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これがエンタメのど真ん中だ!「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」感想

何とか公開日に観に行けました「ノー・ウェイ・ホーム」。

https://youtu.be/-XT5bbq6CU4

アメリカで空前の大ヒットとなっている本作はマーベル・シネマティック・ユニバース(=通称「MCU」)27作目、「スパイダーマン」シリーズの3作目に相当する。


27作目でも盛り上げるマーベルの底力

これまで26作品を生み出しその全てを世界的に大ヒットさせているMCUだけど、やっぱり「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019)が盛り上がりの頂点だったことは否めない。

というか、集大成的なあの作品の後に続くものはどう頑張っても見劣りしてしまう。
実際「ブラック・ウィドウ」「シャン・チー」を迎えるMCUファンの温度感って「エンドゲーム」に比べると絶対低くなっていたと思うんですよ。

しかし、ここで尻すぼみで終わらないのがMCU
「ノー・ウェイ・ホーム」は、あの「エンドゲーム」に負けないほどの集大成感と熱量を兼ね備えた作品なんです。

なぜかって?
それは実際に作品を観てみるか、この後の僕の感想(ネタバレあり)を読んで頂ければわかると思います。

ただ、ここで何より言いたいのは27作目でこの盛り上がりを作れちゃう凄さですよ。

いくら制作にお金と時間を注ぎ込んでも、噛み合わなくて全然盛り上がらないなんてことは映画業界では日常茶飯事で。
実際「スター・ウォーズ」のシークエルなんかはそうですよね。

その点、MCUは決めるときは絶対に決める。
MCUの歴史が連綿と続いてる理由がそこに見えました。

ここからはネタバレ全開でいくので、前情報なしで全力で楽しみたい方は絶対見ないでね。


アラが残るストーリー。でも、それを超える感動がある

ぶっちゃけ、ストーリーにはちょっとアラがあります。

というか、主人公であるピーターが身勝手過ぎて。「ファー・フロム・ホーム」で結構大人になった君はどこへ?っていう。笑

どうもマルチバースと後半の展開ありきでストーリーを組み立てていった感が強く。
マルチバース誕生のきっかけがドクター・ストレンジなわけですが、こうなるとストレンジが魔術を失敗するかピーターがわがままを言って魔術の邪魔をするしか道がないわけです。

ストレンジは有能キャラだし、単純にミスさせるわけにはいかないので結果的に後者の展開になるわけですが…さすがにピーターがわがまま過ぎてどうかと思っちゃって。

本作は「スパイダーマン」というMCUでも最高レベルの人気を誇るシリーズの3作目。
そして、コロナ禍がほんの少し落ち着いた(また拡大してるけど)段での公開。
更に、旧シリーズを複線に使うという切り札まである。
「ここでマルチバース使わないでどうする!?」という大人の事情を少しだけ感じてしまいました。

ただ、逆に言うとこれだけ要素を盛り盛りにしてもツッコミどころはそこぐらい。
つまり、他の部分はほぼ完璧なんです。


「リブート」からの「打ち切り」を逆手に取るウルトラC

過去作のリブートは数年前からハリウッドのトレンドであり、今や定着しつつあります。
リブートについては過去に詳しく書いています。

上の記事で「リブートは観客の観たいものが提供できていないから失敗することが多い」的なことを書いているんですが、今回の「ノー・ウェイ・ホーム」は真逆

過去作のヴィラン集結、そして救済。
次元を超えたスパイダーマンたちの共演。
同じ経験をしているからこそのやり取り。
そして、本当の意味でのライミ版・ウェブ版シリーズの終結。

これらすべて、間違いなく観客が求めいている要素。

過去作ヴィランの登場シーンはもちろんのこと、アンドリュー・ガーフィールドとトビー・マグワイアの登場シーンは鳥肌&感涙。
あんなに日本の劇場がざわついたのを観たのは「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」に佐藤健が登場したとき以来だ。
やっぱ日本でもアメリカでもレジェンドヒーローって凄いんだなぁ。

アンドリュー・ガーフィールドがMJを救う場面は何度観ても泣けそう。今度は救えて良かったね…グリーン・ゴブリンを追い込むトムホラを止めるトビー・マグワイアも鳥肌。

MCU版スパイダーマンのピーターは、ライミ版・ウェブ版のピーターとは異なり「大切な人が自分のせいで命を落とす」という体験をしていなかったわけですが、それさえも伏線にしてしまうとは…あの中盤の展開はお見事。一気に引き込まれました。

物語の終わらせ方&今後への含みがうまい!!

本作は最後に「全世界がピーター・パーカーのことを忘れる」という衝撃的な展開を迎えます。
それは、ピーターにとって恋人のMJや親友のネッド、家族同然だったハッピーと別れることを意味する。
今回はストレンジ以外登場しませんでしたが、アベンジャーズメンバーの仲間達もそうですよね。

ピーターが自分でその決断を下すわけですが、あの瞬間か彼は尊敬していたトニー・スターク=アイアンマンと同じ自己犠牲を取ったわけですよね。

まあトニーもピーターも自分のせいで災厄を招くことが少なくないわけですけど、最後は自分のケツは自分で拭く。この展開は非常に感慨深かった。

そして、ここで回収された「ノー・ウェイ・ホーム」というサブタイトル。
これはやられた…!と思いました。MCUシリーズの中でもここまで鮮やかにサブタイを回収した作品はないのでは。

最後のMJとのやり取り、なんか「バタフライ・エフェクト」(2003)のラストシーン観てるみたいでしたよ。切なすぎる。

そして、エンドクレジットの中盤に登場したヴェノム、更にマルチバースの深淵に入っていきそうな「ドクター・ストレンジ」2作目の予告。
いやー、たまらんです。どれだけ期待させるのよ。

過去の「スパイダーマン」作品に思い出がある人は観ろ

「観て」じゃなくて「観ろ」です。
冗談抜きで、少しでもスパイダーマンが好きだったり思い入れのある人は観ないと後悔します。

最高の劇場で、できれば過去作を思い出してから観に行って欲しい。

特にアラサーの方々。
僕と同世代の人たちは「スパイダーマン」と共に大人になった人が多いはず。

かく言う僕も、人生で初めて友達だけで観に行った映画が「スパイダーマン」(2002)だったりして。

“あの頃”と”今”が最新の映像で交わる瞬間を、ぜひ劇場で見届けてください。

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