【感想】ミッドサマーを超える鬱映画『すすめの戸締り』
時間が許す限り、YouTubeを観ていたい。
こんにちは、ダメ人間です。
YouTubeから流れてくる映像をボーっと観続けた結果、休職4ヵ月目ともなると飽きてしまい、映画を観る時間が増えてきました。
YouTubeに飽きることってあるんですね。
今回はタイトル通り『すずめの戸締り』を観たので、その感想回となります。
■あらすじ
<感想>
後半からがおもしろい
前半と後半で、印象がガラッと変わりました。
前半は、女子高生のすずめちゃんが猫と椅子に振り回されることで話が展開していきます。後半に入り、物語が核心に迫っていくにつれ、過去に起きた震災や事件の記憶を思い出したり、主人公たちのセリフ(※)に心を動かされ、胸がギューッとなりました。
※ネタバレになるので最下部に載せておきます。ネタバレOKな方はぜひご一読ください。
ハウルと似ているのか問題
この映画をみる直前に、たまたま『ハウルの動く城』を観ていました。シンクロニシティ!
草太の見た目
人間が呪いによってモノになってしまう
「常世」のシーン
etc…
まんまパクリやないかー!!
と、関西人には怒られそうなエセ関西弁が出てきてしまうくらいそっくりに感じました。
これから鑑賞される方は、意識的に比較したら2倍楽しめるかもしれません。
草太がイケボすぎる
草太役の松村北斗さんがもともと好きなのですが、感情のこもったセリフがこの映画の魅力をさらに高めていて、とっても良かったです!イケメンな草太のキャラに、イケボが乗っかってキュンキュンしました♡笑
松村さんはオーディションを経て今作が声優初挑戦だったらしいのですが、日本アカデミー賞で話題賞 俳優部門を受賞されたそうです。
もうこれから需要しかないやん!!
ほっくんの時代キターーー!!!!!ヽ(´▽`)/
いけない、取り乱しました。すみません。
声を聴くために、もう一度観たくなります。そのくらい、魅力的な声と役でした。
■震災を忘れない
少し話が飛びますが、映画と関連しますので、引き続き読んでいただけると嬉しいです。
2011年3月11日
あの日、私は社会人1年目で、たまたま東京駅近くのビルで同じ会社の20人くらいと一緒に研修を受けていました。
地震の揺れを感じたものの、あんなことになるとは思いもせず、とりあえずおトイレに行っておこうと思ったら、尊敬する先輩と鉢合わせたことを鮮明に覚えています。同じ思考回路だったのが嬉しかった。
その後、会社に戻ったのですが、帰宅難民となったため寝袋に入って床で一泊。翌日は、当時東京に住んでいた妹の家へ会社の上司に送ってもらいました。幸運にも大した被害はありませんでしたが、毎日流れるニュースの内容が辛く、テレビをつけるのを止めてしまったのもこの時期かもしれません。
2019年9月3日
私はアメリカ・ニューヨークのワールドトレードセンター跡地にいました。
翌月に転職を控え、有給休暇中のことでした。
2001年9月11日に起こった、痛ましい出来事。
「アメリカ同時多発テロ事件」を伝える911メモリアルミュージアムは、事件の悲惨さ、生きたいと思う人間の生への渇望、もう生きられないと悟った絶望、愛するものを残して死んでいくという後悔、逃げるべきなのに仕事だからと人々を助けるためにその場に留まりつつける人間の勇敢さ、そんな様々な感情を突きつけられる場所でした。
生きたい!
まだ死にたくない!
なんでこんな所で・・・?!?!
もうだめだ
せめて伝えたい気持ちを手紙に書こう
もっと一緒にいたかった
愛してる 愛してる 愛してる…
予期せぬ出来事に襲われ、もう助かる見込みのない状況に追いやられた彼らのそんな声が聞こえてくるような展示は、今思い返しても胸が苦しくなります。
作中で、旅の青年・草太が自分の意志とは反してこの世から消えてしまいそうになるシーンが出てくるのですが、そのときに叫ぶセリフを耳にして、思い出したのでした。
■鬱映画よりも鬱
観たら気分が落ち込む映画
鬱映画として名高い『ミッドサマー』。
グロすぎる描写も多く、画面を手で覆いながら鑑賞したのですが、映像美と結末により個人的にはどちらかというと好きなタイプの作品でした。
毒を以て毒を制すと言うのか、『ヴァージンスーサイズ』や『17歳のカルテ』のような、鬱状態でみると映画の中に溶け込むような感じがダウナーな気持ちと同調して、ある意味気持ちが良かったです。(変態か)
なにが鬱にさせるのか
この作品はそんな鬱映画とは思っておらず、鑑賞後に気持ちがズーンと落ち込むことになるとは思わず観てしまったのですが・・・。
大事故、事件を思い出させる
日本という身近な出来事
生きたいと願う人たちと死にたいと願う今の自分
これらの要素が、自分の中でトリガーとなり、気分を落ち込ませたのかもしれません。
「死にたい」と思うこと
ここ数年、ブラック企業のパワハラに悩まされ、気を抜いたらふらふらっとあちら側へ飛び立ってしまいそうになることが時々あります。
だけど、これからの美しい世界をみるために。
高校生になった鈴芽が、幼い彼女自身に未来の姿を伝えたように。
もう少し、生きててみてもいいのかなと思いました。
精神的に落ち着いてきた今、「死にたい」と思うことはある意味幸せなのかもしれません。「生きたい」とどれだけ願っても、叶わないことがあるとしたら・・・。
■さいごに
HSPで感情移入しやすい方や震災経験者の方には正直、あまりおすすめできません。
それでも、鑑賞から数時間経った今、内容を把握したうえでもう一度観たいという気持ちになっています。
明るい時間に観て良かったです。
次は底抜けにくだらない、笑える映画が観たくなりました。
୨୧┈┈┈┈┈以下、ネタバレセリフあり。┈┈┈┈┈୨୧
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