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【書籍レビュー】「PEAK PERFORMANCE 最強の成長術」を読んで気になったこと

こんにちは、ゼロベースランニングラボラトリーの高岡です。

今日はですね、「PEAK PERFORMANCE 最強の成長術」という本についてご紹介していきます。

この本は、天才高校生ランナーのスティーブと、アメリカ政府が必要としたコンサルタントのブラッドが、自らの体験をもとに、最高のパフォーマンスを発揮する法則を考察した本なんですね。
 
とはいえ、体験だけをよりどころにしているのではなく、色んなデータを盛り込みながら読み進めていくことができるので、「なるほどねー」と頷く場面が多かったですね。

というわけで。

この本で著者が言いたかったことを、僕のフィルターを通して端的にまとめると・・・

「負荷」と「休息」の組み合わせを最適化することによって、最強の成長が促される、ということなのかなーと考えてます。

つまり、そのどちらかが適切でなければ、ハイパフォーマンスを引き出すことはできないよ、ということですね。

先にも少し触れましたが、著者の2人は陸上競技とコンサルタント、という全くの異業種にもかかわらず、同じような原因で、最終的にはパフォーマンスを落としていくことになります。この原因というのが・・・

燃え尽き(バーンアウト)症候群。

要は、「負荷」のレベルが極度に大きすぎて、燃え尽きてしまったわけですね。

そこで、本書の前半では、いかに負荷を最適化し、燃え尽きることなく、ハイパフォーマンスを引き出すか?について書かれています。

その中でも、ピリオダイゼーションの有効性について述べてますね。

ピリオダイゼーション。つまり、トレーニングの期分け、です。

目標のレースがあった場合、そのレースまでのトレーニングやテーパリングについては、結構みんなよく考えたり、興味があったりすると思うんですけど、レースの後、いかに「休息」をとるか?については無頓着だったりしません?

大きな成長を引き出すためには、この「休息」が一番大事なんだ!と、本書では説明しています。

ただ・・・

そうは言っても、ただ単に休息を入れるだけじゃあ、大きな成長を引き出すことができないということも、同時に読者に伝えてくれています。

そこに関しての具体的な方法に関しては、ぜひ実際にこの本を読んでいただきたいんですけど、実際に読んでみると・・・

「あー、まぁ、確かにね」

と、もしかしたら拍子抜けしてしまうほど、普通のことだったりします。

だけどこの普通のことが、なかなかできないんですよ。

ぜひここに関しては実際に読んでみていただきたいな、と。

やっぱり、自分自身に当てはめてもそうだし、高校生やファンランナーの皆さんを指導する時もすごく感じるのは・・・

「ストレスが成長の起爆剤になる」ということです。
 
ストレス、つまりは負荷、ですね。

負荷がポジティブに作用すると、体は望ましい形で進化するし、その反対に負荷がネガティヴの作用すると、酷い損傷と被害をもたらすわけです。

でね、この本ですごく萌えたキーワードが、こちらです。

「スキルは苦悩から生まれる」
「限界ギリギリのせめぎ合い」
「コンフォートゾーン(ぬるま湯)から抜け出さない限り、人間は成長できない」
「かろうじて手が届く挑戦」

これ、ランニングにおける成長でもそうなんですけど、仕事でも人間関係でも、全く同じだと思うんですよね。

ぬるま湯って、やっぱり居心地いいんですよね。

だけど、やっぱりぬるま湯から思い切って脱出して、自分にとって若干不都合な環境に飛び込むことによって、半強制的に成長せざるを得ない、みたいなことって結構あると思うんですよ。

昨今のコロナウィルスパニックに関してもそうで、コロナウィルスっていうショックによって、働き方や免疫力のあり方だったり、何強制的にアップデートをしいられてるじゃないですか?

