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薬膳沼にハマって考えた

昨日はゾロ目の誕生日。
夜まで仕事だったが、誕生日と現場初日が重なった特別な日でもあった。何かが動き出す前のモゾモゾとワクワクが入り混じった感じの忙しさで1日が暮れていったけれど……(どんな忙しさ?)
せっかくなので、なんで薬膳を勉強して実践していきたいか考えてみることにした。


そもそものはじまり

きちんと習い始めたのは2019年。
たまたま演劇の仕事が空いててバイトで繋ごうという数ヶ月があって、そこにちょうどハマる薬膳セラピスト講座というのを見かけて、飛び込んだのが最初の一歩だった。コロナ禍前だったから対面式。整体が本業の先生のところへ伺って、座学と料理を教わった。
その時に、わずかに、料理とか体のケアする仕事となんの関わりもないのに、この勉強は私の役に立つのだろうか? という問いが浮かんだ。仕事に繋げようとしている方もいたからそう悩んだのかもしれない。そしてうっかりその問いを、私は先生に漏らしてしまった。この勉強を続けて、私の何になるんだろう、と。よく考えないでも、だいぶ失敬な質問だった。ヒドいな、6年前の私。

「自分のためでいいんだよ。自分の健やかのため」

アースカラーの麻素材が似合う、とても可愛らしいその先生は笑顔で答えてくれた。誰かのためとか、人のために役立つとかじゃなく、まずは自分の体と健康のために学ぶ、それでいいと。自分の身体と老いと向き合うためにも、知識は武器になる。
その知識を広げるのは、もうひとつ先でいいのか。
場を変えて6年も薬膳について考えている大きな意義は、あの時の先生の言葉だ。
残念なことに、この先生とのご縁は切れてしまった。
2020年には薬膳の講座のホームページも閉鎖され、SNSも更新されないので今はどうしていらっしゃるのか……。共通の知人というか、先生の師匠とも一時期はお話しさせていただいてたので訊いてみようかと思いながらも、なんとなく気が引けてそのままになってしまった。
そのままどうにかしてでも繋がっていたら、薬膳アカデミアというところで学ぶこともできたのだが、新たな出会いに恵まれたのだ。

やわるしすとの出会い

もともとはTwitter(現X)で好きな漫画作品を通しての相互フォローの関係であった方が、薬膳の講座を開いているということを迷子になったタイミングで気がついたのである。意を決して門戸を叩いたのが2020年、コロナ禍で仕事に行けずクサクサしていた頃のことだ。それは亘lab.の活動のひとつ、陰陽営養塾やわるしす。講座名は奇しくも【門】。櫻井あゆみ塾長が学びの門を開いて招き入れてくださって、私はさらに薬膳沼にハマったというわけだ。

亘lab.について深掘りするのはまたいつかに譲るとする。多分だいぶかかるはずなので、URLをそっと貼って、詳しくはそちらに委ねることとする。

それよりも、自分自身のことについて深掘りしたい。
私はなぜ薬膳、陰陽五行説を学び、それを人に伝えていきたいと考えるようになったのか。

陰陽薬膳講座に参加

初級編の講座は【門】という。
【門】では、薬膳や中医学、陰陽五行論を知識として教えていただくのと同時に、もっと日常に取り込めるように気づきを与えてくださる。
ビシッと叩きつけられるのではなく、重ねていく中で染み込んでいくというか。

