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彼らに、あの世界に、ずっと憧れている



みなさんは、定期的に読み返したくなる小説や漫画はありますか?



私にとってその最たる漫画は『小さなお茶会』だと思う。ちょうど今、n回目の読みたいモードに入っているが、母の所有物なので実家に行くまでおあずけである。今度ゆっくり帰省できるときに読むぞー。



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『小さなお茶会』(猫十字社:作)は、1978〜1987年に花とゆめコミックスから出版された、「ぷりん」と「もっぷ」という猫の夫婦が織りなすお話である。いくつかのサイトを見てみると、「メルヘン」と紹介されていた。メルヘンってこういうのを指すのか……。

天真爛漫なぷりんと穏やかでおっちょこちょい? なもっぷの楽しいかけあいはもちろんのこと、もっぷが詩人(分厚い詩集も出すし、大女優が出席するような詩の朗読会にも出演する。冷静に考えてすごい)というのもあってか、詩的・哲学的な要素も散りばめられている。


「時間は増えるものか、それとも減るものか」という議論をすることもあれば、待ち合わせのカフェに行く道中でいくつもの「ジャメヴ」と出会ってみたり(ぷりん)、博物館で謎掛け石に「正しさ」について問われてみたり(もっぷ)……小さい頃の私にはよくわからん、と思った箇所もあったが、キャラクターや背景が魅力的なので、何度も何度も繰り返し読んでいた。





波のない、静かな海を航行しているような
そよ風がふく道を、お気に入りの服で散歩するような……



思い出すだけで心が落ち着き、微笑みがこぼれるような、そんな作品だと思う。


ああ、なんだかすごく抽象的でざっくりしている。思いが詰まりすぎると書けなくなるのが悔しくてならない(難しい部分ばかり書いたけど、ほのぼの・ファンタジー要素もたくさんあります!)なので、もし機会があったらちょっと読んでみてください。癒やし効果は保証します。



(一応Amazonのせておきます。)



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思い返してみて気づいたのだが、私は『小さなお茶会』に結構影響を受けているのかもしれない。


『小さなお茶会』というように、この夫婦は紅茶が大好き。単行本全8巻中で何度も紅茶を飲むシーンが出てくる。りんごの皮を使ったアイスティーやミント香るミルクティーの作り方を紹介する場面もあり、これがまた美味しそうなのだ。

私がコーヒー党の両親のもとで育ちながらも紅茶党になったのは、〈コーヒーが苦くて飲めない〉〈イギリスが好き〉の他に、この作品の影響もあるんじゃなかろうか。




また先程も触れたように、詩の要素が随所に出てくるし、もっぷ作の詩も1ページまるまる使って掲載されていた。言葉はほとんど覚えていないけど、おしゃれで、軽やかで、あたたかく、かっこいい詩だった。ああいう詩を書いてみたいけど、私がやるとただカッコつけた感じになってしまうのよね……今度じっくり読んで勉強させてもらいます。




夫婦共通、もっぷ、ときたら最後はぷりん。彼女の趣味・特技の1つが手芸なのだ。パッチワークのクッションも作るし、ミトンを作って村の人達に譲ったりもするし、刺繍もなんでもござれ。ミトンのときは確か「知り合いではない誰かのために作りたい」という趣旨のことを言っていて、なんかいいいな……と思いましたね。





こうしてみると、私は『小さなお茶会』の全てに憧れていたのかもしれない。そして今もそうなのだろう。今まで気づけなかったところを丁寧に拾いつつ、いつまでも楽しく読みづつけていきたい。


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