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自宅籠城ここのかめ

自宅籠城ここのかめ 先週息子と外出して以来
ベランダにしか出ていない 水槽の水を取り替
えるとき 古い水をベランダに撒く 繰り返すう
ちにベランダに舞い込んだゴミや土や枯葉や
人毛が固まって干からびている それをスコップ
で掻いて袋に詰めただけで軽くめまいがしてきた
娘が再び熱を出して ほぼ前期はレポート提出
なのだがそれでストレス熱を出したようで 時期
が時期だけにあれかともおもって一応検査キット
を取り寄せてみた 198円でアマゾン 翌日
ロキソニンで熱が下がり土曜だけ何故か試験
となり そのためだけに学校へ行こうとすると
通学沿線が止まっている それで急遽隣町の
駅まで妻が送ることになった そちらからの方が
乗り換えが一度で済む それで空いている

夜 久しぶりの花火大会にかち当たらない時間
に帰れてよかった リモート授業なのに試験は
やる リモートならレポートだよな などと語呂合
わせが空しく響き 夕食を取るうちに日が暮れ
てきた 何が文学であり 何が芸術なのかなど
とまたたいしたこともない能力の思考で考えて
考えたとしてそれがそのまま半世紀前のものの
本にもっと詳しく解析されているのを見たりして
しかしながら 明晰でも優秀でもない頭脳から
出てくるそれなりかもしれないがそれなりとして
捨てておくばかりではない何かがあるのでは
ないかなどと変に思いなおしたりもする そうで
なければ 世の中は優れた頭脳から生まれた
優れた考えばかりで埋め尽くされてしまうでは
ないか もはやそれを凡庸な人達は理解もしな
いし有難いとも思わない こういうのは何とか
主義というのかもしれないが主義主張が敬遠
されるのは何も今時の風潮でもないなどと知っ
た風に論調めかして

深み とか滋養 コク それらが時として邪魔に
なることは珍しくない いつ終わるとも知れない
夜の付き合いの時に限りなく薄くした焼酎を果て
しなく舐めていた 例えが全くずれている きん
きんにずれている ユーチューブで何処の国と
もしれないピアノトリオのジャズを日がな一日
かけているが何の印象も残らない そのうちに
音が煩わしくなって止める それを何日も繰り
返すうちにおぼろげながらジャズというものに対
してのイメージトレーニングが成り立ってきた気
がする それでどうかというと何も言わんとする
ところはない そろそろ音楽スタジオに本物の
ドラムを叩きに行くことを習慣づけてもいいかな
と淡く思う

花火大会の夜を30秒にまとめた動画は当然
早回しの映像だった 隅田川に何艘もの屋形
船が浮かんで それらが微妙に左右上下に
カクカクと揺れ動いているのが絶対肉眼では
あり得ない風景だと面白かった タワ
マンの壁面代わりの開閉しない窓から花火を
見下ろした人たちも昨夜いたのだろうなとその
人達の考える物事のとらえ方と一般庶民と言わ
れる人たちのとらえかたは違うのだろうという想像
がある程度いやらしく可視化されている 質問
をしなくても画像が流れて推測することが可能
な熱帯夜 苦し紛れに出た熱帯夜 それは単に
漂うイメージの言葉ながら苦し紛れということは
割合深いところに置かれていたものなのだろう

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