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戦わない採用で勝つ! ~リファラル採用で人材獲得の新時代を切り開く究極ガイド~

はじめに

ご覧いただきありがとうございます!
株式会社M&Aクラウドで人事をしている仙波です。

今回は『戦わない採用』について書かせていただきます。初の試みですが、今流行りのChatGPTを使ってタイトルと見出し、全体のアウトラインを作成した上で記事を作ってみました。変なところがあればご指摘ください。

また、本記事は私の読書感想文的な、学びをシェアする記事であり、網羅的な本の要約記事ではありませんので、その点あらかじめご了承下さい。

今後も定期的に本の感想や日々の学びをシェアしていく予定ですので、もしよろしければ「スキ」と「フォロー」をしていただければ嬉しいです!


戦わない採用って何?

先に結論をお答えすると、(競合と)戦わない採用とは「転職潜在層へマーケティングをして人材を獲得する採用手法」のことです。

日本の労働人口に対する転職者層(図1)

図1からも分かる通り、日本の労働人口における転職者の割合はたった5%程度しかありません。また、ほぼ全ての職種で労働人口は減り続けている一方で、求人数は増加の一途を辿っており、採用活動はより一層難しくなっております。

こういった背景もあり、「人材を資産と捉え、『募集する』するのではなく『獲得する』意識を持つことこそが採用競争力につながり、その先の企業競争力につながる」という「タレント・アクイジション」への変革が行われてきているのです。従来の募集活動とは異なり、見込み顧客に対して認知・検討・興味づけをするマーケティングに近い発想ですが、こういった手法は、いずれも採用においては転職潜在層にアプローチする手段としては有効であり、労働人口減少大国である日本においては、今後主流になる考え方です。

また、上記の「リクルートメント・マーケティング」については、以前の記事でも取り上げているので、合わせてご覧ください。

これから求められる”採用のカタチ"

雇用にまつわる変化をお伝えしましたが、近年、求職者側の傾向も大きく変容しています。10年前と比較して、私たちが受け取る情報量はどれくらい増加したかご存知でしょうか?

実は、なんと2万倍に増えているのです。

現在の20~30代はミレニアル世代やZ世代と呼ばれていますが、彼らは生まれた瞬間から2万倍の情報のシャワーを浴び続けています。
そんな日々多くの情報に触れている彼らは、見ず知らずの者からの情報に対しては、「無駄な情報を取り込みたくない」と関心を示さないか、「本当に正しいのか?」と疑ってかかる傾向にあるのです。
(例)飲食選びの際、グルメサイトではなく、知人友人のお勧めや、つながりのある人のインスタグラムを見て予約をする等。

つまり、採用活動においても「よりリアルな声」「よりリアルな情報」が求められているといえます。(より解像度の高い情報流通が必要)

このような時代だからこそ、企業は競合と同じように募集をかけるのではなく、転職潜在層にも魅力を伝えられる手法を考え、中長期にわたって人材獲得競争力、つまり企業競争力を高める「戦わない採用」を見出す必要があるのです。

この「戦わない採用」として注目されているのが、リファラル採用です。ここからはリファラル採用についてより掘り下げて説明していきます。

リファラル採用ってどんなもの?

リファラル採用とは、「リファラル(紹介、推薦)✖️リクルーティング(採用)」の造語です。信頼できる友人・知人からの紹介を通じた採用う手法が、リファラル採用の定義といえます。

とはいえ、一口に「リファラル採用」といっても、2010年代やそれ以前と現在ではその定義も大きく変わってきています。そうしたリファラルの変遷を「1.0」「2.0」「3.0」と定義して下記のように分類しました。

「1.0」はいわゆる縁故採用です。
「2.0」は「社員紹介採用」と呼ばれてきた、日本におけるオーソドックスなリファラル採用です。「1.0」と「2.0」の違いは、選考要素があるかどうかです。優秀な人材を獲得する戦略的な採用手法としてのリファラル採用が確立するのが、この「2.0」の段階です。

しかし、「2.0」の段階では社員をリクルーター化するために、インセンティブを設けて、「なんとか動いてもらう」ということが主流となっていました。そのため、質の良い採用を行っていくのにはどうしても限界がありました。

「3.0」は社員をファン化して、彼らが紹介したくなる仕組みづくりから考えていくのが特徴です。会社にとっても紹介された友人・知人にとっても良い成果を生み、さらに持続可能性があるこの「3.0」の手法こそ、日本の多くの企業に重視して欲しい採用手法です。

リファラル採用の歴史(図3)

また、リファラル採用には下記のようなメリット/デメリットがあります。

リファラル採用のメリット・デメリット(図4)

では、ここまででリファラル採用の概要をまとめましたので、次の章では、リファラル採用3.0の「準備編」をお届けします。

リファラル採用3.0を始めよう!

