言葉の力

糸山ハードルキャンプでの事、何か気になってることある?との問いに
「私、腸腰筋が硬くって(硬いと言われて)だから足が上がらない」といってきました。
ごめんなさい。思わず笑っちゃいました。
「もし本当に腸腰筋が硬いって自覚できてるんだったら、あなたはすごいかも。気のせいだよ。脚もちゃんと上がってるし、ちゃんとハードル超えてるじゃん!」 彼女も笑い出しました。

 腸腰筋とはインナーマッスルと言われて最も奥にあり、触って硬いなーともわからない箇所にあります。

そして腸腰筋とは厳密には腸腰筋は大・小腰筋、腸骨筋と3つの筋肉からなる筋肉の総称です。
 実際、腸腰筋が弱いと脚が上がらないのは事実です。ご老人が躓き、転びやすくなるのも筋力の低下によるモノでが、筋力とは腸腰筋(大腰筋)だけではなく全般的な話です。

 メディア的にはキャッチーな言葉で注目を惹きつけるため「言葉」だけが先行しがちです。悩んでる選手も実際に腸腰筋がどこにあるかもあまりわかってないままに、私は腸腰筋が弱い、脚が上がらない、遅いと 得体の知れない腸腰筋とうい存在からマイナス方程式を作り上げているのです。 

 アスリートも一般の人も腸腰筋(大腰筋)が重要なことは事実です。
硬い原因は前回記載した記事の成長期の生理現象も含まれると思います。
それらを含め、どうしたらいいのか?まで提案(指導)したいモノですね。
でなければ、ただ欠点を言われ悩むだけです。悩むところが違う。

どんな言葉をかけるか、どんな言葉を受け取るかはとても重要です。私は
26歳くらいの時に出会った外国人コーチに日本人との違いを初めて感じました。

私は2004年の28歳で引退しました。
 2000年にあと4年と自分の中で決定し、教員という安定した職を捨て、現役を続けました。
今でこそ、現役選手の寿命は伸びてきたし、いろんな形で現役を続けることができますが、まだ私の時代は長距離選手以外で大学以降継続するのは本当に困難でした。

 日本で練習していると必ず聞かれる 
「お前いくつになった?」「いつまでやると?まだやると?」
(すみません博多弁ですね)
当時25、6だったと思います。 
私自身もすみません。まだやってます。と申し訳ない心情でした。

ところがご縁があり、シンガポールへ単身陸上合宿にいったのです。
その特にドイツ人のハードルコーチを紹介していただき、初日に
今いくつ?と尋ねられました。年齢を伝えると帰ってきた言葉は
「いい年齢じゃん!ハードルは技術だから、今からだよ。」
そして練習の間も you can !  you can!  you can do it!の連呼。
自分以外の人間が、そこまでいってんだから、 そうかもね。
そうだよね。と、どんどんいい意味の自己洗脳になっていったのです。

ということは、反対の言葉も浴びさられ続けたら・・・・
悪い方の自己洗脳に陥ります。

 ドイツ人コーチに良い方に自己洗脳できた私は、帰国後もメールでメニューのやり取りをし、一人練習し続けました。
目標からは程遠い結果に終わった私の現役生活でしたが後悔はありません。
安定した教師の職を辞めたとき、お前はそこまでする選手じゃないと言われました。
 実際そうでしたが辞めてなかったら『今』の私の感性は絶対に生まれなかった。 ヨガにも出会ってないし、海外にも行けてなかっただろうし、何より、高校から教員まで特別ルートで歩んできた私が、どんな教員を続けていたのだろうと想像する方が怖いです。

この言葉かけは、日本人という国民性や時代などの影響もありますが
技術だと思います。 
この技術を形式化して、広めている『ペップトーク』があり、この技術は
以前よりi-yogaのテーチャートレーニングの教材の一つに含まれています。

代表理事のの岩崎氏、直々の公演が今週末福岡開催でした。
このペップトーク技術は何が素晴らしいかというと、
相手のためにかけたはずの言葉ですが、自分自身がHAPPYになるのです。

PS:岩崎さんは早くから渡米、ニックネームがHappyです。




 
 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?