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ウェイコン立ち上げ舞台裏⑩

昨日は完全に食中毒にやられて、寝込んでしまいました。そのため、作業がほとんど進められなかったのですが、久しぶりにゆっくりと考える時間を持つことができました。もちろん、食中毒を抱えながらのことで、頭痛も激しく、深く考え込むわけではありませんでしたが、最近気づいたことがあります。

それは、自分が「世界はこんなになっているのではないか」と思ったことが、大抵は既に誰かによって言語化されていることです(今までは本でインプット→学び。今は気づき→本で確認)。昨日、ふと思い浮かんだことについて調べてみたら、それもしっかりと言語化されていました。それが有名な理論かどうかは分かりませんが、少し書いてみたいと思います。

最近、コンサルや事業戦略の部署が縮小されるのではないかと思っています。その理由は、AIの出現が一因だと考えています。しかし、最近特に「なぜ今、この考えが強くなっているのか」を整理してみると、僕たちの活動が、おそらくアートから始まっていると思うからです。これを言うと、スピリチュアルな発想だと思われるかもしれませんが、私が言いたいのは、なぜこの活動をしているのか、それをなぜやる必要があるのか、なぜ今できていないのか、どうすればできるのか、どのように実現できるのか、というサイクルについてです。

今朝、この思想が何なのかを改めて考え、調べてみると、「アート思考」と呼ばれるものがありました。これは、イノベーションを起こす企業やクリエイティブな組織が持つべき思想で、アート、サイエンス、テクノロジー、デザインのサイクルで物事を動かすとされています。これはマサチューセッツ工科大学が発表したもので、クエン酸サイクルや、生物の体内でエネルギーを生み出すプロセスをモデルにしたものです。複雑系社会では、このような思考がますます必要になってくるとされています。


デザイン思考の概念図

上記の図の説明について話しますが、多分何が書いてあるか理解しづらいと思うので具体例で説明します。調べた具体例はわかりやすかったので、それを参考に説明しましょう。

かなり昔の話ですが、人間は空を自由に飛び回ることに憧れがあったと思います。この憧れに対する、もっと人間がこうしたい、こうするべきだという思考はアートに属します。この図で言うと、左上に位置します。右上はサイエンスです。つまり、なぜ飛べないのか、それは引力があるから、または翼がないからなど、空気抵抗などの科学的な理由があります。僕は飛行機について詳しくはありませんが、そういった科学的な内容があります。この思想を整え、なぜできないのかというのがサイエンスです。エンジニアリングは、どのようにすれば飛べるか、つまり飛行機の設計図を作ることを指します。そしてデザインは、課題の解決と活動の想像の間に位置し、具体的に飛行機を飛ばしてみたものを形にすることです。

企業の活動にこれを当てはめてみると、コンサルティングや事業戦略は、主にサイエンスとエンジニアリングに当たります。特にエンジニアリングに関しては、どのようにすればいいかという問いの答えは、AI、ChatGPTやその他の技術が担っていると言えます。そして、サイエンスやデザインに関しても、少しずつ貢献できるようになってきています。ただし、まだ弱い部分があります。一つ欠けているのは、アートです。アートは、そもそも自分がこうあるべきだ、こうしたい、こうすべきだという出発点です。この出発点は、人間にしか考えられない「なぜここに存在する必要があるのか」という点を深く考えなければなりません。

特に僕が言いたいのは、アートとデザインです。今後、サイエンスとエンジニアリングの部門はAIに取って代わられるでしょう。現在いるコンサルタントの大半は、本当に必要なくなるかもしれません。いわゆるホワイトカラーの仕事が奪われると言われていますが、それは正しいと思います。今後私たちが取り組まなければならないのは、そもそも何をやりたいのか、なぜそれをすべきなのかを考え、それを実行・実現するデザインです。これは人間の手でしかできないことです。現場職とも言いますが、要はデザインの仕事です。アート思考は、自分の感情や心の底にある気持ちを形にし、人と共鳴する新しいものを生み出そうとする思想です。デザインに関しては、実行力が求められます。サービスは人間に対して行うので、色んなことが起こり対処が必要になるでしょう。営業職がなくならないというのも、それが理由だと思います。では、淘汰されないコンサルや事業戦略は何なのでしょうか。僕は”アートもしくはデザインに秀でた”者だと思います。よくコンサルでは現場を知らないくせになんていう批判を聞きます。今まではそれが許されてきたはずです。何故なら、そうでもしないと考える人がいなかったから。でも近い未来は違います。現場を知らないそれらしい答えはAIが答えてしまいます。

ウェイコンでも淘汰される人間ではなくエンジニア・サイエンスの分野でも活躍できる人材を作りたいなと寝込みながら思った昨晩でした。

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