星とのキョリの縮め方
眼鏡屋「今回はですね、スマホやカメラでの星の写真の撮り方について紹介したいと思います。」
記者『どうしたんですか急に?』
👓「先日、スマホで星を撮れるかという投稿で、眼鏡屋の 小宇宙に火がついたので、あらためてしっかり書いておこうかなと。皆さんを誘おうかなと。」
記者『火がつきましたか。星の写真というと、なんか難しいというか敷居高そうな気がするんですが初心者でも大丈夫でしょうか?』
👓「SNSに出回るようなバリバリに決めたものは経験や技術、センスやロケーションが必用かもしれませんが、ただ単純に適当に文字通り星の写真を撮るだけだったらめちゃくちゃ簡単なんです。上に貼った投稿でも割と適当に撮っています。」
☆オリオン座☆
設定を決めてしっかりとスマホを固定して撮影するとこんな風に撮れます
🎤『なるほど!でも、もし撮れるならあんな見栄えバリバリなやつ撮ってみたいですねー。』
👓「ねー、バリバリなやつ。残念ながらバリバリ綺麗なのは撮ったことがないので、今回そのような作例は出てきません。あしからず。では始めていきましょう!」
スマホで星を撮ってみる
🎤『具体的にスマホで撮る場合は何か必要なものってありますか?』
👓「スマホの場合、まずスマホ本体のカメラ設定でマニュアル操作を弄る事ができることが必要です。シャッタースピード(以下SS)が30秒、ISO感度が3200とか設定できればオッケーです。ここ数年内に買われたスマホなら大抵大丈夫かと思います。」
🎤『SSとISO感度なんですけど、それぞれ言われているその位の値が必用になるんですか?』
👓「まぁどちらかが高ければ一応大丈夫です。SSが長いとそれだけ手ブレしやすいですが。それとシャッターを押す際にも手振れはするので、○秒後シャッターなどのタイマー機能があるといいですね。」
🎤『なるほど。カメラアプリの設定などを確認すれば良さそうですね。で、実際具体的にどんな風に設定すればいいのでしょうか?』
👓「基本、高いISO感度に対して短いSSか、低いISO感度に対して長めのSSですね。上に貼ったオリオン座の写真は、三脚にガッチリ固定してISO感度64、SS30秒で撮影しました。個人的には固定&低ISO感度&長SSがおすすめです。」
シチュエーションは違うけどこんな感じ。
🎤『高&短、低&長の組み合わせですね。今さらですが、シャッターのスピードってことは、光を取り込む時間をコントロールしていくってことですよね?』
👓「そうです。まず試し撮りの結果を見て、明暗の調整は暗かったら秒数を2倍に、明るかったら秒数を半分にしていくといいですよ。ISO感度でも調整するなら同様に倍か半分で調整すればいいです。写真の仕上がりとしては出来る限りISO感度は低めで済ませれると綺麗になりますよ。」
🎤『一回設定の要領を得たら簡単そうですね!夜の散歩のついでにも簡単に撮れそうです!』
👓「100円ショップなどにあるスマホ用の三脚や固定器具使えば、ブレずにより撮りやすくなります。もちろん高ISO感度&短SSの組み合わせなら手持ちでもいけます。でもやはり、しっかり固定&低ISO感度&長SSがおすすめです。(2回目)」
ちっちゃい三脚でも固定出来ればオッケー
🎤『ならべくなら固定した方がいいんですね。』
👓「なんなら○秒後シャッター設定をした後、レンズを上向きにスマホをそのまま地面に置けばそれでもオッケーです。」
🎤『大胆なストロングスタイルですね!私はハンカチでもひいて優しく設置してみます。』
👓「あ、あと大事なことを忘れていました!!」
🎤『何かまだ必要なものあるんですか?』
👓「物というよりかは場所ですね。まわりに街灯や人家の灯りが少ない場所だと、より多く星が写ってくるので、場所選びも大事です。出来れば月明かりもないといいですね。」
🎤『もし夜に暗いところへ出かける機会ありましたらこの投稿を思い出して下さい(宣伝)。』