リファラル採用3.0における人事の役割

まず質問です。
あなたは自分の会社を候補者におすすめしたいと思えているでしょうか?

「リファラル採用3.0」を作っていくためには、人事担当者は自社のファンになって社員がおすすめしたい会社を作るディレクターであることが求められます。

リファラル採用を推進する人事担当者や、現場の担当者、責任者自体が「自社をおすすめしたい」と思えていなければ、いくら旗を振って推進してもリファラル採用は成功しません。ここで重要なことは「どうすればおすすめしたい会社になるか」を前向きに考え、信頼を持って推進していくことです。

ではこれらのスタンスを踏まえ、どのようにリファラル採用を進めていくのか?その第一歩の踏み出し方として「ゴ」「ル」「フ」の準備が重要となります。

リファラル採用の「ゴ」「ル」「フ」とは
ゴ:ゴール設計
ル:ルール設計
フ:フロー設計
の頭文字を指しています。
ここからはそれぞれの具体的な進め方をまとめていきます。

「ゴ」ール設計

リファラル採用に限らず、全社を巻き込む施策において重要なことは意義や目的を明確にすることです。そのため、導入準備段階において、まず最初に「なぜやるのか」を定めることが必要になります。

また、合わせて、「中長期の定量ゴール」と「定性的な状態目標」を設定しましょう。多くの企業における人事・採用担当者は、現場から早急な人材確保を要求され、経営からも短期的な成果を求められます。しかし、リファラル採用は制度を設計して運営を開始すればすぐに爆発的に応募が増えるわけではないため、中長期にわたって推進していく視点を持つ必要があるためです。

段階的に目標を設定し、一歩ずつステップを踏んでリファラル文化を根付かせていくストーリーを設計することで、社内を巻き込んでいきましょう。

「ル」ール設計

中長期的なゴールが設計できた上で、次は制度設計です。制度設計というと、少し堅苦しく感じますが、「社員が安心してリファラル採用ができるようなルールづくり」が必要であるということを念頭に置きましょう。

制度設計においては、従業員が自然とおすすめできる環境づくりを目指していきます。その環境整備に必要な項目を4つ紹介します。
①適用社員の範囲(正社員、契約社員、派遣社員など)
②禁止事項や運用ルール(取引先からの引き抜き禁止など)
③インセンティブ(金銭報酬、非金銭報酬など)
④補助制度(会食補助制度など)
※それぞれの説明は割愛

「フ」ロー設計

最後の、運用フローを最初に検討する上で重要なことは、「どこまでの社員を巻き込んで開始するか」を設定することです。
理想としては全社員を巻き込みたいものの、新たな取り組みに対して全社員を巻き込むとなると、大企業になればなるほど担当者の負担が大きくなります。

その際に重要なことは、いきなり全社展開せずに、採用課題の大きそうな部門からスモールスタートし、実績を出してから全社展開するという運用です。この方法は、制度をブラッシュアップする上でも、経営陣を巻き込む上でのエビデンスづくりの事前運用という観点でも有効です。

また、社員の視点に立てば、リファラル採用は主業務ではありません。そのため、社員に極力負荷のかからないフローを策定することが必要となります。

社員の負荷は大きく2つに分けられます。
①心理的負荷
②業務の工数としての負荷

「心理的負荷」は「友人を紹介したのに即NGだったら、友人との関係にヒビが入ってしまわないだろうか」といった不安です。
これに対しては、「大切な社員の友人なので、いきなり書類選考で落とすようなことはせず、カジュアルに一度はお会いします」と表明しておくことや、もし不合格だったとしても、何がミスマッチだったのか、その内容をしっかりお伝えすること、などが重要になります。

また、「業務の工数としての負荷」については、リファラルに関する情報を専用ページに一本化したり、紹介手続きをなるべく簡素化したりすることによって軽減することが重要です。

社員がおすすめしたくなるフレームワーク

この章ではリファラル採用3.0の「実戦編」をまとめます。

リファラル採用3.0の4ステップ

STEP①「認知」リファラル採用を認知する
STEP②「共感」動機付けされて参加する
STEP③「行動」紹介する、シェアする
STEP④「ファン化」再度紹介したいと思う

STEP①「認知」

最初に重要になることが、情報の角度を変えながら、飽きられない認知活動を行い続けることです。「エビングハウスの忘却曲線」より、人間は1週間で77%の物事を忘れると言われています。多くの仕事がある中で、社員にとって自分の主業務ではないリファラル採用についてはなおさら忘れ去られてしまう可能性が高く、認知が往々にして進まないことがあり得ます。

