をする勇気を持つことができるでしょう。
実際に望ましい行動が生まれることが重要であり、DPAによって、そのことを後押しすることができます。
ちなみに、最初から皆で意見を出し合って決めるのがハードルが高いという場合は、「率直に誰もが自分の意見を表明できて、ちゃんと聴き合う」くらいのルールから始めて、そこから各チームなりのものに修正していくとよいと思います。
このルールづくりによって、話し合いの場での一人ひとりの思考、発言が変わり、関係性が変わっていきます。関係性が変わる中で、話し合いのクオリティが変わっていくことも実感いただけると思います。
ぜひお試しいただけたらと思います。
また来月もよろしくお願いします!
2023/8/31 VOL152 sakaguchi yuto
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