【股関節の活用Vol.7】半蹲踞歩きで身体落下&骨盤回旋&股関節外旋のタイミングを合わせる
こんにちは、高岡です。
さて今日も、今月のテーマである「股関節の活用」についてお話ししていきます。
前回の「蹲踞歩き」ドリル、やっていただけましたか?上下に弾みつつ股関節に外旋力を働かせながら歩く。
このスキルが身体に馴染んでくると、脚の故障の大きな原因となるオーバープロネーションを改善することができます。
また、このスキルは故障を改善するだけではありません。
このスキルによって、下肢全体の筋腱を活用することができます。
筋腱のバネ(弾性エネルギー)、つまりストレッチショートニングサイクル(SSC)という仕組みを駆動させることによって、走動作中のエネルギー消費量を抑えることができます。
つまり、ランニングエコノミーが向上するということです。
ランニングエコノミーは走パフォーマンスを構成する三つの要素のひとつ。(あとふたつは「最大酸素摂取量」と「乳酸性作業閾値」)
このランニングエコノミーを高めるために、前回お話しした「重力による落下と股関節外旋力を発揮するタイミング」を整える必要があります。
そして、それらのタイミングと今回お話しする骨盤回旋のタイミングを合わせることができれば、さらに下肢全体の筋腱を活用することができます。
あなたもきっと、エリウド・キプチョゲ選手のことをご存知でしょう。キプチョゲ選手の「身体落下&骨盤回旋&股関節外旋スキル」は見事です。
https://youtu.be/3DZFmy92tP0
膝が上がったあと、つま先は外を向きながら、着地の瞬間を迎えているのがみてとれます。
これは「身体落下&骨盤回旋&股関節外旋スキル」によってもたらされる動きです。
これによって大転子周囲の筋腱はもちろん、アキレス腱なども含めた下肢全体の筋腱の弾性エネルギーを駆使しています。
またこのスキルによって「着地点」が身体の真下に引き寄せられ、ブレーキ要素が極力抑えられことによって、脚の故障の原因となるオーバープロネーションなどの異常運動も防ぐことができます。
キプチョゲ選手が39歳になった今なお、大きな故障をすることなく世界トップレベルの活躍を見せているのも、このスキルによって脚への負担を軽減できているから、と考えられます。
というわけで、今日はこの「身体落下&骨盤回旋と股関節外旋スキル」を身につけるための「半蹲踞歩き」をレクチャーしていきます。
それでは、こちらの動画をご覧ください。
それでは、以下の流れでやってみましょう。
高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員