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ピーチ太郎〜ワンちゃんをお供にする編〜

前話↓


本編↓


前回のピーチ太郎は!!

「オッス!オラピーチ太郎!いやー、前回はドラゴンがいきなり現れて願いを叶えてくれるって言うから、オラスマホのギガ数増やしてくれって頼んだんだ!だけどドラゴンからギガ難民ウケる!って言われてカチンと来たから、オラドラゴンに爬虫類ウケるって返してやったら、オラ焼き桃にされちまったぁ!次回、ピーチ太郎、『焼き桃はタルトがお似合い?タルトの土台を買いに行け!』、絶対見てくれよな!」


ある道を犬が、、、。

「おいナレーション、俺様を犬と呼んだら、噛むぞ。」

大変失礼しました。1匹の白く体が大きい気高い狼が悠然と歩いていると、、、。

「そうそう、ちゃんと読者に伝わるようにしなきゃな。」

顔が焼き桃でできた少年が大きなカバンを背負って歩いてきました、何と甘く香ばしい匂いでしょうか。

「おいおいおい!読者に伝わる?はじめて見るやつらに伝わる?香りとかまじ二次元で一番いらねぇ情報だかんな!おい桃の小僧、大丈夫か!?」

焼き桃になったピーチ太郎はこう答えました。

「先生、僕タルトになって一生を終えたいです。」

「予想以上に重症だった!!」


狼(自称)は近くの川へピーチ太郎を連れて行きました。ピーチ太郎が川で顔を洗うとまた水々しい果物の顔に戻りました。

「果物の顔に戻るって表現もどうかと思うけどな。」

「いや〜、助かったYO!まさか作者がふざけて書いたあらすじに人生ってやつを捻じ曲げられそうだったぜ!なんかタルトにならなきゃって思っちゃって、、、!」

「まぁ、作者だのあらすじだのあまり深くは聞かねぇが、とりあえずタルトにならなくて良かったな。」

するとピーチ太郎、狼(多分犬)を見て大層驚きました。

「え、ぇええ!?」

「どうした!?」

「犬がしゃべったぁ!!」

「今更だろ!!」


ピーチ太郎と狼(どうせトイプードルかなんかやで。)は軽く自己紹介をしました。ピーチ太郎はおもむろに手のひらを狼に見せました。

「いや、お手はしないよ?」

「えー、ワンちゃんなのに?」

「お前にも言っておくが、俺様は犬じゃねぇ狼だ!それもただの狼じゃねぇ、魔界の狩人ホワイトウルフだ!おい、何絵の具取り出したんだよ。」

「いや、七色に塗ったらレインボーウルフとかに、、、。」

「塗らせねぇよ?あと塗ってもならないから。」


狼(魔界の狩人とか中二病)はピーチ太郎を助けたお礼をせがんできました。

「とりあえず俺様がどう思われようと勝手だが、助けてもらってまさかお礼がねぇとか言わないよな。」

「体で払えってか!?あ!?」

「急にキレんな!いやさっきまでタルトになりたがってた奴の体なんぞいるか!なんかねぇのか、大層デカいリュック背負ってるんだからよ。」

「じゃあ僕の顔をお食べ、、、。」

「ア○パ○マンか。誰もお前の顔作れねぇだろうが。」

「ポッケになんか入って無かったかなぁ、、、。」

「いや手軽に済まそうとするなよ!」


ピーチ太郎は狼(もう犬って認めろよ)の為に、リュックからお礼の品を探しました。

「おいナレーション、さっきから俺をディスるんじゃない!!」

「あ、じゃあおもちゃあげるよ!いっぱい持ってるから!」

「おもちゃか。まぁ俺が遊べそうなものなら検討してやろう。」

「けん玉、エアガン、ルービックキューブ!!」

「四足歩行にはキツイぞこのラインナップ!ルービックキューブに関しては人でも楽しむには相当訓練いるだろうが!」

「あ、あとお手玉、、、。」

「やめろぉ!虚しくなるだろうが!」


ピーチ太郎はおもちゃをやめて武器を探しました。

「ワンチャン君でも装備できそうな、、、あ、今のは君の事をワンちゃんって言ったわけじゃなくて、、、!」

「いいよそこまで気にしなくて!しかし武器か、俺様は狼だから人間の武器なんか持てないぞ。」

「わかってるわかってる!彼女、欲しいんでしょ?」

「何も言ってねぇよ。あとお前からは提供出来ねぇだろ。」

「とにかく武器はさ、持たなくても咥えることは出来るじゃん。だから刀とか咥えて敵を走りながらズバッと、、、!」

「おお、カッコいいじゃねえか!ゾ○ドみたいだな!」

「でしょでしょ!あ、でも刀は主人公のオレが持つに相応しいから、ワンちゃんはこれでいいしょ、火縄銃。」

「いやゾ○ドっぽいけども!撃てねぇよ!」


狼(ワンちゃん)は武器もおもちゃも諦めて食料をねだりました。

「仕方ねぇな、なら食い物寄越せよ。おもちゃや武器よりは持ってるんだろ?」

「じゃあ、きび団子あげる。」

「は?なんだこのSNSにアップしたら逆に流行りそうなこの地味な見た目は。こんなもんで俺様が喜ぶとでも思ったか!」

「だってあんまり美味しくないんだもんこの団子!砂糖足りないし!」

「て、テメェ!残飯を食わせる気だったのか!」

「残飯じゃない!家族の手作りだ!」

「なおさらタチが悪い!!」


結局、狼はお礼としてビーフジャーキーをピーチ太郎から貰いました。

「最初からこういうのにすりゃ良かった。そういや、お前なんで重い荷物を持って歩いてたんだ?観光って訳じゃないんだろ。」

「うん!オレ鬼退治、いや鬼TAIZIに行くんだ!」

「なんて絶妙な横文字使ってんだ?お前鬼退治に行くって、もしかして鬼ヶ島の?無理無理、あそこの鬼は並じゃねぇ。下手すりゃあ大陸一つ壊滅出来るって噂だぜ。だからみんな怖くて高い年貢を納めて、自分たちは襲われないようにしてるんだよ。」

