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【今でしょ!note#133】オーストラリアの働き方・賃金・ウェルビーイング

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日、2歳と0歳の子どもを連れて、2週間のオーストラリア家族旅行に行ってきました。
日々の奮闘の模様、学びについては、奮闘記1〜13としてまとめていますので、まだ見られていない方はぜひ見られてください!

今日は、振り返りシリーズとして、オーストラリアという国が日本とは異なると感じた点について、日本も取り入れていった方が良いと感じたことをまとめておきます。
働き方・賃金・ウェルビーイング・キャッシュレス決済など、幾つかの観点で、日本にいたら当たり前のように感じるけど、外から見ると日本がちょっと変だよね、と感じた点に言及していきます。

オーストラリア旅行の振り返りシリーズはこちらです。

オーストラリアの働き方

「オーストラリアの」という言い方をすると、大きく括りすぎかもしれませんが、日本と比べて「あまり働かない」というのが大きな印象です。

営業時間が最低限

街中で頻繁に見かけるカフェも、平日は朝7時〜夕方16時くらいまでの営業で、夜は閉まっているお店もたくさんあります。休日は、基本的にお店が休みです。
スーパーも週5日は16時までの営業で、例えば水・木の週2回だけ22時までオープンしている店というのもよく見かけました。

で、仕事を早く終えて何をしているのかというと、夕方の公園で運動している人をよく見かけました。

シドニー平日夕方の公園。多くの人がテニスやバスケ、ランニングを楽しんでいます

日本であれば、平日16時ごろで閉まってしまうお店は、まだまだマジョリティとは言えないですよね。まだ働けるから、お客さんも来るから、という理由で、夕方以降も仕事をしてしまいそうです。
平日はみんな仕事をしているから、飲食店などのサービス業も土日に営業するのが一般的になっています。

平日毎日夕方に公園で運動するなんて人も、マジョリティではないと感じます。

私が訪問した3月のオーストラリアはサマータイム期間中ですから、20時くらいまでは普通に明るいんですよね。だから、16時に仕事を終えると、そこから4時間くらいは、毎日普通に明るい時間をプライベートで過ごせることになる。
この働き方って結構人生観も変えそうだと思いませんか?
「時間が来たら、まだ仕事が出来たとしても勇気を持って切り上げる」。この働き方に対する考え方は、いきなりは難しいですが、私も日本で取り入れていこうと考えさせられたところです。

土日勤務は、価格に反映

オーストラリアでは、土日勤務に対する従業員への手当が価格に反映されており、平日料金と土日料金が異なるサービスも見られました。この辺りも日本でも普通にやればいいのにと感じたところです。休日の方が高いから平日にお金を使おうというインセンティブにもなり、週末の混雑も多少分散が図れそうです。

週末は10%増、祝日は15%増となるプライシング

また、上の写真にもありますが、クレカ決済をするとブランドに応じて手数料がプラスでアドオンされますが、これは店舗視点ではキャッシュレスを導入しやすくしていると感じます。
オーストラリア滞在中、全ての飲食店でクレカ決済対応、そのうちの半分以上の店舗では、席でスマホでオーダーし、そのまま支払まで完了する仕組みを導入していました。従業員のオーダー聞き取りだけでなく、会計対応まで省略化されており、従業員の仕事量を減らす仕組みとなっています。

高賃金な国

OECDの「世界平均賃金ランキング」によると、2022年の公表情報ベースで、日本が年間平均41,509 USDに対して、オーストラリアは59,408 USDと、現在のUSDレートを勘案すると200百万円以上高くなっています。

2022年公表の「世界平均賃金ランキング」
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/average-wages-japanese-version.htm

オーストラリアの最低賃金は、2024年3月現在で、時給23.23 AUD(約2,300円、豪ドル、1豪ドル=約99円換算)となっており、日本の全国平均額の時給1,004円の倍以上です。

物価に目を向けると、レストランで何かを食べようとしても、普通に食事しようとすると1,500円〜2,000円近くかかることは普通だし、スーパーでパンを買っても安くて300円くらい、アベレージで500〜600円くらいします。

そんな感覚で帰国して、スーパーで納豆80円、もやし30円、食パン150円とかで売っているのを見ると、日本は物価安すぎ!と感じます。

家賃は、一般的な家族が住むようなベッドルームが2部屋ある家で、週に500~600 AUD、月に2,000~2,500 AUD(約20〜25万円)はかかるとのこと。
これだけ物価が高いので、賃金もそれに見合う形で上げないと現地の人が生活できないので納得な賃金なのですが、世界的なインフレに連動する形で、しっかり物価と賃金が適切に上がっているのではないかと評価しています。

オーストラリア国内の銀行の預金金利も5%近く、少し前は8%近くあったとのことで、日本の高度成長期におけるゆうちょ預金水準のような話になっています。

日本も、物価と賃金を上げていかないと、国内での生活は何とかなったとしても、国際標準で見たときに貧しい国になってしまいます。
日本の平均賃金で海外旅行すると割高になってしまうので、一般的な人が海外旅行に行くハードルが上がってしまいます。企業活動にとっては、グローバル経済の中で国外のものを輸入する調達コストが上がります。

日本も改めて賃金をしっかり上げて、物価を上げていく必要性をリアルに感じた旅となりました。

ウェルビーイング

これまでの話で、働く時間が少ないのにも関わらず、最低賃金は日本の2倍以上です。もちろん物価を考慮する必要はありますが、日本のように長く働いても低賃金で生活レベルがよくならない、という状態でないのは、心や身体の健康にとっても非常に重要な点です。

昨日の記事でも紹介した通り、ベビーカーを持っていれば必ず誰かが助けてくれますし、知らない人でも出会えばHello!と明るく声をかけ合う文化が根付いています。

国民の半分以上が移民で構成されているのもあり、様々な国籍や背景を持った人が当たり前。こちらの記事にもありますが、「女性だから」「男性だから」の意識がそもそも低く、「性別に関係なくみんな平等」の考え方が浸透しているようです。

私も現地で「パタニティリーブ(男性育休)はどのくらい取った?」と聞かれ、「上の子と下の子でそれぞれ1ヶ月ずつ」と回答したところ、「少ない!」というリアクションをされました。
オーストラリアでは、男性は大体半年の育休取得が当たり前らしいです。
日本でよく聞く「男性育休の制度はあるけど、活用が十分とは言えない」というのはその通りで、この辺りも国際的にはかなり遅れていることを改めて痛感。

3月20日に公表された「世界幸福度ランキング2024」でも、オーストラリアは世界10位に入っていますが、社会的寛容性の高さが貢献しています。ちなみに日本は51位。「一人当たりGDP」や「健康寿命」においては世界トップクラスである一方で、「寛容性」については、2023年ランキングでは世界ワースト3位と著しく低いです。

だから日本で、特に地方部の寛容性が低くて都心に出ていく、みたいな話は相当に深刻で、国際視点で客観的に見てもかなり異常な状態であることを認識していく必要性を感じました。

以上、オーストラリアに2週間滞在して感じた日本の課題に関する気付きでした。
どなたかの参考になれば幸いです。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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