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予算のないなかで「インサイドセールス部門」を立ち上げた話

こんにちは。シカです。

今回はインサイドセールスの立ち上げ方について話していこうかと思います。

これからスタートアップでセールス部門立ち上げる人。特にインサイドセールスメインでやっていこうと考えている人向けの話になります。

当時は投下できる予算がかなり少なかったので、予算のないなかでどのように部門を立ち上げ、どのような開拓チャネルを活用してインバンを獲得していこうかと考えていました。

私が立ち上げたインサイドセールスはアポ→商談→クロージング→契約までを全て電話とメール、FAXのみで行なっていました。文字通り外に出ない営業です。数字の管理で使っていたのは、SlackとGドライブ(主にスプレッドシート )くらいです。なのでやろうと思えば誰でも簡単に真似できて仕組み化できるかと思います。

当時インサイドセールスを選んだ理由は、主に2点です。

1.スタートアップでリソースが限られており効率よく商談する必要があったから。
2.サブスク型の商材で単価がそこまで高くなく、電話でクロージング可能と判断したから。

フィールドセールス主体だと訪問に時間が取られて1日の商談数に限界があるのでそれを主体とするのは、非効率だと考えました。

それでは順をおって話していきたいと思います。

まずは営業先のリスト確保からです。リスト取得の方法は主に下記があります。

リスト屋から買う

リストを買う買わないは考え方によると思うのですが、僕は上記のような比較的安めのところから購入しました。足りない情報は後日クロールして情報を取得していました。

WEBをクローリング(スクレイピング)する

開発が営業に協力的な場合は、初期はリスト作りに協力してもらっても良いと思います。それがなかなか難しい会社もあると思うので、その場合は下記のようなクロールソフトとクロール専用に安いPCを一台購入して、常に稼働させてリストのクリーニングを行うと良いと思います。

クロールソフトを動かすのもなかなか難しいという方は、下記のやり方がオススメです。

スプレッドシートで欲しい項目を設定して、下記のような在宅ワーカーさんに外注するというやり方です。ワーカーさんへは、ターゲットとなる企業が出てくる検索軸でGoogleでググってもらい、作成したスプレッドシートを共有して入力してもらっていました。僕は1項目の情報入力当たり2円とかでやってくれていました。

https://app.shufti.jp

ワーカさんの活用の仕方はもう1つあって、実際にHPURLのある会社のリストを渡して、こちらの用意した文章をHPの「問い合わせフォーム」から送ってもらうというインバウンド施策もあります。こちらは1件あたり2~3円くらいでやってもらっていました。※これはあまりやり過ぎるとクレームにも繋がりかねないので、文章の内容と頻度には最新の注意を払ってやっていました。アポ率は約15%くらいでした。

上記のような形でリストの準備ができたら取得したメアド、FAX、電話番号のチャネルごとに営業をかけていきます。

FAX会社


https://www.nippon-tele.net/

FAX会社に関しては上記3社くらいを抑えておけば大丈夫かなと思います。いわゆるFAX代行会社は、上記のような大元から卸してもらっているケースもあります。どこかは秘密ですが、僕はかなり交渉して1通あたり2.4円でやってもらっていました。数円の世界ですが0.5円安いだけでもだいぶ違ってきます。

3.0円×10,000通×4回=120,000円
2.4円×10,000通×4回=96,000円

月4回(週1ペース)で配信しただけでも、毎月24,000円の差がでてきます。通数が多いとさらになので結構バカにできない金額になります。

最初は2,000〜3000通くらい送信して、クリエイティブテストをする。1~2通返ってきたら、そのクリエティブで10,000通配信して、反応率みて、週2でクリエイティブを改善するのと、打ちすぎるとリストが疲弊するので、定期的にリストを休めながらインバウンドを獲得していました。

