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独身の私の子宮が大事に育てていたもの。

(生々しい表現が苦手な方は以下は読まないでください)

生理の始めの1〜3日の経血の量が多いのと、生理痛が酷いのが数年続いている事が気になって、ようやく勇気を出して婦人科のドアを叩いたのが一年前。

エコー検査により、それなりの大きさのポリープが4個見つかった。

ポリープ。「よく歌手の喉に出来るキノコ状のイボ。」というイメージ。完全に自分とは無縁のものだと思っていた。

「なぜ歌手でもない私の、喉でもなくしかも子宮?しかも4つって?!」

驚いたものの、とりあえず経過観察として半年ごとの定期検診を受ける事になり、私も「よく分からないけど、私の子宮も暇過ぎて歌でも歌っていたのか、何かを育ててみたくなったのかもなぁ。」な〜んて位の悠長さで受け止めていた。

そして今日がその定期検診。
ポリープは大きいもので2.8cmまで育っていた。
一年前、半年前、今日。時間の経過と共に着々と育つポリープ。ポリープの成長が速すぎる事もあり、急遽細胞を取って検査をすることになった。

検査結果が出るのは1週間後。でもガンの場合もこの検査では2割は見逃す為、今日の検査結果が良性でも悪性でも、半年後の秋の定期検診の際に大きくなっていたら、麻酔をして手術で取ることになった。

手術か・・・。

帰宅途中、軽めの生理痛のような鈍痛の中、子宮体ポリープについて、そしてその手術について検索する。

「ポリープは血液を内包していることもあり、貧血や月経過多、月経痛、めまいの原因になる事も」と書いてある。・・ヤバい。ぜんぶ当てはまっている。経血の量が増えたのと、鉄欠乏性貧血になった時期もかぶる。

数時間後、タンポンのように引き抜くべく引っ張ったガーゼ。それが長い!長い!あまりに長くて、思わず頭の中で手品の時の音楽「オリーブの首飾り」が流れた。でも同時にそのガーゼ全体の血みどろ具合を見て、初めて「う。これは思ったより結構シビアなのかも?!」と思った。

血液を内包しているポリープの一部を切り取って検査をするのだから、そりゃ多少の血は出てるだろうとは思っていた。けどまさかこれほどまでとは!

そしてよくよく思い返せば昼間検査の時、カーテン越しに「返り血が!」との声が聞こえたり、何度も何度もカーテンを開けて「大丈夫?」「めまいしてない?」「もうちょっとだからね」「頑張り屋さんやね」と子供の時以来位の勢いでめちゃくちゃ励まされたり、太ももをさすってもらったりした事と、検査後にもらった生理ナプキンの汚れ具合とガーゼの様子を見て一気に色んな事の合点がいき、初めて「2.8cm」の重さと破壊力を感じた。

まぁ良性であれ悪性であれ、物理的に取ってしまえば経血の量が多いのと、生理痛が酷いという悩みや原因不明の鉄欠乏性貧血(鉄剤を飲んで今は対処療法とは言え改善されている)の謎から解放されてスッキリする。それはそれで良いことだ。

でもまさかこんな大ごとに発展するなんて。

そして「こんな風に突然大ごとって降ってくるんだな」と思うと、やはり人生は、やりたい事はやろうと思った時に何でもやるべきだな、と改めて感じる。コロナで海外に行けなくなった時も思ったけど、改めて今またそう思った。

まぁ、1週間後の検査結果と半年後のポリープの育ち具合にビビリつつ、とは言えポリープが育つのを私が何かをして止める事も出来るわけもなく、いずれにせよ何もやりようがない。なのでとりあえず今自分に出来るのは、気にせず秋冬の予定を前倒しでせっせとやることにする位かな、と思う。

と同時に、思い返せば会社員としてかなり辛かった時と生理の異常や貧血に悩み始めた時期とがかぶることを踏まえると、当時の私の中の抱えきれないネガティブな皺寄せを、このポリープという物理的な形で私の身体は受け止めてたんだなぁと、その健気さにグッとくるものもあり、数年越しに「数年越しにやっと気づいたわ。そうだったのかぁ。ごめんなぁ。ありがとう」と自分の身体を労いたい気持ちになる。

まぁ、歳をとると身体も色々あるよね。ぼちぼちやろう。

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