見出し画像

【今でしょ!note#137】全員がリーダーシップを持とう

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

伊賀泰代さんの「採用基準」を読んでいて、リーダーシップとは「調整力」や「論理的思考」などといった人の能力を示すレーダーチャートの一つの要素なのかなと思っていましたが、そうではないと考えさせられました。
リーダーシップは、全ての人にとって必要な能力で、得意・不得意な人がいるのは個性みたいな話ではないということ。
チームをマネジメントする立場からすると、全員がリーダーシップを持ったチームを作ることがいかに強いチーム作りになるかということ。

伊賀さんが実際にマッキンゼーで17年間勤務し、採用マネージャーを12年間経験された中でまとめられた「リーダーシップ」に対する考え方から、自分自身の経験にも当てはめた時の気付きについて話をしていきます。

リーダーシップに対する誤解

特に日本では、リーダーシップに対する考え方の誤解が多くの場面で見られます。「リーダーシップ=自己主張が強い人」、「マネージャー=リーダーシップを発揮する人」というように、リーダーシップは管理の役割にある人が持つべきもので、それ以外の人はフォロワーシップを発揮すれば良い、というような考え方です。

しかし、リーダーシップは、全ての人が持つ必要があり、リーダーシップのないメンバーがチームの中にいると、チームのパフォーマンスは著しく下がります。
ハイパフォーマンスチームを作る上で、この上ない足枷になるのです。

私が感じたのは、この本で書かれているリーダーシップとオーナーシップに近い考え方ということです。
つまり、チームの中で自分がどのような役割・ポジションにいようと、チーム全体の成果を最大化するために、全体として必要なことは何かを理解して、自分ごととして行動することです。

そのように考えると、全員がリーダーシップを持ったチームのパフォーマンスが、一人だけがリーダーシップを発揮して、他はフォロワーシップがあればいい、というようなチームより高いのは明らかです。
なぜなら、チームの構成員それぞれが、チーム全体の成果はこういうことであると理解して、他の人の動きを見た上で今必要なことは何かを考えて判断して自律して動くことができるため、「リーダー」の立場にある人がメンバーが動くための準備を全て整える前に、メンバーが自分で考えて動き出せるからです。

それぞれの立場でリーダー体験をする

組織を動かして成果を出すことがどれほど大変なことなのか、実体験として理解することが大切です。
そのような経験をしてこなかった人は、一緒に何かをするとすぐに分かります。

全体から見ると非常に瑣末な細部にいつまでも拘っていたり、面倒なことが起こるといつの間にか徐々にフェードアウトしていったり、詳細な計画が決まるまでは何も動かなかったり、全てのルールが明文化されるまでは何も動きません、と言い出す人がいたり。
皆さんの周りにもそのような人がいませんか?

このような人は、自分がリーダー体験をしたことがないから、いつまでも受け身で、リーダー体験がどれほど大変かを理解していないため、そのような行動に走るのです。
リーダー体験をしたことがある人は、リーダー側の大変さをよく理解していますし、指示待ちでなく今の自分に必要な役割を理解して必要だと考えることを自分判断で動け出せますから、メンバーとしても優秀なのです。

私は有難いことに、優秀なメンバーと少数精鋭で一緒に仕事をする経験を長く持つことができました。
各チームのリソースは1〜2人で潤沢な人数が揃っているとは言えませんでしたが、それでも全員がリーダーシップを持っているチームだったため、物事が決まっていくスピードが早く、無駄な仕事や議論が少ないため、とても仕事が進めやすかった印象があります。
人数は、たくさんいればいいというものではない。役職とは関係なく「チームの成果を最大化するために自分は何をするか」を考えて動くメンバーがどれだけいるか、という方がよっぽど重要です。

「自分はやりたくないが、他の人にはぜひやってほしい」というのは、リーダーシップの対極にある考え方で、そんな人をチームに入れてしまうと、全体のパフォーマンスが著しく下がります。何かを変えようとするとき、やったことがないチャレンジングなことをするときの人選がいかに重要であるか分かります。

モヤった気持ちを肯定できた

少し前に社内で、地域活性化業務に関わっている人を横串で情報連携できるコミュニティを作りたい、という相談を受けて、関係者が集められた打ち合わせがありました。

私のほか、10人ちょっとが集められて、私より役職が上の人もたくさんいる打ち合わせで、全社から声がかかっていたので、当然別部署で、初めてお会いする方ばかりでした。

そこで社内の地域活性化の取り組みをもう少し統合して、シナジーを出せる形で連携を取れるようにしていきたい、という趣旨の相談が事務局からあり、まずは隔週で1時間程度情報交換するとか、Teamsのチャットツールでそれぞれの取り組みを紹介することを考えているとの説明を受けました。

そこで感じた私の率直な感想としては、「目的が曖昧なまま進めても意味がない。各現場の仕事をより大きく展開するために他を巻き込んで協力を仰ぎたいとか、具体的な連携の仮説がないと、何となく自分たちの取り組みを紹介して、へーそうなんだ、で終わってしまう」と感じ、そのように発言しました。

その後30分ほど議論が進んだのですが、結局フワッとした議論のまま「とりあえず事務局が各担当者に振っていく形でそれぞれの取り組みをチャットで紹介していくところから始めましょうか」という当たり障りない結論でまとまりそうになります。
そこで「話の腰を折ってしまうかもですが、誰かがやりたい!と強い意志を持たずに順番が来たから紹介する、みたいなことをやっても、誰もワクワクしないし、そのうちコミュニティは崩壊すると思う。自分たちがコミュニティを通じて何を目指すのか、どういう状態を作りたいのか、の十分な議論がないまま、とりあえずやった方が良いでスタートしても、絶対盛り上がらないと考えます」と発言しました。

会議の予定時間も終わり間際だったので、私の発言に対して、その後あまり議論できないまま、「いただいた意見も踏まえてもう一度事務局で考えます」という話で終わったのですが、最後に微妙な空気になってしまったため、その日は自分の中でもモヤモヤした気持ちのまま過ごすことになりました。

しかし、この本のリーダーシップの考え方を知り、自分は全社で横連携のコミュニティを作りたいという話を受けて、リーダーシップを発揮してコミュニティの成果を最大化することを考えて適切に発言できたのではないか?と肯定することができました。

突然声がかかって初めてお会いする人ばかり、部長級の人ばかりの打ち合わせでしたが、「当たり障りのない誰も大きく怪我をしない妥当な案」に落ち着いてしまうところに対して「それは違うのでは?」と発言したこともリーダーシップなのだと考えられるようになりました。

さらに高次レベルを目指すのであれば、独自性があり、実現した時のインパクトが極めて大きな仮説を立てたり、0から新しいアイデアの全体像を描く設計力や構想力を持てるようになりたいなと。

この本、かなりの良書で他にもリーダーシップに対する気付きが多いので、また改めて別のキーワードも深掘りしてご紹介します。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
励みになるので、ぜひスキ&フォローをお願いします!

この記事が参加している募集

仕事について話そう

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?