ちょいと変わったノンさん~パラレルワールドからやってきたるい~

おれはるい。
「るいる~い!」
こっちはノン。
「あ、おはようノン。」
とおれが言うと、ノンは
「ノン・・・・・・?」
とけげんそうに言った。あ、そうだった。この世界はおれの住んでいる世界と違うんだった。おれは今、訳あっていわゆるパラレルワールドに来ている。
「るいるいが、おかしくなっちゃった~!」
と騒ぐノン。
「おかしくなんかなってねぇ。」
とおれ。
「るいるい?もしかして・・・・・・二重人格⁉」
と一人で盛り上がるノン。
「ちげぇよ。」
とおれ。あ、待てよ?二重人格ということにしとけばいいんじゃないか?
「違うくない違うくない。」
とおれ。ノンは
「へぇ~。もしかしてパラレルワールドがからやってきてる~。」
と言った。なかなか勘が鋭いな、こっちの世界のノン。あっちの世界のノンは勘が鈍いからなぁ。多分気づかないだろうな。一応彼氏としてやらせてもらってるんだけどなぁ。
「そんなわけないだろ?」
とおれ。
「やっぱり。るいるいはそんな言葉遣いをしない。」
え?同一人物だから性格も一緒だと思って普通に話していたもん。
「え、いや。ドッキリなんですけど・・・・・・?」
とおれは誤魔化した。ノンは
「るいるいはそんなドッキリはしない。」
と疑ってきた。ああ、もう
””めんどくせぇ””

「おれはパラレルワールドからきたるいだ。」

とおれ。
「というと?」
とノンが聞いてくる。あれ?意識が、遠のいて・・・・・・。

う、ううん・・・・・・。ここは・・・・・・。気づけばおれはまた謎の空間にいた。モニターに文字が映し出された。
『掟を破ったため戻ってきてもらった。人にはパラレルワールドのこと、秘密にしないといけないのになぁ。』
おれは掟を破ったのか。そしたらまたおれの隣が光った。
「う、ううん・・・・・・。あっ!るい?」
あ、もう一人のるいが帰ってきた。
「もしかしてるいもノンに話したのか?」
とおれが聞くと、るいは
「うん。」
とうなずいた。
「こんな感じでな~。」
とるいは話し始めた。

う、ううん・・・・・・。あれ?あ、そうだった。パラレルワールドに来たんだった。ここは・・・・・・祭りの会場だな。
「あ、ノンさん!」
とおれがノンさんを見つけて言うと、ノンさんは
「ノン・・・・・・さん?」
とけげんそうに言った。え、あ、こっちのるいはノンさんの事呼び捨てにしているのか?
「私、一応るいるいの彼女だよね?」
え?そんなとこまでいっていたのか?こっちの世界のるい。
「え、あ、そうだよ?」
とおれは答えるしかない。
「あれ?私って誰だったっけ?」
とノンさん。
「ノンさ・・・・・・ノンだよ。」
と言った。
「ねえるいるい、どこ行ってたの?謎の少年を追いかけてさぁ。」
謎の少年?
「え、あ、見失ったよ?謎の少年。」
とおれは言う。
「謎の少女だよ?」
ああ。作戦だったのか。おれはあきらめて全てを話すことにした。そしたらノンさんは
「それ、私もあった・・・・・・。私もパラレルワールドに行ったことある。何時だったっけ?お嬢様学校の時だったと思う。」
と言った。
「ノンさんも⁉」
とおれは言った後眠気が襲ってきて・・・・・・気絶した。

「で今ここにいるの~。」
とふわっとしたふいんきのるい。
「そうか。もう帰れるんじゃないのか?」
とおれが言うと、るいは
「そうだね。お~い!モニター、会話して~。」
と言った。
『はいはい。もう帰らすよって。めんどくさい~。最後にパラレルワールドの自分と会話したら?これで最後だよ?』
とモニターには書いてある。
「おいるい!」
とおれ。
「何?るい。」
とるい。紛らわしいな。
「あっちの世界のノンをよろしくな。」
とおれ。
「あ、はい・・・・・・。」
とるい。
「じゃあな。」
とおれは言って普通の世界に帰るゲートに入った。

「ああ、行っちゃった~。」
とるい。
「結局、何だったんだ?ノンさんの所にそろそろ戻ろう。」
とるい。

おれの視た少女は誰だったんだろう?あの少女は喋らなかったんじゃなくて、喋れなかったのかもしれない。

おれのゲートは向こうの世界につながっていたみたいで、向こうの世界で一日を過ごすことになった。口調と呼び方に気を付けば簡単に一日が経った。はやかったなぁ、一日。

ただ、少しだけ怪しまれていたが。

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