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組織開発やチーム作りに取り組もう!と決断できるその分かれ目は?

独立して、多くの経営者や人事担当者の方に、

「実務に役立つ研修もいいですが、組織開発をやりませんか?」
「チームづくりをやりませんか?」

とお勧めしてまわっています。

というのも、よいチームに所属していると感じていれば、人は自然と「成長したい」、「貢献したい」と思い積極的に学んだり、行動したりするからです。

ただ、組織開発の取り組みは、やってすぐに結果が出るというよりも、継続する中でじわじわと効いてくる性質があり、効果も予測しづらいものです。

取り組みの結果として、「組織の関係性がよくなった」「エンゲージメントが上がった」ということを実感することはできると思いますし、業績にもつながることは各種研究でも実証されているようですが、こと自社で取り組んだとして、どの程度効果があったかを正確に、デジタルに証明するのは難しいところがあります。

そのため、組織に課題を感じていたとしても、実際に投資する決断は難しいという現実があります。

その意味で、組織開発やチームづくりに投資するかどうかは最後は経営者の価値観に拠るのかもしれません。

いきつくところの一つは、事業成長のために人に投資をすると考えるのか、
それとも、人がイキイキと働くこと自体そのものも目的と考えて、その結果として業績もついてくると考えるか。

大きく二つの価値観の間で、どこに指針を置くのかという判断に拠ってくるのではないでしょうか。

たとえば、利益だけを目的としない非営利事業や公的セクターにいる方は、
目指すべき理念のために事業を行っていても、足元で利益を出すことができなければ、社会にインパクトを与えられません。早晩、組織の統制がとれなくなり、事業の継続が難しくなるというジレンマに陥ることになります。

一方で、利益偏重になってしまえば、本来理念としていた顧客や世の中への貢献がおろそかになり、誰かを不幸にしたり、自分の仕事に誇りを持てないということにつながってしまいます。

ただ、思うのは、多くの人は、会社にとって必要な利益を上げるためだけに
働いているわけではなく、やはり意義のあることを感じたいと思う生き物だではないかということです。
短期的に給料が上がったり、自分が楽をできたりということ以上に、自身の仕事に誇りを感じたいものだとも思います。

組織開発やチームづくりへ投資することは、こうした人間観に基づいて、
組織をどういう状態にしたいのかという判断に帰結していくように思います。

こう考えると、実は理念を大事に謳っている多くの会社でも、行われている人材育成の中身をみていくと、ともすると、会社の利益のために学んでくれという内容になっていることが多いのではないでしょうか。

業務に直結する資格取得、あるいは、マネジメントに役に立つという知識、
スキルの習得を支援しているというものです。

一方で、チームや組織に貢献したいという気持ち、自分の仕事に誇りを持つ気持ちを高めるということに投資するという側面もあるはず。

経営者、人事担当者の皆様とこの点を一緒に考えていけたらと思っています。

来月もよろしくお願いいたします!

2023/6/28 VOL151                             sakaguchi yuto

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