正義と誠意

人を憎むのはつらい。

自分の心が醜くなるのがわかるから。

人を憎むのはつらい。

憎んでもどうにもならないことをわかっているから。


それでも、「加害者」がいる遺族はその憎しみと戦わなければいけない。

殺人事件。

それと、交通事故。

その憎しみを断ち切れる人物は、他でもなく加害者なのだろう。

「ごめん」で済むなら警察はいらない。

それはそうだ。

だが、たとえ謝罪したところで世界は変わらなくても、その誠意で差し込む光がある。

それが、どんなに自分の正義《プライド》に背くことであっても。

なんせ、時に正義は誠意の邪魔になる。 


「死んで詫びろ」とは言わない。

それが誠意だとも思わない。

死ぬことより、生きるほうがつらいから。


――なんの話だって?

別に、特に深い意味はない。

ひとりの交通事故遺族のひとりごとって奴でさ。



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