「そう!だから考えた!一緒に戦ってくれる仲間を募集すれば鬼に対抗出来るって!」

「話聞いてなかった?そんな奴どこ探してもいねえって、、、!」

「いる!絶対いる!いなかったらその辺の亀を縛り付けてでも連れて行く!」

「亀さん可哀想。」


狼は考えました。なぜこんなにピーチ太郎は必死になるのだろうかと。

「おいお前、鬼退治に行くって事は家族や友達を守るためって事でいいんだな?いいか、この世で最も大切なのは自分だ。家族や友達なんてもんは信頼するな、どうせ自分の命が惜しくなったら逃げるだけなんだから。せっかくだ、お前もこのまま鬼退治に行くなんてやめて俺様のように自由気ままに生きるのはどうだ?」

「いやだ!行くったら行く!アニキとアネキにハンドクリームを買ってあげるんだ!!」

「はぁ!?100均で買えるだろそんなもん!それともあれか、鬼退治してもっと高いの買ってやろうって訳じゃねえだろな!」

「その通り!オレ鬼倒す!」

「ワシがなんだって?」

ピーチ太郎と狼は一体の鬼に遭遇しました。体長は2メートル半はあるであろう大きな鬼です。ピーチ太郎は早速ハムの詰め合わせを献上しました。

「仲良くしましょうよー!」

「テメェさっきの勢いはどうしたぁ!」


ピーチ太郎は早くも鬼に殴られ瀕死の状態になりました。

「ワンちゃん、ヘルプ、ミー!」

「(はぁ、鬼に喧嘩を売ったのはこいつだ。鬼ヶ島だけに鬼がいる訳ねぇだろ。世の中の歩き方を知らない奴が出しゃばるからこうなる。俺様は関係ないから去るとするぜ、、、。)」

ピーチ太郎を倒した鬼は、そのまま大きなリュックを漁りはじめました。

「ほぉ、ガキのくせに武器やら食い物やら色々あるじゃねぇか。あ、なんだこの小袋。中身は、団子?美味そうな匂いが全然しないな。こんなもん、、、。」

鬼が川はきび団子の入った袋を近くの川に投げ捨てましたが、ピーチ太郎は走ってその団子を川に入る直前でキャッチしました。

「ワシが投げた団子をわざわざ怪我した体で拾っただと?グハハハハ!面白い奴だ!そんな団子、拾う価値なんぞあるのか?いかにも不味そうだ!」

「お、美味しくはないよ、、、!でも、オレの為にアニキとアネキが作ったから、、、!オレが美味しく食えなくても、いつか出来る仲間が美味しく食べてくれるかもしれないし、、、!」

すると鬼は笑いながらピーチ太郎のきび団子を持つ手を川に近づけようとピーチ太郎の体をグイグイと押しはじめました。

「ならワシがお前の代わりに川へつけてやろう。どうだ、もうすぐ手に持ってる袋が川につきそうだぞぉ。不味くても美味くても、濡れたら食えなくなるなぁ。肝心のお仲間とやらは食べに来てくれるのかぁ?」

「や、やめて!けん玉あげるから、、、!」

「ワシがそんなものいると思うか?」

「そうか、なら俺様の牙をくれてやる。」 

狼はその気高き体を翻し、鬼の右肩に噛みつき、鬼は頭のあまり地面に倒れました。

「い、痛えよぉ!な、なんなんだお前はぁ!」

「あ?俺様か?俺様は、こいつのワンちゃんだ。覚えておけ!」

狼は鋭い眼光を鬼に飛ばし、鬼は恐怖のあまり一目散に逃げて行きました。

「あの、ワンちゃん、オレ、何も出来なかった。」

「そんな事言うんじゃねえ!世界一大事なもの守ったんだろうが!お前を守ったんだから一個団子よこせコラァ!!俺様が美味しくいただいてやる!」

「え、何興奮してんの。なんか引くわ。」

「テメェ空気読めぇ!!」


狼はガツガツと団子を食べた後、ピーチ太郎について行くと決めました。

「仲間を欲しがってたな。なら俺様がなる。どんな獲物にも噛み付いてやるぜ!勘違いするなよ、鬼に喧嘩を売っちまったから引き下がれなくなったのと、無関係の亀さんが無理やり縛られて連れてかれるのが嫌だっただけだ!お前の事が心配な訳じゃないからな!」

「うわ、なんか急にツンデレになった。引くわ。」

「引くなよ!感じろ!友情ってやつを!」


こうして、ピーチ太郎は犬(狼)を連れて鬼ヶ島への冒険を続けましたとさ。

「まぁ、犬も悪くねぇな。」


ピーチ太郎〜ワンちゃんをお供にする編〜 完

つづく?

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