だからこそ狙い通りの認知の効果を生むためには、情報の角度を変えながら定期的に定期的に発信していくことが欠かせません。毎回同じ情報を発信すると、従業員が飽きてしまい、無駄な情報と感じて「スルー」する向きも出てくるため注意が必要です。

また、「リファラル採用制度がある企業の社員」1,532名を対象に実施したアンケート調査ならびに、MyReferのログデータの統計分析調査によると、「リファラル採用で入社した人を見た」ことは紹介実施と相関関係があることが分かりました。

そのため、「リファラル採用の入社者に対するインタビュー記事の配信」などは、効果的な認知活動の1つであり、「リファラル採用で入社した人を見た」状態を醸成する施策となります。

STEP②「共感」

従業員に認知してもらい、実際に動いてもらうためには、共感を促すコミュニケーションが必要になります。共感を生むためのコミュニケーションのポイントは次の3つがあります。
・インセンティブではなくストーリー
・透明性の高い情報
・上位役職者を巻き込む

ストーリーの有効性は、有名な「ゴールデンサークル理論」などで語られている通りです。リファラル採用においても高い効果があります。

また、透明性の高い情報は、リファラル採用を進める上で遠手も重要になります。もちろん、自社のことを語るための情報という側面でも有効ですが、会社と従業員という関係性においても有効です。

人間は、ヒトやモノ、サービスに何度も触れることで、感心や好意を持ちやすくなるという「ザイオンスの法則」という心理用語があります。リファラル採用をきっかけに、自社の事業や採用に関する情報に何度も触れる過程で、共感度やエンゲージメントを高めていくことができるのです。

最後に、上位役職者を巻き込むことについては、リファラル採用を成功させる上で欠かせません。上司がリファラルに協力的でなければ、部下が組織のことを思ってリファラル活動にコミットしていても「そんなことはいいから数字を作りなさい」と評価されない可能性すらあります。もっというと、経営陣自体がリファラル採用にコミットすることが、リファラル採用が企業文化として根付く上で非常に重要となるため、上位役職者を積極的に巻き込んでいくことを意識しましょう。

STEP③「行動」

共感が生まれた後は、行動に移っていきます。ここにおいて重要になるのは「従業員の紹介ハードル」を下げることです。「紹介のハードル」とは、情報を取得して声をかけるまでの一連の行動における障壁を指します。

ここでは説明は割愛しますが、具体的な施策例を記載しておきます。
・リファラル情報のまとまった社内サイト、Slackチャンネルなどを作成し、情報を一元管理する。
・カジュアルなリファラルイベントを開催し、声かけのハードルを下げる。

STEP④「ファン化」

最後のステップがファン化です。ここで重要なことは、紹介した社員が「また参加したくなる体験価値を提供」することです。

リファラル採用は従業員体験を向上させる強力な方法です。一方で、対応次第ではプラスな体験のみならず、一時的なマイナスな体験になる可能性もはらんでいます。この対応によって、2回目の紹介をしたいかどうかが全く異なります。

大事なことは、紹介した友人・知人の入社が決まらなかった社員に対しても、入社が確定した社員に対しても、どちらに対しても「ファン」になってもらう働きかけを行うことです。

もっとリファラル採用を活用したい人へ

ここまでリファラル採用を導入・実行するために必要なことをまとめてきました。リファラル採用の導入準備から展開、浸透までの基本的なフローやステップはご理解いただけたかと思います。

本章では、さらにリファラル採用比率を高めていきたいという方向けの「応用編」も紹介しています。応用編では、リファラル採用の成果を最大化するKPIを要素分解し、それぞれの項目を底上げする具体的施策が解説されています。
また、リファラル採用の成功事例が8社分も記載されているため、自社で具体的にリファラル採用を推進していく際に参考になるかと思います。

ただ、こちらについては分量が多いため、本記事では割愛させていただきます。

まとめ

今回は『戦わない採用』について書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?

弊社も今期からリファラル採用に注力し、制度設計、情報発信、イベント企画等の促進施策を行ってきたので、本書を読んで、現状できている点/できていない点が浮き彫りになり、とても学びになりました。

これからリファラル採用を始めていきたい方にも、既にリファラル採用に取り組んでいる方にも、学びになる内容ですので、気になる方は是非書籍を手に取っていただければと思います。

今後も定期的に本の感想や日々の学びをシェアしていく予定ですので、もしよろしければ「スキ」と「フォロー」をしていただければ嬉しいです!!
よろしくお願いします!


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