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思考の論理展開を可視化する!ビジュアルシンカーのためのiPad Proの使い方-その2【着想編】-

事例紹介【着想編】【0→0.5】

目次
・実例紹介【使い捨てプラカップ問題を解決せよ】
・着想までのプロセス① 課題決定→オフ&オンラインブレストと分類
・着想までのプロセス② 項目を分解して考える(ここから前回のメモ帳の解説)
・アイデアの種


事例紹介【使い捨てプラカップ問題を解決せよ】

前回の記事で紹介したメモの取り方を使うとどんな効果があるのか。
実際にこのツールで考えたアイデアと、それが生まれるまでのプロセスを事例として紹介します。
(実際にはコスト面の問題で商品化まではしなかったもの)

まずは事例から。
この時、企画のテーマとしてもらったのが

「音楽フェスの使い捨てカップ問題を解決するためのタンブラーを考える」

というもの。

その会社はイベント会社なので、
・メーカーのように何か技術的に新しい商品を開発すること
・デザイン会社のように美しいデザインで勝負すること

は使えるカードではありません。

持っている手札は
・既存の技術の組み合わせ+α(付加価値)

その中でどう勝負するかです。
みなさんだったら、どんなアイディアでこの状況を解決しますか?

このテーマに対して提案したのが

「CDリサイクルで作るエコタンブラー」です。

企画の魅力その1 タンブラー自体が音楽時代の橋渡しを体現する

音楽はレコードからCDへと繋がり、今はフェスという「音楽体験化」と「データ化」の2つの道へと分かれ進んでいます。

これまでの音楽体験であるCDが、これからの音楽体験であるフェスで使えるグッズに生まれ変わる。音楽時代の橋渡しを体現するタンブラーです。

企画の魅力その2 タンブラー使用者のエコ意識を向上させる

例えば身近な例として空き缶リサイクルについて考えた時、空き缶を資源ごみに出せば、回収され材料に戻り、また別の商品として生まれ変わる。これは誰しも頭では理解できます。
ですが、そこに自分ごととしてリアリティはありませんでした

「このCDがこのタンブラーになる」という明確で体感覚の伴うリサイクル構造は、タンブラー使用者のエコ意識を向上させることに繋がります。

まとめると
CDをリサイクルしたタンブラーを作ることで、
・音楽時代の橋渡しを体現するメッセージ性を持つ
・単純にゴミが減るだけでなく、使用者の意識改革まで行う

というアイディアを考えました。

次に、このアイディアを前記事で紹介したツールをどう使って考えたのか、具体的に説明していきます。


着想までのプロセスその①【課題決定→オフ&オンラインブレストと分類】

このテーマが決まった場所にチームメンバーが何人かいたので、そのままブレスト。

そこで何かを決めることはせず、アイディア出しはオンライン上で続行。
各々が情報収集報告したり、思いついたアイデアをシェアしたり、一定期間かけてアイデアを出します。
ですがどれもつまらない。

出たアイデアの一部が下

ここまではよくあるブレストのルール
・否定してはいけない
・実現可能性は考えず、質より量で考える

などで考えたものです。

ここからは1人で考える段階です。
まずプロダクト開発の3つの要素【コンセプト・機能・デザイン】で分類しました。

そこでわかったのが、機能中心のアイデアばかり出ていて、コンセプトやデザインから作られたものが少ないということ。

商品に特徴的な機能を加えることで、他と差別化された特徴のある商品を作ろう、というのがこの時のチームが取り組んでいる時の姿勢でした。


着想までのプロセスその②【項目を分解して考える(ここから前回のメモ帳の解説】

そこで、ごちゃ混ぜで適当にアイデアを出すのではなく、それぞれの項目に分けてアイデアを出していくことにしました。ここから先が前記事で紹介したメモの取り方です。

まず、それぞれの項目についてどんな方針で考えていくか考えました。

考えを深めていく項目を決めて、マーカーで囲います。

まずは機能についてマインドマップを考えました。

機能だけに集中して
・こんなことがあったら面白そうだぞ
・これができたらいいなぁ
と考えて行きます。
この時はどれもあまりピンとこなかったので、次に進みました。

一通り考えたところで、データをナンバーズに貼り付けます。

次は頭を切り替えて、コンセプトについて。

コンセプトを考えるために「魅力的なコンセプトは何か」と考えます

これまで出たアイデアから
・「〇〇で作った」という物語性
・使用後にどうなるのか
など商品を通じてその背景に大きな流れを感じることに魅力があるのだなとあたりをつけました。

ここでは機能(エコがどうこう)については頭から完全に排除して考えるのが、このツールを使う時のポイント。

ということでメモ帳の右下部分を深めていくことに決めたので、この部分を紫色で囲いました。

Numbersではこうなります。

では「フェスグッズ」の場合、何で作ればいいか?
これを決めるために「音楽」「フェス」「ライブ」など、音楽に関連する単語で画像検索をかけて、目に入ったものを箇条書きでメモして行きます。


アイデアの種

この箇条書きを見ながら、タンブラーの材料として使われるのは
・プラスチック
・アルミ
・ステンレス

なので、これが材料で使われているものを探していきます。
するとCDならプラとアルミでできてる!
それにCDはリサイクルもされてそうだし

「CDから作ったフェス用タンブラー」
なんだかいいぞ!

ということで、このアイディアをぐっと推し進めていくことにします。
ここまでがアイデアの種0→0.5【着想】までのステップ


次回で、メモを使ってここから推し進めていく様子を書いていきます。



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