メール配信ソフト

https://sendgrid.kke.co.jp/


基本英語表記ですが、慣れれば操作方法もそこまで面倒臭くなくてオススメです。メールチンプは、インポートしたリストの数が一定数に達するまでは無料で使えます。ガンガンメールを送信したい人は定額で送れるセンドグリッドがオススメです。

リスティング広告

下記のように格安でLPを制作してくれる会社があるので、そこに頼んで制作してもらいました。ワイヤーはperaichi(https://peraichi.com/)かスプレッドシートで作成してデザインのイメージを共有するといいと思います。

さらに予算を抑えたい方は、クラウドワークスなどで予算を決めて発注するでも良いかもしれません。あまり予算を抑え過ぎるとダサい感じのLPになって問い合わせ率も悪くデザインを1から見直しみたいになる可能性もあるので、予算は最低10万くらいは考えておいたほうが良いと思います。

LPからの問い合わせは2~3分以内に折り返せるように、インバンが入ったらSlackに通知が来るようにAPI連携してなるべくすぐに折り返し電話できるようにしていました。

自アポ

これは文字通りリストに対して電話をかけるのですが、これはそこまで重視してやっていなかったです。上記のインバン施策からの反応率が悪くKPIが達成出来そうにない時に実施していました。いわゆるCTIなども導入せず、管理は基本的にgoogleスプレッドシートです。唯一意識していたのは、子機を使うと電話代が馬鹿にならないので、FREETEL(https://www.freetel.jp/)などの格安スマホをかけ放題で契約して営業メンバーに支給していました。携帯にするだけでも、毎月数万円の節約になります。予算に余裕がある方やアウトバウンド中心にやりたい方は、下記のようなCTIの導入を検討しても良いかもしれません。

https://www.callconnect.jp/

上記は主に行動量を担保するために行なっていましたが、それとは別に決裁者へのアプローチも行なっていました。これはどこの会社もそうかもしれませんが、決裁者アポの方が話が早いからです。

トップアプローチ

これは業界によって少しやり方が変わるかもしれませんが、例えば建設業がターゲットとかだと、年に1回リフォーム産業新聞が決裁者の名刺を紙面に載せるタイミングがあります。「新年の挨拶」というページが毎年正月に掲載され、そこに役員や社長のメアドが普通に掲載されています。このように業界紙などから決裁者の情報を取得します。

どうしてもアタックしたいターゲットがいる場合は、メアドの構成パターンは限られているので、@から後ろのドメインが分かればメールを送信することが可能です。ドメインはだいたいググったら出てきます。

メールを送るときは、そのターゲットが過去に取材されている記事や、会社のビジョンなどをチェックして、それに貢献できる。メリットのあるご提案ができる旨を端的に伝えた文章構成にしましょう。

僕は上記メールで20%くらいのインバン率で、決裁者と商談することができ成約に繋がっています。

株主経由のアプローチ

これは社長と株主の関係性や考え方によるとは思うのですが、可能であれば株主も味方につけてインバウンドの質を上げていました。

出資してもらっているVCやCVC、銀行には大手から中小まで様々な取引先がいるので、その中に攻めたいターゲットがいる場合はアポをセッティングしてもらっていました。自分達で必死に施策を練ってアプローチするのはもちろん必要なのですが、ショートカットできるなら、したいですよね。

毎回OKという訳ではないですが、ここは落としたい!というターゲットと株主が繋がっている場合や、なかなかアポが取れない大手企業などへアタックする場合はVC経由で紹介してもらえないか相談していました。上手く株主を味方につけることで効率よくアポを取得できますし、成約率も比較的高いです。株主側も投資先の事業が伸びてIPOしてもらう観点から考えてると前向きに協力してくれると思います。

インサイドセールス部門の立ち上げ初期は上記のようなことを中心に行なっていました。これからスタートアップでセールス部門を立ち上げる人の何かのヒントになれば幸いです。

ニーズがあれば、メンバーの管理や情報共有をどうしていたか等についても今後書いていきたいと思います。




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