これって、ある意味チャンスだと思うんですよね。革命を起こすチャンス。こういう状況じゃないと、やっぱりね、なかなかコンフォートゾーンから抜け出せないですよ。

それと、「かろうじて手が届く挑戦」に関していえば、今年の箱根駅伝で優勝した青山学院の原監督も言ってたなーって思い出しました。

あまりにも手が届かない挑戦だと過度な負荷になってしまうし、逆だと「過負荷の原則」からは逸脱してしまう。

この「かろうじて手が届く挑戦」をデザインできるか?が、負荷を最適化することなんだろうなーと思います。

それと、負荷を最適化するということでいくと、シューズアドバイザーの藤原岳久さんがいつも言ってるように、「ハードにやるだけでなく、むしろ賢く行こうよ」という文脈にも紙面を割いています。

特に刺さったキーワードが・・・

「ただやればいいということではない。何をやったか?が大事」
「シングルタスクに徹する→マルチタスクによる生産性低下」
「マインドセット次第でストレスの影響が変わる」

です。

特に「マルチタスク 」による弊害に関しては、スマホの普及との関係性って、影響あるなーと思ってます。

例えば「歩きスマホ」なんてのはその際たる例ですね。

じゃあ、それによって何が奪われるかというと、「内観」というスキルだと僕は思ってます。

要は、自分の体が今どうやって動いていて、何を感じているのか?ということに目を向ける機会を失ってしまうと思うんです。

それによって、自分の体、そしてマインドのコントロールを失ってしまってる人が、僕は結構いるんじゃないかなーなんて思ってます。

この辺りは僕自身の主観なんですけど、この本で著者も「ハイパフォーマーは意識的な練習を大切にする」という話をしています。

マルチタスクを排除して、自分のランニング、自分自身の感覚に対して解像度を深めるか?

そんなことを筆者は伝えてくれてます。


あとは、休息という文脈で「マインドフルネス」に触れています。

ここで萌えたキーワードが、こちら。

「マインドフルネスによって『今』という瞬間に集中するスキルを磨く」
「扁桃体ハイジャック(脳が感情に乗っ取られた状態)」
「マインドフルネス で疲労回復が劇的に速くなる」
「マインドフルネス筋を鍛える」
「タスクポジティブネットワーク(意識的)とデフォルトモードネットワーク(無意識的)」

マインドフルネスという単語に関しては、結構市民権得てるんじゃないかなーって思うんですけど、いかがでしょうか?

要は、「今、この瞬間に集中する」ことをブラッシュアップするのがマインドフルネスですよね。

僕たちは、過去にも生きていくことはできないし、未来を生きることもできない。ただ、この今、この瞬間に生きている。

だからこそ、過去に囚われず、未来に怯えず、今この瞬間を大事にする。

こういう態度をマインドフルネスによって身につけて、脳ミソの無駄遣いを減らしましょうね、ということですね。

どうしても僕たちの頭って、どんどん煩悩が入り込んできちゃうじゃないですか?

今わざわざ考える必要がないことを、わざわざ考えて、そして不安になってしまう。

不安による、脳のストレージの無駄遣いって結構あるなーって思うんですね。

それが少しなくなるというか、その煩悩との適切な距離感の取り方って、今回のコロナ騒動でも、改めて必須スキルだなーって思いました。


そして、休息という文脈でもう一つ、大事な話を伝えてくれてます。

それが、スマホやタブレット、パソコン、テレビなどの電気機器のブルーライトとの向き合い方、です。

「電子機器のブルーライトによる睡眠障害」
「睡眠不足による『物覚えの悪さ』」

この辺りは僕もですねー、なかなか痛いところだったりするんですけど、ブルーライトを発する端末によって睡眠が障害されるってのは、ググればどれだけでも情報が出てきますよね。

ここもね、やっぱり便利なものとの付き合い方を、一度見直してみようかね?ってことだと思うんですよ。

ちなみに、僕のiPhone、iPad、MacBookにはブルーライトカットのシート貼ってますし、「Night Shift」を使ってできるだけブルーライトをカットするように勤めてはいます。

なんかね、すぐに体に影響するものではないだけに、どうしても後回しというか、無頓着になりがちですけど、トレーニングと同様、リカバリーに関しても「塵も積もれば山となる」だと思うんです。

なので、ちょっとずつアクションしていくことで「あの時にブルーライトカットし始めてよかったわー」なんてことが、このあと10年後にあったりするかもしれませんからね。はい


というわけで、結局のところこの本で筆者が何を言いたかったのか?を、ざーーーーっくりまとめてみると・・・

「意識的に負荷をかけ、休息による無意識によって活性化する」

そういうことなのかなと。

あなた自身のパフォーマンスを深掘りしていくためのバイブルになり得る本じゃないかなーって思います、ぜひ手にとって読んでみてはいかがでしょうか?

というわけで、今日は「PEAK PERFORMANCE 最強の成長術」という本をレビューしてみました。


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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員