おさらい
・マニュアル操作が出来るスマホ
・ISO感度を高⇒SS短
・ISO感度を低⇒SS長
・撮影結果、暗い⇒SSを長く
明るい⇒SSを短く
・シャッター時の手振れ防止の為に○秒後タイマー機能があるとよし
・本体を固定出来るとなおよし
・なるべく暗い場所で撮ると良い
👓「ちなみにですが、スマホの機種によっては星空モードとかってあるのでしょうかね?」
カメラで星を撮ってみる
🎤『今後スマホのカメラの性能上がればもっと簡単に星が撮れそうですね。』
👓「簡単にスマホやカメラで星が撮れるといいましたが、カメラの方も大体同じで、マニュアルが操作出来ればオッケーです。一眼カメラは勿論、コンデジも機種によっては撮れます。」
🎤『となるとまたISO感度とSSの設定ですか?』
👓「スマホでは省きましたが、明るさを調整するもう1つの要素である絞りと、お好みのホワイトバランスとピント調整がありますね。自分のスマホでは絞りは調整出来ない為、スマホの説明の際に省きました。」
🎤『第三の要素!?絞りですか。3つの要素が絡むとなるとこれはかなり複雑になりそうです。』
👓「ご安心を。絞り(Fもしくはf)は一番低い値にしておけば基本オッケーです。余程のことがない限り動かすことは無いです。(たぶん)」
🎤『となると、あとはホワイトバランスとピントですか?』
👓「これも簡単です。ホワイトバランスは好みの色味のものでかまわないし、ピントはマニュアル操作で一番明るい星に合わせてもいいですし、遠~~くの何かしらの灯りで合わせればオッケーです。」
🎤『どのカメラでもこんな感じなんですか?』
👓「各社とも色々カメラがあってわかりませんが、マニュアル操作の略号のMというモードがある近年のカメラならこんな感じですし、機種によっては星の日周運動(以下:グルグル)を撮れる機能がデフォルトであるのもありましたよ。」
🎤『えー、グルグルも撮れるカメラあるんですか!ああいうのに憧れます。』
👓「グルグル写真を撮れる機能が無くとも、星を撮れる設定が分かっているなら、それを利用してグルグル写真を撮ることは可能ですよ!」
🎤『機能が無くとも撮れるとはどういうことでしょうか?』
👓「あの機能って、三脚でしっかり固定した上で、連続で何十枚、何百枚といった写真データをカメラ内で重ねてみて、明るさの変化のあるところを足していくといった処理をしているので、その処理を後から手動でやれば同じことになるんです。比較明合成というやつです。」
🎤『なんか難しそうですね。別にグルグルにしなくともいいんですよね?』
👓「星を点にするか繋げて線にするかはその環境での星の写り具合や、自身の好みによるでしょうか。でも繋げてグルグルにする利点ってのがありまして、1枚では分からない小さい星も繋げると軌跡がはっきりして分かりやすくなるんですね。下の写真は1枚1枚では星の存在がほとんど目立ちませんでした。」
ミラーレスカメラで比較明合成での星の日周運動の撮影にチャレンジしたもの。詳細はこの投稿の最後の雑談内にてリンクあり。1枚1枚では分からなかった星が比較明合成したらたくさん出てきて驚きました。
EOS−M6 TOKINA11−20㎜
ISO感度100 SS30秒 F2.8
約120枚比較明合成
🎤『なるほどー。それは試してみたいですね。』
👓「グルグルで難しそうと感じるのは二点かな。インターバル撮影とグルグルを自分で編集する時の比較明合成ですね。インターバル撮影については、その機能がカメラにあれば大丈夫です。」
🎤『それはつまりその機能が無いこともあるんですか?』
👓「無い機種もありますね。コンデジの場合だったら諦めなきゃいけませんが、一眼カメラの場合だったらそのカメラに対応するタイマーレリーズというものでインターバルを設定できるので、タイマーレリーズを購入すれば大丈夫です。」
🎤『要は撮影間隔(インターバル)を自動でコントロールしてくれる機能ってことですか?』
