筋の良い戦略を立てれるのは現場のマネジャーかもしれないという話

私の会社では外部の講師を招き、マネジャー対象の研修が行われています。
内容は、自分の担当する事業の現状分析と今後の戦略立案をするというものです。

皆様の会社では既存事業の今後の戦略は誰が立ててらっしゃいますでしょうか?あるいは、新規事業は誰が企画、推進されておりますでしょうか?

以前の私は、会社の戦略は、経営の根幹にかかわる性質のものですので、
漠然と経営者が立てるものだと思っていました。

もちろん、最終的な判断を下すのは経営者にしかできません。

ですが、実質的に誰が筋のよい戦略を立てることができるか?ということを考えると、本来的には現場をよく知っているマネジャークラスの人になるのだろうと思います。

以前私も200人の事業の部門マネジャーまでは経験しましたが、やはり管理する組織が大きくなってきますと、全体は見通せる代わりに、一人ひとりの
仕事内容が見えなくなっていきます

自分と異なる職種、専門分野が違うメンバーともなると、もうほとんど仕事ぶりはわかりません。仕事の評価やプロセスに関与するのは難しくなります。

また、必然的に自分が営業現場や顧客との最前線に立つことも難しくなります。

そうなってくると、自社の社員の能力、顧客のこと、市場のことをよく知っていて、価値のある商品や機会がどこにあるのかを目利きできるのは現場と接点のあるマネジャーになります。

その一方で経営層の役割は、意見を吸い上げて、経営全体の視点から判断、支援していくということになるのではないでしょうか。

ただし、マネジャーの中には現場感覚はあっても、戦略立案をする知識、経験が不足していることも多いものです。

そのため、会社のマネジャー層に筋のよい戦略の立て方、事業機会の見つけ方を教育していくことは、会社を発展させていく上で重要なテーマだと感じるようになりました。

思えば、前職でも事あるごとに社員を抜擢し、新規事業にチャレンジしていましたし、リクルートでもNEW RINGという新規事業を提案し、優秀なアイデアには予算をつけるという企画をずいぶん前から大々的に取り組んでいます。

既存事業の将来見通しがよくない分野は多いだろうと思います。
自社の状況を見極め、ミドル層から、あるいは現場のボトム層から筋のよい意見が上がってくる組織をつくることが重要です。

ですが、そのような組織は急につくることはできません。
常日頃、組織の体質を変えていく仕掛けが必要だと思います。

具体的にはトップが指示命令したことを忠実にやるだけでなく、自分で考え動ける人材を育成することだと思います。次回、そのヒントが書いてある本、慶応大の波多野先生が書いた「自己学習能力を育てる」をご紹介したいと思います。

2018/7/30 VOL97                                                                                              sakaguchi yuto

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