朝が来た。
もうだいぶ肌寒い。

いつも通りコーヒーを淹れ
外で煙草を吸おうとするが
なんだか気持ちが負けてしまい
ダウンジャケットを羽織って
表に出た。

若干大袈裟ではあったが
心が折れずに済んだので
良かったとしよう。

昨日、ツアーから帰ってきた。
なかなかの距離と渋滞があり
かなりの時間を要することになったが
無事に帰って来れた。

帰宅後は風呂に入り
ねばりキャベツとボイルウインナー、
あとは冷奴で晩酌をし、
バスタオル枕で就寝した。

ツアーでの日々が活きている。
やはり日々の暮らしというものは
どうあれこうやって
積み重なっていくものなんだな
と確信せざるを得なかった。

洗濯物を外に干し
再びコーヒーを飲む。
風こそ強めだが
天気は良いので
洗濯物の心配をすることなく
過ごせそうだ。

ホテル暮らしも悪かないが
やはり家というものは
何物にも変え難い。
古くて窮屈な我が家ではあるが
何とも言えない安心感がある。
外に干せるしね。
いやはや最高だ。

とはいえ、ね。
諸用があるので私は鏡の前に立ち
髭をシェーバーでブィィンと剃る。
家だと一日中寝巻き、ということが多いのだが
ちゃんとした服に着替え、
ちゃんとしたと言ってもジャージに
ウインドブレーカーではあるが
そこそこ良いものなはずだ。
靴を履き外に出る。

晴天の陽射しの中
駅までの道を歩き
電車に揺られる。
10日ぶりの東京。
10日ぶりの電車。
10日ぶりの渋谷。
いや、渋谷は10日じゃきかないな。

タイムリープでもしたような気分だが
たかだか10日居なかっただけだ。
まあなんて事はない。

ご飯を食べそびれている事に
今気づいたのだが、
時間もないので、用事を終えたら何かしら
食べるとしよう。
これもまあなんて事はない。

と、ここまで書いて用事を済ませてきた。
外での用事だったので
風が強くてとても寒かった。
体が芯まで冷えてしまった感覚がある。

腹も減ったし、参ったな。
と思っていたら富士そばがあった。
ああ、いいね。
富士そば食って帰ろ。

食券機に千円札を入れ
カツ丼セットのボタンを押し、お釣りを取る。
食券を渡ししばらく待つと
カツ丼セットの方ー！と呼ばれ取りに行く。

とにかくこの温かい汁が有難い。
芯まで冷えた体に染み渡るようだ。

富士そばは昔から好きで
よくお世話になっている。

ちょっとした時にすごく丁度良いし、
延々と演歌が流れる店内も何だか落ち着く。
美味い蕎麦屋は世の中たくさんあるとは思うが、
富士そばは何というか
本当にいろいろと丁度良いのだ。

カツ丼セットを平らげ
電車に揺られ帰路につく。

今日という日はまだまだ全然途中だが
私にとっては区切りがいいので
この辺にしとこうと思う。

久しぶりのシャバ
のような気持ちで街を闊歩していたが、
よくよく考えたら私にとっては
ライブもホテル暮らしも日常なのだ。
だが、まあ。
とにかく
久しぶりの家というのは
なんだか良いものですね。

それでは、また。

明日はまた韓国に行こうと思いますので
そちらも何卒よろしくお願いします。

では。

幽