👓「そうです。シャッター開始時間、シャッタースピード、次のシャッターまでの間隔、撮影枚数を設定して、撮影開始したらあとはオートでシャッター切ってくれる素晴らしい機能です。例えば
撮影開始1秒後、シャッタースピード30、シャッター間隔1秒、撮影枚数120
とかですね。言い忘れてましたがカメラの設定で大事なこととして、ISOオートとかホワイトバランスオートとか、手振れ補正などの機能は全て切っておくことが大事です。」
🎤『インターバル機能ってスマホには今のところ無いですよね?スマホでグルグルは撮れないんでしょうか?』
👓『スマホでインターバルは聞いたことないですが、三脚にガッチガチにしっかり固定して、手動で直、もしくはリモートでシャッターきり続けることが出来れば後でグルグルの写真作れるんじゃないですか?理屈的には。』
🎤『大変そうですねー。遠慮しておきます。』
👓「ちなみにカメラでもシャッター時の手振れ防止の為に、○秒後シャッター設定しておくのもいいですし、最近ではスマホの専用アプリなどでリモートでシャッターきれるので、それを利用してもいいです。」
🎤『となると、あとはその比較明合成というやつですね?物凄く難しそうです。』
👓「これも慣れれば操作は簡単ですね。いくつかソフトやアプリがあるのですが、自分はフリーソフト、フリーアプリを使っています。合成中はその合成過程の様子も見れてなかなか面白いですよ。」
🎤『おすすめとかありますか?』
👓「多くを使い比べたことはないですけど、フリーソフトなら自分はWindowsなのでSiriusCompというソフトを使わせてもらっています。使い方も丁寧に解説してあるため分かりやすいし、おまけでGIF動画もつくれるので、タイムラプス撮影にも便利です。」
🎤『タイムラプスってパラパラ漫画みたいな動画のやつですね!あれ面白いですよね。アプリの場合は何を使っていますか?』
👓「アンドロイドでの話ですが、Star Trailsというアプリを使わせてもらっています。こちらは操作がより簡単な感じにまとまっていますね。」
🎤『それぞれの長所短所とかありますか?』
👓「SiriusCompはPCで操作する性質上、マウス操作でドラッグ選択出来るので、合成するのが楽チンですね。失敗してもやり直しの負担が少ないです。Star TrailsはアプリなのでPC不要で撮影の帰り途中にデータ送ってそのまま合成出来るのが良いところです。」
🎤『楽さと身軽さが其々の長所ですね!では短所は?』
👓「SiriusCompはPCがないとダメというのが当たり前といえば当たり前ですが短所でしょうか。自分は家だとタブレットPCしかないので、それを使うのもめんどくさいです。Star Trailsはスマホの性質上、画像選択がめんどくさくて、100枚撮ったら100枚ポチポチとタップしなきゃいけないのがめんどくさいです。やり直しする際はまたポチポチ。大変です
。」
🎤『結構はっきりと長所短所が重なりますね。』
👓「案外やってみると星の写真って撮れるもんです。せっかくなのでより星空を楽しめたらなと思います。」
おさらい
・マニュアル操作出来るカメラ
・ISO感度を高⇒SS短
・ISO感度を低⇒SS長
・三脚などで固定
・○秒後シャッターや専用アプリでシャッター時ブレないようにする
・グルグルの際には低ISO感度&長秒の組み合わせ
・各種オート機能(手ブレ補正も)はオフに
星撮りの雑談
雑談その1“星と写真”
👓「綺麗な絵作りに出来るかはさておき、星撮るのって結構簡単じゃないですか?」
🎤『綺麗に完成されたものをみると尻込みしますが、意外と簡単に出来そうですね。』
👓「これと似たような撮影としては、車のランプの軌跡や、花火、ホタル、あとは雷なんかもスローシャッターの撮影ですね。知らないだけで、持っているスマホやカメラでも撮れるかもしれません。単純に面白いのでお勧めです。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