「薬膳は料理のジャンルではない」
「薬膳は特別なものではなく日々の食事だ」
「自分の体の声を聞いて、その時必要なものを探ろう」

最初のひとつは私の中で薬膳が大きく存在することになった第一番だと思う。
最近はなにかと薬膳という言葉を見聞きするような気がするが、薬膳カレーひとつ取っても、その時のカレーが薬膳として機能する体調や体質もあれば、逆効果の体調や体質もあって薬膳じゃないカレーになってしまうこともある。火鍋だって陰陽五行に基づいて組まれた鍋も多くあるだろうけど、食べる人が体調に合わないものを選んでしまえばだいなしなのだ。
薬膳ってわざわざお店屋さんで食べる特別なものだけじゃないんだよね。
例えば、何気に選んでいるお茶。紅茶や緑茶などそれぞれの特徴とその時の季節や自分の体調を鑑みて選べば、それだけでも薬膳として成立する。お茶ならめっちゃ日常でしょう?
さらに、薬膳食材や漢方食材を加えると、薬膳として一段ステップアップできる。スーパーの中華食材コーナーにある枸杞子や陳皮はその一部。枸杞子は目にいいと言われているし、陳皮はお湯を注ぐを香りが立つのが心地よく、気を晴させてくれる。これも立派な薬膳。

やわるしすで学ぶようになって、体感したというか、実感があったのは夏の羊肉。
私は羊肉が大好物な上にカレーも大好きで、夏は毎日のようにラムカレーだのマトンカレーだのを食べて汗をかいては、羊最高! と長年過ごしていた。薬膳食材を学んでいくと、羊は体を温める力が強いため夏場は控える方がいいことを知ることになった。ガーン。でも知ったからには夏場の羊は我慢しようと決意(塾長には、無理に我慢することはないよと言われましたが)。
翌年の夏、羊肉は控えてみた。また、カレーを食べる時は、スパイスには羊と同じように温める力が強いものが多いけれど抜くことはできないので、メインとなる食材を体を温めない要素のあるものをなるべく選ぶようにしてみた。そうしたら、汗が減って少しだけ過ごしやすくなったのだ! 最近の夏は異様に暑いし、滝汗になってしまうのは暑いからしょうがないんだというのはただの思い込みだったのかも? と思うほどに汗をダラダラかいて疲れてしまうことがなくなったのだ。
「最近の夏はやたらと無駄に汗が出る」と思っていたけれど、夏の暑さのせいだけではなかったのかもしれない。身体を温める食材を食べすぎていて、汗をかきやすい体調になっていたから、気候に合わせた汗に加えて、羊で身体を温めすぎて「やたらと無駄な汗」が上乗せされていたのだろう。

こんなにあからさまに身体に出るのか! と驚きもしたし、学びガスコンと腑に落ちた。
こういう体感は実に楽しい。目から鱗も落ちる。だからますます継続したくなるーー例えばこのようなことを、他の誰かに伝えたくなっているというわけだ。

伝えたいこと

食べ物や食べ方を少しでも意識して、過ごしやすくなれれば、本当に薬や治療が必要な体調、病気にならずに暮らしていけるように思う。少なくとも私は、塾長との出会いでそう思えるようになった。
この世は何かと世知辛いけれど、少しでも生きやすく、楽しんでいけたら。
本音を言えば、若い頃に知っていたら今の年齢がもっと違う状態だったかもしれないなあと、悔やむ気持ちもある。薬膳や中医学のことは子供の頃の生活で知ってはいたし、働くようになってからも、雑誌やなんらかの媒体でなんとなく触れる機会があったりして、なんとなく興味を持ち続けてはいたのだから。
だから、私よりもずっと若い女性たちにも興味を持ってもらえたいと常々考えている。特に私と同じ、舞台関係のスタッフをやってる人。忙しい仕事だし。不規則になりがちな分、体を労わる食べ方を知ったら何かが変わる、かもしれない。

薬膳は特別なことじゃなくて、日常。

一番伝えたいのはこれかも。
ホントそう、ほんとにこれに尽きる。

いろいろやってみたいことは頭に浮かんでくるけれど、まずはこの備忘録で、あくまでも学ぶ側の思考として、書き残していこう。
改めて決意表明。

特に何か資格があるわけではなく(今はまだ)、ただただ興味を持って実践してるだけですが、覚え書きだったり、実践したことの記録だったり、そんなことを綴ってまいります。
万が一間違えたことを記載した際は、きちんと訂正する所存です。
まずは文字から始めます。
改めまして、よろしくお願いいたします。

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