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M湖の女神・龍神より

我は湖水の女神
この世は苦しみに満ちている、か。
人のいう苦しみとは何か、
なぜ自分の力を恐れるのか。

人間の営みがとまり、
やっと動物たちの声が聞こえるようになったと思った
やっと水流が聞こえるようになったと思った
やっと空気が凍る音が聞こえるようになったと思った

我のいる深いところまで、
深い深い真底まで、すべてが透き通ると思った

欲望で見えなかったものが見えるようになり
騒音で聞こえなかったものが聞こえるようになり
マヒして感じなかったことが感じれるようになると思った

この世界は苦しみに満ちている、か。
人のいう苦しみとは何か、
人の言う悲しみとは。

人はなぜそれらを拒むのか
何故人は感じることを恐れるのか
何故人は感じることを拒むのか。
気づかぬふりをしたり、言葉を変え、唱えごとをしたり、
見つめることから なんとしてでも逃げようとする、何故じゃ?

罪悪感、後悔、嫉妬、恐怖
何故人はそれらを悪と呼び、拒むのか。
人間の言う悪とは

お前たちの目が「あく」ためのもの
お前たちの耳が「あく」ためもの
お前たちの閉ざしたこころが「あく」ためのものと気がつかぬか。

鳩が傷つけられたことで狐の優しさを引き起こし
その想いが通じた婆にも感謝をすることができた

罪悪感、後悔、嫉妬、恐怖
お前がそこから逃げようとするほど
それを感じさせようと威力を増すのじゃ

他人の苦しさを見て感じることを恐れてはならぬ、
自分の苦しさを見て見ぬふりをしてはならぬ、
感じることを手放してはならぬ、

目をそらすことなく
見捨てることなく、
燃え尽きるまでそれらを感じきる勇気を持つのじゃ

この世はお前が思っているよりも随分完璧にできている。

悲しみは日常の流れを止め、すべての間違った抵抗を使い果たす
怒りは血液を巡らせ、いのちをめぐらせ、真実を求める力となる
張りつめた感情は助けを求め、選択を求める力となる

だが多くの人間は本髄を知ることなく
責める相手を探すことにとらわれ
蹴上がるだけの解決法を探り

お前の本来の力
龍である我の力をも使い、
万物を導く力を持ち合わせていることも知らず
その命をおえる

何故感じることを拒むのか
なぜ自分の力を恐れるのか
何故神髄の自分を拒むのか

はかない夢よのう、人の命とは。

思い出せ、我が常にそばにいることを
空気となりおまえの胸に入り、
血液となり身体をめぐり
涙となってすべてを洗い流せることを。
思い出せ、我はつねに共にあることを。
思い出せ、お前にはそれが可能であることを

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