雑談その2“沼”
👓「他の界隈と同じようにカメラ界隈にも良いものを探し求め買い続ける散財ループに嵌まる、“沼”と呼ばれる現象が報告されています。」
🎤『恐いですね。(財布的に)』
👓「星を撮る場合には、明るいレンズ、三脚、赤道儀、カメラボディなどの沼に陥る事が報告されています。さらに天文に嵌まる方は、」
🎤『嵌まる方は?』
👓「山に登り始め、アウトドアの方面にも手を出すことになります。そちらも魅力的な道具がたぁ~くさんあります。あ、あと空気が綺麗な町外れに家建てた方もみえましたね。」
🎤『それはもはや沼とかではなく、己の道を突き進んでいますね。趣味人の鑑です。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
雑談その3“GoPro”
👓「今回は割愛しましたが、GoProでも星空を撮ろうと思えば撮れますよ。自分が試したのはGoPro7でした。」
🎤『あれって動画だけじゃないんですか?』
👓「使わないと意外と知らないかと思いますが、写真も撮れますよ。それのナイトタイムラプスでの連続撮影を行えば断続的に写真撮影ができて、それらを後で合成すればグルグルが出来ます。ただ通常だと広角過ぎるので、魚眼モードは切っておくといいでしょうか。」
🎤『アクティブじゃない眼鏡屋さんが何故かGoProを持っている理由ですね。』
👓「詳しい設定などについては以前に投稿したやつを貼っておきますね。この投稿を追えばGoProでの星空撮影の仕方が分かるかなと思います。」
🎤『GoPro7って結構前の機種なので、最新のものだと細かい部分違うかもしれませんがその点はご了承願います。』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
雑談その4“星の撮り方”
👓「まぁ星の撮り方って興味ある人なら調べれば情報ゴロゴロ出てくるんですよね。スマホでの撮影も。」
🎤『今の時代調べれば大抵ありますもんね。』
👓「今回noteで投稿した意義というのは、能動的に調べない方にも興味を持ってもらえるかも?という狙いがありました。少しでも空を見上げる機会が増えればいいなと。」
🎤『ちょっとロマンチック漏れ出てますね。タイトルにも。』
👓「まぁざっくり適当な説明でしたが、それでも星は撮れるよって話でした。もしもっと詳しくカメラの設定など知りたいと言う方は参考となるブログのリンクを貼っておきます。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
雑談その5“三脚のセッティング”
👓「個人的な考えも入るんですが、星を撮る際の三脚のセッティングにはいくつか注意した方が良いことがあります。以下の写真は自分が星を撮る際のセッティングです。」
🎤『あっ!?三脚のハンドルがレンズ側にきていますね!!』
👓「上方向を撮る為、本来手前にくるハンドルが三脚の脚に干渉しやすいので、それを防ぐ為に180°反転してます。センターポールを伸ばせば干渉問題はクリア出来ますが、それだと重心が上がって不安定さが増します。前方二脚、後方一脚なのは角度つけると後方に重心が寄るからです。風などの影響を考え、ストラップも外しておきましょう。」
🎤『なんか色々あってビックリですが、本当に意味ありますか?』
👓「まぁ好きなようにやればいいと思うのですが、せっかく1時間とかかけて撮影して、結果ブレがあったりすると涙が出るので、意味があると思ってセッティングしています。少なくともセンターポール伸ばさないのとストラップ外すのはガチです。」
以上、長々ですが意外に撮れる星の話でした。
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